木製ボックスを使い込んだ風合いにアレンジ! クラック加工に挑戦!

エイジングやセメント、アイアン加工など、塗装によって好みのデザインや風合いに仕上げるテクニックは、この連載でも何種類か紹介してきた。今回はその延長戦ということで、クラック加工に挑戦してみる。

▼古材風の仕上げ方はこちらの記事をチェック!

汚れ&防水加工がポイント!  屋外でも使えるベンチを作ってみよう。

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2021年10月21日

  • 【仕様】
    ■サイズ/約W340×175×180㎜(ハンドル含む)
    ■所要時間/約4時間
    ■材料費目安/約3000円(購入先によって金額は変わります)
    ■難易度/★★★☆☆

クラックとは「ひび割れ」のこと。雨や潮風など過酷な環境下にあった柵やベンチの塗装がひび割れてしまっている姿は、我々にとってまさに“味”。それを塗装によっていとも簡単に作り出してしまおうというのが、クラック加工なのだ。ポイントはベースに塗るパリパリベース。希釈度や乾燥具合によって仕上がりが変わるので、あらかじめ端材などで試し塗りをしてみるのがいいだろう。

また今回は無垢の木材のアイテムを使用したが、あらかじめ塗装されているものであれば、ひび割れからベースの色が出てくるという面白さもある。いろいろお試しあれ。

【今回教えてくれた先生は……】
DIYer(s) http://diyers.co.jp
DIYに特化したWEBサービス「DIYer (s)」。ショップの紹介やオリジナルDIYレシピを世界に発信&アーカイブしている。またDIYを通して暮らしを豊かにし、モノの価値を見直すことを提案。

まずは、準備するものをご紹介。

木製のツールボックス

ひび割れ加工をしたい木製ボックスを用意する。今回は塗装されていない無垢材を使ったツールボックスを使うので、塗装がひび割れたときに無垢材が見える。

塗料

好みの色の塗料を1色選ぶ。今回選んだのは、Hip のブルーグレー系の落ち着いた色味。約1400円

パリパリベース

上に塗る塗料の膜をひび割れ(クラック)させる下塗りベース。塗料が剥がれた仕上がりに。約500円

アンティークメディウム

最後の仕上げに塗ると古びた印象になる塗料。一般的な塗料と組み合わせて使える。約850円

このほか、大小のハケ、ウエス、スポンジなど塗装に必要な道具を準備。

今回使った道具はこちら!

電動サンダー

塗装後にサンディングするときに使う電動サンダー。木材全般に使えるので、持っておくべき一台。これは先端が尖ったタイプ。

早速やってみよう! 木の風合いを活かしてひび割れさせる。

1.ベースを塗る。

まずパリパリベースを水で薄める(目安は5%以内)。薄めるほどひび割れ具合が細かくなるので好みで薄めて、全体に塗っていく。

2.好みの塗料を重ねる。

パリパリベースの乾燥時間は、夏であれば約2時間、冬なら約4時間が目安。乾いたら好みの塗料を一面一面塗っていく。

乾かすときに塗料が下に落ちてしまうので、塗った面を上にして平らな状態で乾かそう。

3.サンディングする。

クラック加工の出来上がり。今回はより好みのひび割れにするために、電動サンダーの角で塗装を剥がして塗装の状態を調整してみた。

4.汚れ加工を施す。

アンティークメディウムで汚れ加工を施す。

角や手が触れるところは実際に汚れやすい。そういった箇所を中心に、スポンジでポンポンと付けて、ウェスで拭き取り雰囲気をつける。

完成!

ひび割れ&汚れ加工の出来上がり。新品だけれど、いかにも旧いものです感に仕上がった。時間が経つとより渋みが出てくるので楽しみに!

この塗装方法をマスターすれば、新品の雑貨だけでなく家具だって加工することが可能に。より一層ヴィンテージ感溢れる空間作りに活用してみてほしい。

(出典/「Lightning 2019年10月号 Vol.306」)

この記事を書いた人
めぐミルク
この記事を書いた人

めぐミルク

手仕事大好きDIY女子

文房具、デザイン、ニッポンカルチャーなどのジャンルレスな雑誌編集を経てLightningへ。共通しているのはとにかくプロダクツが好きだということ。取材に行くたび、旅行するたびに欲しいものは即決で買ってしまうという散財グセがある。Lightningでは飲食、ハウジング、インテリアなどを担当。
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