名古屋の名店「STANCE」オーナーが乗る、ナックルヘッドの中でも特別な1937年モデル。

  • 2022.09.11

全国にその名を轟かせる名古屋の名店「STANCE」。オーナーであり、凄腕のメカニックでもある山田さんの愛車は、ナックルヘッドの中でもスペシャルな1937年モデルだ。

ヴィンテージハーレーを普段の足にする。

「スタンス」代表・山田良さん|1981年生まれ。愛知県出身。国産バイクのカスタムショップやハーレー専門店でキャリアを積み、スタンスを立ち上げる。カスタムのセンスも抜群。Instagram@stance_motorcycle

ヴィンテージモーターサイクルの世界において、アイコニックな存在となっているハーレー。ヴィンテージハーレーの専門店であるスタンスは、全国区で知られる名店のひとつである。オーナーの山田さんは愛車を複数台所有しているが、その中でも大切にしている1台が、後に続くナックルヘッドのスタンダードとなる1937年のELだ。

「’36年にハーレー初のOHVエンジンとして誕生したナックルヘッドですが、’30年代の車両は非常に生産台数が少なく、さらに純正度の高い個体となると滅多に出会うことができません。私の場合は、10年くらい前にたまたま縁があって手に入れることができました。ただ当時でもびっくりするくらいのプライスでしたけどね(笑)」

この車両はアメリカで2011年くらいに購入した。純正スタイルをキープしながらもマフラーなどを当時の様式美でカスタムしている。シールドはハンソンのリプロダクトパーツを使っている
もともとの生産台数の少なさに加えて、現存数も極少である1937年製のEL。純正パーツが多く残っており、マフラーは当時に流行ったフォードのドライブシャフトを流用している。このシャフトは’34〜’36年のみ

’36年に登場したナックルヘッドは、多くのテストを重ねたが、プロトタイプとしての意味合いも含んでおり、翌年の’37年が本番といったところ。まさにミュージアムピースレベルの個体であり気軽に乗れる代物ではないが、それをデイリーユースしているのが山田さんのカッコよさだ。

「自分の大事な愛車だからこそ、乗ってあげないとかわいそうですからね(笑)。しっかりと手を入れているので、日々の移動だけでなく、ロングツーリングだって難なく行けますよ」

サンサーフのハワイアンシャツでコーディネイトしていた山田さん。ハード過ぎず、どこか力の抜けた印象がとても絵になっていた
旧い工場をリノベーションしたショップ。前には山田さんの愛車が並ぶ。アメリカンな雰囲気満点の外観だ。中には整備工場を併設する

1937 HARLEY-DAVIDSON ELのディテールを拝見!

1937年のみスカル型のタンクダッシュ。この年よりスピードメーターが100マイルから120マイルに変更。翌年からデザインが変わる。

1000ccのOHVエンジンは、当時の革新的な技術の結晶であり、ハーレーのアイコン的な存在となった。’41年に1200ccのFLが登場する。

シートの下には、予備のプラグを収納できるスペースがあり、なんともクラシックな印象。エンジンはオーバーホールしてあるので絶好調である。

フェンダーもチップ付きで当時のオリジナルを使っている。翌年で丸形のテールランプが変更されるので、これだけで価値があるのだ。

【DATA】
STANCE
愛知県名古屋市北区若鶴町36
TEL052-880-8029
営業/10:00〜19:00
休み/水・木曜
http://www.stance-custom.com

(出典/「Lightning2022年8月号 Vol.340」)

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