信じられます? これ全部、60年以上前のアイテムなんです。高価格で取引される’50sファッションの世界。

  • 2021.10.18  2020.09.09

WWⅡの戦後の混乱も落ち着き、映画や音楽といった娯楽が再び盛り上がり始めた’50年代。そんな大衆の心を代弁するかのように、ファッションも鮮やかで個性的になった。これまでに何度もリバイバルブームを作ったUS黄金期=’50sのファッションの現在の場価値とは?

’50sファッションの鍵はロカビリー音楽が握る!!

’50年代の米国を象徴するファッション、つまり、ロカビリーをこよなく愛し、今ではその要素が自身のDNAにまで刻み込まれてしまった、エロヴィス佐藤さん。

「ジャンピンジャックス」エロヴィス佐藤さん|原宿で25年以上続くロカビリーショップのジャックスを営む知る人ぞ知る有名人。’50年代の音楽やカルチャー、フ ァッションにとにかく造 詣の深い人物だ

曰く、「この時代は、不良映画が数多く生まれ、そこに感化された若者の間でロカビリーが一気に開花した時代。映画と音楽、ファッションが最もリンクした年なんです。あと、レザーやウール、レーヨン、そしてコットンといった素材が主流でした」。レザーとウールが比較的安価で、当時としては画期的だったナイロン素材が高額と、現在とは全く逆の価値観だ。

また、ダークトーンの配色が一般的だったそれまでとは異なり、戦後の景気の回復、抑圧の反動から、鮮やかな配色が目立つようになってきたのもこの時代ならでは。「でもやはり一番人気は黒。他の色と比べると2倍近くの値段です」

貴重なヴィンテージが眠るお宝の山のような「ジャンピンジャックス」店内

高価格連発! 貴重な’50年代ファッションの市場価値とは?

身につけるものが鮮やかになり、柄や色でファッションを楽しむ時代。故に地味なアイテムよりも、“アーガイル” や“エルヴィス・ドット”、“ピンク” に“ライトグリーン” といった、象徴的なデザインが今でも人気だ。

エルヴィス・ドット柄はファン垂涎のアイテム。CAMPUS コーデュロイシャツ

胸元のオーバルドット柄がポイント。エルヴィス・プレスリーが同柄を着用したことから“エルヴィス・ドット” とも呼ばれている。今でも血眼になって探すファンが多く、カラーによっては50万円以上の値がつくことも。

素肌にサラッと羽織れば上級者。SPORTIMER ハリウッドジャケット

’50年代のハリウッドスターやロカビリーミュージシャンたちが愛用したジャケット。このモデルは15万円ほどだが、イートン・ホールと呼ばれるブランドのものは特に人気が高く、30万円以上するものも存在する。

ルードボーイたちのド定番アイテム。AIRMAN,DELMAR アニマル柄シャツ

’50年代と言えば、数々の不良映画が公開された年。ティーンを中心にバットテイストなアニマル柄が大注目を集めることとなる。その代表例とも言える豹柄とゼブラ柄。どちらも当時5ドル程度だが、今だと15万円前後。

僅か数年で生産中止となった問題作。NO BRAND シューロックシューズ

紐靴が嫌いな人のために開発された、ワンタッチで着脱できる革靴。’50年代に一瞬だけ登場したが、故障が多くすぐに廃止になった代物。市場にあまり出回らなかったことから稀少性が高く現在は7〜8万円ほど。

細ベルトが抜群に合う’50sボトムのクラシック。CAMPUS CASUALS ロカビリーパンツ

サイドの装飾がポイントのロカビリーパンツ。玄人の間ではCAMPUS CASUALS社製のもが“作りが良い” と人気。中でも黒ベースにピンクの差し色が入った配色は特に受けが良い。当時は5ドル程度だったが近年では30万円以上。

’50sの人気ブランドものは今でも市場価値高し。PENNEY’S ファラオジャケット

’50年代のファラオJKTといえば、PENNEY’S。このブランドのロゴがあるのとないのとでは価値に雲泥の差があるそう。写真の様に黒ベースだと、当時15ドル程度だったものが、20〜30万円以上になる。

エルヴィス公認の有名なテキスタイル。NO BRAND プリントスカート

当時の女性が自分のサイズに合わせて手作りしたと思われる、エルヴィス・プレスリーのイラストが入ったプリーツスカート。柄によっては1万円前後のものもあるが、こういった玄人好みの柄が入ったものならば20万〜30万円に跳ね上がる。

景気の向上と共に急増したフラミンゴ。NO BRAND ピンクフラミンゴの置物。

当時は急激にお金持ちが増え、富裕層がマイアミなどのリゾート地へ足繁く通った年代。そんな理由から、アメリカの家庭は、マイアミのお土産店などで売られていたピンクフラミンゴの置物で溢れた。2〜3ドル程度だったが、今では1万5000円ほど。

ロカビリーファンが愛したジャケットコーデの要。CARMEL ナッソージャケット

エルヴィス・プレスリーやエディ・コクランなどが愛用したことで注目を集めたリゾートJKT。当時は10ドル程度だが、いまだと安くても15万円程度。ちなみに写真のグレー×ピンクの配色は非常に希少で25〜30万円の値がつく。

ギャバジャンの価値は3 種類の柄にアリ。NO BRAND ギャバジャン

’50年代を象徴するアウターといえばギャバジャン。アーガイル、デビルドッグ、サンダーバードの柄物は今でも人気が高く、例えばアーガイル柄だと、状態にもよるが、当時10ドル程度だったものが、10万円から15万円前後の価値に。

手の込んだ緻密な刺繍ワークがポイント。H bar C ウエスタンジャケット

今も続くウエスタンJKTの老舗、H BAR Cのもの。最大の特徴は胸元や背中にあしらわれた刺繍。昨今のコンピューターミシンを使った刺繍ワークとは一味も二味も違う味わいが魅力。現在は10万円近くの値がつく。

豊かなアメリカの姿がテキスタイルに宿る。NO BRAND ピアノスカート

アメリカ社会が裕福になり始めた’50年代。女性が身につけるウエアには、それを裏付けるようにピアノやプードルなどの絵柄が増え始めたのだとか。画像は当時の女性が生地から手作りしたものだが、現在は5〜6万円ほど。

裏地にクスッと笑える秘密アリ。MANLEY,etc. タイ

一見、ビジネスシーンでも使えそうなデザインだが、裏地にピンナップガールのプリントが隠された変わり種。佐藤さん曰く、「仕事中にこっそり覗いて息抜きをしていたんじゃないでしょうか(笑)」とのこと。当時は5ドル程度だったが今だと2〜3万円前後。

 

ロカビリー好きでなくとも、現代にない絵柄やカラーはなんともユニークで面白い。ファッション性もだが、その歴史的価値も計り知れない’50sファッション。気になる人はエロヴィス佐藤さんのお店を訪れてみてはいかがでしょうか?

【DATA】
Jumpin’ Jacks
東京都渋谷区神宮前1-7-10 coxy176 2F
TEL03-3470-1499
http://jumpin.jacks.jp

(出典/「Lightning 2020年3月号 Vol.311」)

LiLiCo

昭和45年女

人生を自分から楽しくするプロフェッショナル

LiLiCo

松島親方

CLUTCH Magazine, Lightning, 2nd(セカンド)

買い物番長

松島親方

モヒカン小川

Lightning, CLUTCH Magazine

革ジャンの伝道師

モヒカン小川

ランボルギーニ三浦

Lightning, CLUTCH Magazine

ヴィンテージ古着の目利き

ランボルギーニ三浦

ラーメン小池

Lightning

アメリカンカルチャー仕事人

ラーメン小池

上田カズキ

2nd(セカンド)

アメリカントラッド命

上田カズキ

パピー高野

2nd(セカンド)

断然革靴派

パピー高野

村上タクタ

ThunderVolt

おせっかいデジタル案内人

村上タクタ

竹部吉晃

昭和40年男, 昭和45年女

ビートルデイズな編集長

竹部吉晃

清水茂樹

趣味の文具箱

編集長兼文具バカ

清水茂樹

中川原 勝也

Dig-it

民俗と地域文化の案内人

中川原 勝也

金丸公貴

昭和50年男

スタンダードな昭和49年男

金丸公貴

岡部隆志

英国在住ファッション特派員

岡部隆志

おすぎ村

2nd(セカンド), Lightning, CLUTCH Magazine

ブランドディレクター

おすぎ村

2nd 編集部

2nd(セカンド)

休日服を楽しむためのマガジン

2nd 編集部

CLUTCH Magazine 編集部

CLUTCH Magazine

世界基準のカルチャーマガジン

CLUTCH Magazine 編集部

趣味の文具箱 編集部

趣味の文具箱

文房具の魅力を伝える季刊誌

趣味の文具箱 編集部

タンデムスタイル編集部

Dig-it

初心者にも優しいバイクの指南書

タンデムスタイル編集部

CLUB HARLEY 編集部

Dig-it, CLUB HARLEY

ハーレー好きのためのマガジン

CLUB HARLEY 編集部

昭和40年男 編集部

昭和40年男

1965年生まれの男たちのバイブル

昭和40年男 編集部

昭和45年女 編集部

昭和45年女

“昭和カルチャー”偏愛雑誌女子版

昭和45年女 編集部

昭和50年男 編集部

昭和50年男

昭和50年生まれの男性向け年齢限定マガジン

昭和50年男 編集部