常軌を逸したこだわりと行動力でデニム業界に新風を巻き起こす異端児。

レプリカジーンズ業界は’90年代初頭に生まれたいわゆる第一世代ブランドが圧倒的に強く、そこに肩を並べるブランドがなかなか現れないのがファンには複雑なところ。そんななか、画期的手法でで業界からも一目置かれるのがコナーズソーイングファクトリーの小中氏だ。

「コナーズソーイングファクトリー」主宰/ニードルアーティスト・小中儀明さん

20歳でセレクトショップ「FORTY NINERS」(滋賀県八日市)を立ち上げ数多くのヴィンテージやレプリカジーンズを扱ってきた経験を生かし、2013年C.S.F.を設立。研究を重ね独学で縫製法を確立。次世代のヴィンテージ界を牽引する注目人物。

「コナーズソーイングファクトリー」の”ジ・オリジナル”ならではのエイジングを見よ!

昭和なアーケード街にあった廃墟を自分たちの手でリノベして作ったファクトリー。ここは小中さん専用のワークスペースで1本仕上げるのに全てのミシンを使用する

コナーズソーイングファクトリーの画期的な点は、代表の小中さんをはじめ3名のニードルワーカー(縫製師)が全工程をひとりで作り上げること。しかも、使用するミシンは全てヴィンテージ。

「僕らは16種類使うんですが、国内の縫製工場でも8種類程度です。しかも日本製ミシンで」

ファクトリーおよび、ファクトリーの近くにある倉庫に眠るヴィンテージミシンの数々。すべてが日本では入手困難といわれるユニオンスペシャルやシンガーなどのレアアイテム。現在450台以上でまだ増殖中だそう

生地もアメリカ製の糸を使用し、岡山県の生地メーカーにスタッフを一人出向させ、自社のためだけに製造ラインも確保する。

つまり、当時のオリジナルと同じ生地と縫製環境を整えた上、当時と同じ製法で仕立てる。これはもはや「レプリカ」という枠には収まらない完成度だ。

「オリジナルとも言えますが、僕らのなかでオリジナルというのはヴィンテージです。でも単なるレプリカでもない。なので、『ジ・オリジナル』というコンセプトを作りました。それはつまりコレ。当時の生産背景で当時と同じモノ作りをしているということです」

シンチバック搭載の大戦以前のモデル。「ONE PIECE OF ROCK S409XXX M-40」【1年着用】

シンチバックを搭載した第二次大戦以前の1941年に作られたモデルを生地や縫製の仕方まで再現した1本。1年ほぼ毎日着用。青味の強い色落ち具合が奥行きのある表情を生み出している。

毎日仕事場での縫製作業時に着用しているため、立ったり座ったりを繰り返すので股部分のアタリが特にハッキリと出ている

物資統制よって簡素化された大戦モデル。「CONNERS SEWING FACTORY S409XXX M-WWII」【1年着用】

こちらは第二次大戦中に物資統制が強化されシンチバックも廃止され簡素化を余儀なくされた時代の通称「大戦モデル」。クラシックなシルエットとムラ感のある色落ちが雰囲気抜群。

戦時中の生産体制のため、生地にムラや傷が多くテンションも一定でなかったが、その濃い染めとムラ感もしっかりと表現されている

現代ジーンズの完成形と評される1948 年モデル。「ONE PIECE OF ROCK S409XXX M-48」【1年着用】

戦後の1948年に作られた通称「48(ヨンパチ)」と呼ばれるモデルでヴィンテージのなかでも最も完成度が高いといわれている。生地感から縫製まで細部にわたり研究して再現する。

生産体制が整い大戦モデルと比べるとムラも整い、青味が増して、メリハリのある色落ちが楽しめる

(出典/「Lightning2022年4月号 Vol.336」)

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