「Schott(ショット)」の 革ジャンからデニム、Tシャツまで永遠の定番品BEST10

1913年に創業し、レザープロダクツを主軸に多彩なラインナップを展開するショット。そんな長き歴史を誇る同ブランドの傑作を総ざらい! 誰もが知るワンスターをはじめ、シングルライダース、ピーコートなど、年齢層を問わず愛される定番の品を深掘りしていく。

そもそも「schott(ショット)」とはどんなブランドなのか?

ショット社の創業は1913年と旧く、アーヴィンとジャック・ショット、二人の兄弟によってニューヨークで設立された。元々レインコートを作っていたが、’28年に世界で初めてフロントジッパーを採用した『PERFECTO』シリーズをリリースし、そのフラッグシップモデルとして’50年代にはエポレットに星型スタッズを配したライダースジャケット、「ワンスター」を誕生させた。

マーロン・ブランドが映画「ザ・ワイルド・ワン」で着用したモデルと言われ、バイカーズファッションに留まらず多くのロックミュージシャンに愛され、ショットの地位を確立する要因となった。

それ以来、カジュアルラインを充実させるなど、レザープロダクツを主軸に多彩なラインナップを展開するショット。ブランドが進化するのと同様に、約60年前にすでにライダースのデザインを完成させたワンスターもまた、常に時代の空気感を取り入れ、進化しながらライダースのスタンダードとして君臨し続けている。

現在、そのファクトリーは、ニューヨークと隣接するニュージャージー州のユニオンという街にある。広大な面積を持つファクトリーには110人ほどの職人が、レザーや布帛のショットのアイテムを黙々と作っている。多くのブランドが外国での生産に切り替え、大量生産にシフトする中で非常に稀な存在である。

ニュージャージーにあるSchottのファクトリー。勤続年数の長い従業員も多く、中には親子三代にわたって働く人もいるのだとか

▼ショットのファクトリーを現地取材した様子はこちらの記事で読めます。

ライダースジャケットの完成形「ショット」の“ワンスター”を生み出すファクトリー内部を公開!

ライダースジャケットの完成形「ショット」の“ワンスター”を生み出すファクトリー内部を公開!

2022年09月14日

【定番①】代表作“ワンスター”のいまのスタンダードは「Schott 613 UST ONESTAR TALL」

数々の名作を世に送り出してきたショットだが、その先頭に立つプロダクツと言えば永遠の定番ダブルライダース“ワンスター”は外せない。’50年代に発表され、エポレットにアイコニックな星形のスタッズをあしらったこのジャケットは、映画「ザ・ワイルド・ワン」で火が付き、世界中のバイク乗りがこぞってワンスターを買い求めた。

また’70~’80年代にはラモーンズやセックス・ピストルズといった有名ロックミュージシャンも愛用したことから、「ライダースジャケット=ロックの象徴」というイメージを作り上げたプロダクツのひとつである。

そんな数々のカルチャーを生み出してきたワンスターだが、いまどきのワンスターはかつてないほどスタイリッシュになってきているのがわかるのがこちら。『613 UST』は日本別注の『613 US』の基本的なデザインはそのままに、全体の着丈を約1インチ長くしたモデル。’70年代のワンスターを彷彿させるシルエットで、現代のストリートのトレンドに沿う形となった。13万2000円

▼ワンスターの種類やデザインの違いを知ってますか?

Sshottワンスターのモデルを完全解説! ダブルライダースに迷ったらワンスターを選びなさい。

Sshottワンスターのモデルを完全解説! ダブルライダースに迷ったらワンスターを選びなさい。

2022年11月01日

こちらもおすすめ! シープスキンで柔らかい「Schott 217US SHEEP ONE」

ダブルライダースのマスターピース、ショット・ワンスターも、シープスキンなら柔らかく、ライダース特有の窮屈さも感じない。Made in U.S.A.。13万2000円

【定番②】ライダース初心者にもおすすめしたい、シングルライダース「Schott SINGLE BREST RIDERS」

バイクのレーシングスーツを上下に分けたことから誕生したと言われるシングルライダース。こちらの「シングル ブレスト ライダース」はタウンユースを考慮し、腕周りの窮屈さを解消。細身のデザインとやや長めの裾丈が特徴だ。癖のないシンプルなデザインは、合わせるアイテムを選ばず幅広いコーディネイトに対応できるのでライダース初心者にも最適。

革には柔らかなシープスキンを採用しているため着心地も抜群。その柔らかさは、インナーを選ばないというメリットもあるので、タイトな革ジャンの下には着づらい厚手のニットなども合わせられるのが嬉しい。また、シングルライダースを中に着てコートやベストとレイヤードを楽しむのも人気の着こなしだ。フロントはダブルジップなのでバイク乗りにもオススメ。7万7000円

マスタードカラーもおすすめ!

レザージャケットと言えばブラックやブラウンなどダークカラーが一般的だが、ショットでは英国スタイルを彷彿させるようなカラフルなライダースが近年注目を集めている。シングル ブレスト ライダースには、発色の良いマスタード色カラーもラインナップ。細身のシルエットとカラーリングが相まって、ショットのラインナップの中でもファッション的な要素が強い一着といえるだろう。7万7000円

【定番③】流行に左右されないスタンドカラーのシングルライダース「Schott 551US Cow New Naked Single Riders」

襟付きシングルライダースよりさらにミニマルなデザインで、流行に左右されないスタンドカラーのシングルライダース。シンプルなのでどんなファッションにも取り入れやすく、レイヤードする際にも襟が邪魔にならずすっきりとした首回りに。

ワイルド且つ着こなしやすいスタンドカラーの「551US Cow New Naked Single Riders」は肉厚でシボ感を残した上質なカウハイドながらも、柔らかく仕上げている。無駄のないソリッドなデザインはコーディネイトを選ばず、流行にも左右されないため長く愛用できる。カラーはブラウンのほかブラックもあり。13万2000円

こちらも気になる! 名作レザージャケットの中でも異彩を放つラムレザーのシングルライダース「244US STAND COLLAR RIDERS」

基本的にショットのジャケットで名作と呼ばれるものは、肉厚な素材と重厚感を持つものが多い。しかし、このジャケットは子羊の革を使っているため、フィット感の高いソフトな着心地と、程よいドレープ感を持っているのが特徴。その革の柔らかさは、近年人気のオーバーサイズにも対応し、シンプルなスタンドカラーはスポーティな着こなしにも対応してくれるため、汎用性の高さが魅力なのだ。まさにオーセンティックなライダースとは対極に位置する“アーバンモデル”というわけだ。

とはいえ、ポケットのレイアウトやスタンドカラーのデザインで、ライダースの要素もしっかりと残している秀逸なバランス感もショットのプロダクツならでは。またラムレザーは、革の中(繊維)に多く空気を含んでいるため保温性が高く、暖かく着られるのも特徴の一つ。真冬はライダースの上からアウターを羽織っても、柔らかな革がゴワつき回避にも貢献してくれる。そのため秋から春までの3シーズン着まわせるレザージャケットとして大活躍するに違いない。11万4400円

▼ショットが誇るレザージャケットの定番を押さえよう!

【定番④】米海軍への納入実績が物語る、正統派「753US ピーコート」

ショットを代表するプロダクツといえばワンスターだが、同じくらい認知度の高いプロダクツといえば、やはりPコートは外せない。もとは英国海軍の艦上用防寒着として採用されており、肉厚なメルトンウールにて仕立てられているため、防風性に優れ保温性も高い。不変的なデザインだけに、いままで多くのブランドが手掛けているが、ショット社は過去にPコートを米海軍へ納入している経歴を持つことが示している通り、品質の高さと頑丈な作りで正統派ブランドとしての地位を築いてきた。

タウンユースを目的としているため生地はウール80%ナイロン20%の混紡素材で軽めに仕立てている。とはいえ24オンスの生地感は重厚感もたっぷりで目も詰まっているため防風、保温に優れている

その人気の高さゆえに、現在は派生モデルも多く誕生しているが、中でも最もベーシックな[753US]こそが、名作中の名作。肉厚なメルトン生地や、大型の襟、錨マークの大型ボタンに腹部に備わるハンドウォーマーポケットなど、これらはすべて艦上で快適に過ごすための機能的デティールで、昔からほとんど変わらないデザインを守り続けている。

クラシカルなPコートのアイコンとも言うべき10個のボタンをバランス良く配置。ちなみに冬の寒い甲板で作業する際に手袋をしたままでも着脱ができるようにボタンのサイズが大きい

そんな不変的なデザインはファッションにおいても汎用性の高さを発揮し、ジーンズ、チノ、軍パンといった定番パンツにも難なく合わせられる。しかも上品な着こなしから、カジュアルな着こなしまでシーンを選ばない使い勝手こそ、Pコートの最大の魅力といっても過言ではない。4万6200円

裏地には滑りやすい化繊素材の生地を使っているため、インナーにGジャンなどを着ていても摩擦を抑えて着心地を高めてくれる

スタンダードの753USほか、選べる2モデル。

日本人の体形に合わせたシルエットを持つ日本別注モデルの740US。本来は32ozのメルトンだが、タウンユースで着やすい24ozのメルトンに変更し、さらりと着こなすことができる。もちろんメイドインUSA。4万9500円

最も長いロングタイプの「714US」。ジャケットの上からでも羽織れるロング丈。第二次大戦でアメリカ軍の提督が着用していた膝丈のメルトンウールコートを再現している。肉厚な32ozのメルトンを採用し、13スター・ホーン・アンカー・ボタンを使用。7万5900円

【定番⑤】ボディのシルエットが秀逸なショットの「Tシャツ」

プリントは掠れた風合いが◎。ボディ自体も褪色した赤を彷彿させるためヴィンテージ感のある仕上がりに
背面の大きな刺繍はふんだんに糸を使って肉厚に仕上げているため、刺繍に陰影が生まれ立体的に表現されている
胸ポケットを横切るようにペンキ風のプリントが施され、中央にはショットのロゴも入る。右下にはショットのタグが付けられておりワンポイントのアクセントになっている
濡れても乾きやすい化繊素材を使った大きなポケット。ドローコードを絞ってシルエットにアクセントを付けられる。胸のタグにはリベットが打ち込まれたヘビーデューティな雰囲気を表現している

革ジャンなど重衣料のイメージがあるが、ショットからリリースされるTシャツたちはグッドプリントの宝庫という事実は意外と知られていない。今回紹介しているグラフィックは2021年に特に人気の高かった4枚。クラシカルなプリントやアウトドアスタイルといった、今の時流に合わせたデザインに落とし込んでいる。

またグラフィックだけでなくボディのシルエットも秀逸。やや長めに設定された袖や程よく短めの裾など、こちらも今の気分にピッタリのサイジングとなっている。サイズ展開も豊富でXSから2XLまで幅広いラインナップ(2021年の場合)も魅力なので、自分好みのシルエットを選ぶだけで、おしゃれに着こなせるというわけなのだ。夏の到来を前にチェックされたし。

※こちらの商品は現在取り扱いがありません。

この記事を書いた人
Lightning 編集部
この記事を書いた人

Lightning 編集部

アメリカンカルチャーマガジン

ファッション、クルマ、遊びなど、こだわる大人たちに向けたアメリカンカルチャーマガジン。縦横無尽なアンテナでピックアップしたスタイルを、遊び心あるページでお届けする。
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

時計とベルト、組み合わせの美学。どんなコンビネーションがカッコいいか紹介します!

  • 2025.11.21

服を着る=装うことにおいて、“何を着るか”も大切だが、それ以上に重要なのが、“どのように着るか”だ。最高級のプロダクトを身につけてもほかとのバランスが悪ければ、それは実に滑稽に映ってしまう。逆に言えば、うまく組み合わせることができれば、単なる足し算ではなく、掛け算となって魅力は倍増する。それは腕時計...

グラブレザーと、街を歩く。グラブメーカーが作るバッグブランドに注目だ

  • 2025.11.14

野球グローブのOEMメーカーでもあるバッグブランドTRION(トライオン)。グローブづくりで培った革の知見と技術を核に、バッグ業界の常識にとらわれないものづくりを貫く。定番の「PANEL」シリーズは、プロ用グラブの製造過程で生じる、耐久性と柔軟性を兼ね備えたグラブレザーの余り革をアップサイクルし、パ...

スペイン発のレザーブランドが日本初上陸! 機能性、コスパ、見た目のすべてを兼ね備えた品格漂うレザーバッグに注目だ

  • 2025.11.14

2018年にスペイン南部に位置する自然豊かな都市・ムルシアにて創業した気鋭のレザーブランド「ゾイ エスパーニャ」。彼らの創る上質なレザープロダクトは、スペインらしい軽快さとファクトリーブランドらしい質実剛健を兼ね備えている。 日々の生活に寄り添う確かなる存在感 服好きがバッグに求めるものとは何か。機...

【ORIENTAL×2nd別注】アウトドアの風味漂う万能ローファー登場!

  • 2025.11.14

これまでに、有名ブランドから新進気鋭ブランドまで幅広いコラボレーションアイテムを完全受注生産で世に送り出してきた「2nd別注」。今回もまた、渾身の別注が完成! >>購入はこちらから! 【ORIENTAL×2nd】ラフアウト アルバース 高品質な素材と日本人に合った木型を使用した高品質な革靴を提案する...

今こそマスターすべきは“重ねる”技! 「ライディングハイ」が提案するレイヤードスタイル

  • 2025.11.16

「神は細部に宿る」。細かい部分にこだわることで全体の完成度が高まるという意の格言である。糸や編み機だけでなく、綿から製作する「ライディングハイ」のプロダクトはまさにそれだ。そして、細部にまで気を配らなければならないのは、モノづくりだけではなく装いにおいても同じ。メガネと帽子を身につけることで顔周りの...

Pick Up おすすめ記事

雑誌2ndがプロデュース! エディー・バウアー日本旗艦店1周年を祝うアニバーサリーイベント開催決定!

  • 2025.11.21

エディー・バウアー日本旗艦店の1周年を祝うアニバーサリーイベントを本誌がプロデュース。新作「ラブラドールコレクション」や本誌とのコラボなど、ブランドの情熱が詰まった特別な9日間を見逃すな! 来場者には限定のブランドブックを配布! 今回のイベントに合わせ、「エディー・バウアー」をもっと知ってもらうため...

今こそマスターすべきは“重ねる”技! 「ライディングハイ」が提案するレイヤードスタイル

  • 2025.11.16

「神は細部に宿る」。細かい部分にこだわることで全体の完成度が高まるという意の格言である。糸や編み機だけでなく、綿から製作する「ライディングハイ」のプロダクトはまさにそれだ。そして、細部にまで気を配らなければならないのは、モノづくりだけではなく装いにおいても同じ。メガネと帽子を身につけることで顔周りの...

「アイヴァン」からニューヨークに実在する通りの名前を冠した新作アイウエアコレクション登場

  • 2025.11.21

ニューヨークに実在する通りの名前を冠した「アイヴァン」の新作コレクション。クラシックな要素をサンプリングしながらも現代の空気感を絶妙に捉え服と同等か、それ以上にスタイルを左右する究極のファッショナブルアイウエア。 Allen 2023年、NYに誕生した「ビースティ・ボーイズ・スクエア」。その付近で出...

着用者にさりげなく“スタイル”をもたらす、“機能美”が凝縮された「アイヴァン 7285」のメガネ

  • 2025.11.21

技巧的かつ理にかなった意匠には、自然とデザインとしての美しさが宿る。「アイヴァン 7285」のアイウエアは、そんな“機能美”が小さな1本に凝縮されており着用者にさりげなくも揺るぎのないスタイルをもたらす。 “着るメガネ”の真骨頂はアイヴァン 7285の機能に宿る シンプリシティのなかに宿るディテール...

スペイン発のレザーブランドが日本初上陸! 機能性、コスパ、見た目のすべてを兼ね備えた品格漂うレザーバッグに注目だ

  • 2025.11.14

2018年にスペイン南部に位置する自然豊かな都市・ムルシアにて創業した気鋭のレザーブランド「ゾイ エスパーニャ」。彼らの創る上質なレザープロダクトは、スペインらしい軽快さとファクトリーブランドらしい質実剛健を兼ね備えている。 日々の生活に寄り添う確かなる存在感 服好きがバッグに求めるものとは何か。機...