お話を伺ったのはこの方……「フェイクα」澤田一誠さん
映画『乱暴者』のジョニーを愛し、ダブルライダース×デニムのスタイルを貫き続ける男。アメリカの革ジャンはデュラブル一択だが、イギリスの革ジャンはマイナーブランドを集めているのだとか。
マイナーブランドだからと言って質が悪いわけではない。
現代のプロダクツには見られない古の時代特有のレザーの質感やディテールがヴィンテージの革ジャンの醍醐味だ。ヴィンテージプロダクツが注目を集める中で情報は更新され続けるが、数が増えるものではないので、実際は’30〜’50年代の有名な革ジャンは枯渇しつつあり、値段が高騰しているのが現状。しかし、マイナーブランドの革ジャンは今でも10万円前後で手に入るものが多い。
「マイナーブランドだからと言って質が悪いわけではないんです。ブランドが有名ではない物はリーズナブルな値段がつきますが、無名なだけでディテールはそれぞれの時代を反映し、レザーの質も良いジャケットは数多く存在しています」と語るのはフェイクアルファの澤田さん。
マイナーブランドは有名なモデルほど価値が定まっていないだけで、デザインや革質は十分に当時の時代感を味わえる。審美眼は必要になるが、あえてマイナーブランドでリーズナブルかつカッコイイ革ジャンを見つけ出す新しいヴィンテージの革ジャンの楽しみ方に挑戦してみては?
「フェイクα」澤田さんチョイスのマイナーブランド革ジャン10選。
1.1950s Unknown
左肩にAMAのパッチ、背中に『RAMBLING ROMANS MC』というクラブのパッチが背中にあしらわれた’50sのホースハイドのダブルライダース。当時のバイク乗りが愛用した痕跡が残るだけに、現代のバイク乗りにおすすめしたい。10万7800円
2.1950s CAL LEATHER
当時LA警察の制服を手掛けたキャルレザーの’60sポリス。肉厚なカウハイドを使用したシングルは、キドニーパッドやサイドレースなどワイルドなデザインが魅力だ。10万7800円
3.1950s HERCULES OUTERWEAR
Dポケットがパッチポケットの仕様の’50sヘラクレス。ホースハイド製でエポレットをよく見ると両肩の2スターが一つずつ外れた跡があり、1スターになっている。5万4780円
4.1950s Fiderity Sportswear
無名ブランドの’50sのダブルライダース。レザーはホースハイドを使用し、Dポケ以降のシンプルなデザインとスナップボタンタイプのウエストベルトが特徴。6万5780円
5.1950s HERCULES OUTERWEAR
3のヘラクレスの後継にあたるダブルライダース。Dポケットの縁がパイピングの処理になっているなど、同じ’50sでも微妙にデザインが変更されている。4万3780円
6.1950s ALLSTATE
BUCOと同じ工場で生産されていたALLSTATEのトラッカージャケット。同年代のBUCOで同デザインが存在するが、ブランドの違いでリーズナブルに。7万6780円
7.1950s CALIFONIA
モンゴメリーワードで展開されていたカリフォルニアのライダースは9ジッパーのデザインが特徴で、映画『乱暴者』で登場人物が着用していたモデル。8万7780円
8.1940s Unknown
ゴートスキンを採用する’40sの1着。一般的に最も着こなしやすいシングル襟のスポーツジャケットで、胸のボールチェーンが時代感を象徴するディテール。10万7800円
9.1930s Unknown
シボや細かいシワが浮き出た肉厚なホースハイドの質感が魅力のスポーツジャケットはハトメのジッパーを採用する’30s。内リブなのでバイク乗りにもオススメ。6万5780円
10.1940s Unknown
ダブルブレストだがほぼオフセットされていないフロントが特徴的なゴートスキンのアビエイタータイプ。合わせが浅いのでオープンでも着やすいデザインだ。14万800円
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価格が高騰するヴィンテージのなかで狙い目のマイナーブランドの革ジャン。手が出る価格だから吟味して自分好みの一着を手に入れてみてはいかがだろうか。
【問い合わせ】
フェイクα
TEL03-3404-0168
※情報は取材当時のものです。現在取り扱っていない場合があります。
(出典/「Lightning 2021年10月号 Vol.330」)
Text/Y.kinpara 金原悠太 Photo/S.Tsuji 辻茂樹
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