「バズリクソンズ」企画総括・亀屋康弘さん
本格的なフライトジャケットを再現するバズリクソンズを牽引する存在であり、日本が世界に誇るフライトジャケット研究家、そして本誌連載「魁!!フライトジャケット塾」の塾長も務めるプロフェッショナル!
使用される環境で異なる進化を遂げた、タイプA-1とタイプG-1。
世界規模で多くのミリタリーファンを魅了するアイテムが、米陸軍航空隊のタイプA-1と、米海軍航空隊のタイプG-1である。どちらも飛行服という性格を持ちながら、デザインにおいて全く異なる仕様を持っている。
「どちらも第二次世界大戦において活躍した代表的な革製のフライトジャケットです。その両者の最大の違いは使用される温度域が異なること。そのアプローチの違いから独自の進化を遂げていきました。また使用素材の違いもデザインに影響を与えています。A-2は馬革という大型の動物、一方のG-1は山羊革という小型の動物なので、革の裁断方法から異なり、それがデザインにも影響を与えているのが面白い所でもあります」
【Type G-1】運動性能が高いので、バイク乗りの方にもオススメです。
小動物である山羊革を使うG-1。そのため原皮はかなり小さい。そこで効率よく使うための裁断となり、プリーツや脇下の切り替えなど、見えない部分に工夫が見られる。その結果、着用時の運動性能向上に繋がるデザインとなった。
BuAer-U.S. NAVY Type G-1 A.PRITZKER &SONS., INC.
G-1のルーツを辿ると、M-422に始まり、M-422A、AN-6552(陸・海共通)、AN-J-3 ~ 3A(陸・海共通)を経て、55J14にて「G-1」の名が初めてラベルに記載される。とはいえM-422からそのデザインは大きく変わることなく、長きに渡りアビエイターたちの身を守り続けてきた。18万4800円
【Type A-2】端的に言えば、首周りの仕様で、着こなしの見え方が変わります。
米陸軍航空隊が採用し、革製フライトジャケットの代名詞となったタイプA-2。その種類を大別すれば、“台襟あり” と“台襟なし” に分けることができる。台襟ありならラフウエアが代表格。一方の台襟なしで人気なのがJ.A. デュボウだ。
ROUGH WEAR CLOTHING CO.[ラフウエア・クロージング・カンパニー]
J.A.DUBOW MFG. CO[ジェイ・エイ・デュボウ・マニファクチャリング・カンパニー]
JACKET, FLYING, SUMMER Type A-2 CONTRACT No. W535 AC27752 BUZZ RICKSON CLOTHING. CO.
シンプルなカッコよさを持つタイプA-2。中でもラフウエア社と言えば、台襟付きらしく高い位置にある襟の形状。台襟の縫い合わせ部分が芯のように機能するため、着用時に襟がペタッとならず、凛々しい印象を与えてくれるデザインとなっている。19万5800円
JACKET, FLYING, SUMMER Type A-2 ORDER NO. 42-18775-P BUZZ RICKSON CLO. CO.
J.A.デュボウ社に代表される台襟なしのタイプA-2だが、その他にエアロレザー社も台襟なしのモデルを展開していたことで知られる。着用時に襟が開襟シャツのように低く広がるのですっきりとした印象だ。大戦当時のパイロットの様に襟を立てても着こなしやすい。18万4800円
【問い合わせ】
バズリクソンズ(東洋エンタープライズ)
TEL03-3632-2321
https://www.buzzricksons.jp/
※情報は取材当時のものです。
(出典/「Lightning2022年12月号 Vol.344」)
Text/A.Shirasawa 白澤亜動 Photo/K.Torii 鳥居健次郎(WandP)
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