生まれて初めてのクードゥーレザーに大興奮。
歳を取ってくると、「初めて」ということが極端に減ってくる。思い返せば、中高&大学生の時が、心躍る「初めて」がいちばん多かったような気がする。おそらく、「初めて」が多いから、“青春”と呼ぶに違いない。初めての殴り合いの喧嘩、初めての彼女、初めてのタバコ、初めての××……大人になると、そんなキュンとした気持ちがとんとなくなってくる。
20代の頃に初めて叙々苑に連れて行ってもらった時は、その肉の美味さに大興奮したが、次第に何とも思わなくなり、初めて憧れのエンジニアに足を通した時は、強くなってオンナにモテまくる気がしたが、30年間も毎日履いていると、それが幻想だと知ってしまった。
しかし先日、久しぶりの「初めて」を体験した。生まれて初めて、クードゥーレザーのブーツをゲットしたのだ。
「ROLLING DUB TRIO(ローリングダブトリオ)」のVINCENT TALL
クードゥーとは、見た目は鹿に似たウシ科の動物。肉厚でしなやかで、独特の風合いを持つ。この革を使ったファーマーブーツが、なんともワイルドで色気があるのよ。作ったのは、ブーツ好きなら泣く子も黙るローリングダブ
トリオ。彼らの作るブーツは、タフで迫力があって完全に俺好み。
このファーマーブーツも、コバが張り出して男らしいし、2トーンの色合いが、アメリカンファーマーを思わせる佇まい。手に入れた日は嬉しくて、こいつを履いて、代表の徳永さんと浅草の街を飲み歩いたほどだ。この歳になっての「初めて」が、こんなに嬉しいものだったとは。
実はこのブーツ、全体を締め上げるアジャスターベルトが付属するのだが(下写真参照)、俺はとりあえず外して
履いている。このベルトを着けると、ファーマーブーツが一転、エレガントなドレスブーツのような装いとなる。いまの「初めて」を存分に味わった後、ベルトを締めて、装いも新たに「初めてのお洒落ブーツ」として、もう一度「初めて」を味わおうと思っている。
【問い合わせ】
The Boots Shop
TEL03-6802-8083
http://www.craftbank.net
(出典/「Lightning 2020年7月号 Vol.315」)
Photo/A.Kuwayama 桑山章
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