どれも有名な映画なので、見たことがある方も多いと思うが、登場するクルマがその時代にどんな位置づけだったか? 監督はなんでこのクルマを選んだのか? という風に考えを巡らせながら見直すと、これまでとは違った楽しみ方ができるはずだ。スピード感あふれるアクションものから感涙もののヒューマンヒストリーまで、ぜひ見てみてほしい。
1.『バニシング・ポイント』・・・1970 Dodge Challenger R/T(ダッジ・チャレンジャーR/T)
新車の陸送で運ぶことを生業としていたコワルスキーが、’70年式チャレンジャーをコロラド州のデンバーからサンフランシスコまで、15 時間で配送できるか否か、賭けをしたことから物語がスタートする。警官の静止を振り切り、ひたすら走り続けるチャレンジャー。平均時速200㎞ /h というスピードで突っ走る。警察はバリケードなどを築いて暴走を止めようとするが……。ド派手なカーチェイスは少ないものの、荒野や道なき砂漠をひたすら疾走するチャレンジャーがとにかくカッコいい。乗りたくなってしまうこと間違いなしだ。
2.『ブリット』・・・1968 Ford Mustang Gt390(フォード マスタング Gt390)
スティーブ・マックイーン扮する刑事ブリットは、証言台に立つ一人のギャングの護衛を命じられた。しかし何者かに射殺されてしまう。その依頼主であったチャルマース上院議員が怪しいと睨んだブリットは、捜査を開始した……。主人公が乗るのは’68年マスタングGT390。マックイーン自らが運転して撮影された、’68 年ダッジ・チャージャーとのカーチェイスは、歴史に残る名シーンのひとつ。実際にサンフランシスコの街中を猛スピードで走らせて撮影したチェイスを、ぜひとも観ておくべし。
3.『ワイルド・スピード』・・・1994 Toyota Supra(トヨタ スープラ)
ストリートレースで稼ぐドミニクと、潜入捜査官ブライアンとの複雑な友情を描いた作品。劇中には、ハードにカスタムされた日本車が数多く登場し、これも魅力のひとつとなっている。終盤でチャージャーとゼロヨン対決するスープラが印象的。
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4.『ゴールドフィンガー』・・・1963 Aston Martin Db5(アストン マーティンDb5)
いわずと知れた人気シリーズ007の第3弾。後にボンドカーの代名詞ともなるアストンマーチンDB5が初めて登場し、オイル噴射や煙幕、イジェクトシートといった装置も備えている。男心をくすぐるギミックの数々に心躍った人も多いはず。
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5.『アメリカン・グラフィティ』・・・1932 Ford Model B Coupe (デュースクーペ/フォード モデルBクーペ)
’60年代の若者たちの青春を描いたロードムービーで、名作中の名作といえる作品。劇中に登場する黄色いデュースクーペは、おそらく世界一有名なHOT RODといえるだろう。街にあふれる華やかな’50 年代のクルマとコントラストを成している。
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6.『ミニミニ大作戦 スペシャル・コレクターズ・エディション』・・・1967 Austin Mini Cooper S1275(オースチン ミニ クーパーS1275)
個人的には冒頭に登場するランボルギーニ・ミウラが気になるが、本筋はイタリア・トリノの街中を縦横無尽に駆け巡るミニ3台が大活躍する物語。フィアット500やアルファロメオを尻目に、ミニが高性能ぶりを発揮するイギリス人らしい設定。
7.『グラン・トリノ』・・・1972 Ford Gran Torino(フォード グラン トリノ)
フォードの自動車工を勤め上げて退職した偏窟老人コワルスキーと、アジア系移民タオとの友情を描いたクリント・イーストウッド監督& 主演の映画。その愛車’72 年型のグラン・トリノは、燃費の悪い大型アメリカ車の象徴として登場する。
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8.『スピード』・・・1996 Gm Tdh 5303 (フィッシュボールバス)
キアヌ・リーブス主演のスピードといえば、冒頭のブロンコをイメージする人も多いだろうが、主役はやはり速度を落としたら爆発するバスだろう。金魚鉢のような形状の窓を持つため“フィッシュボール” というニックネームをもつ。
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9.『バック・トゥ・ザ・フューチャー』・・・1981 De Lorean Dmc12(デロリアン)
デロリアンというクルマを一躍有名にした’85年公開の、もはや説明不要な大ヒット作。タイムマシン仕様に改造され、ボディ外部には多数のケーブルやチューブが張り巡らされる。他にも’55年の世界で登場する’50sカーもたまらないポイント。
10.『激突!』・・・1971 Plymouth Valiant(プリムス・ヴァリアント)
平凡なサラリーマンが、トレーラーを追い抜いたことから執拗に追跡されるという恐怖を描いたスピルバーグ初期のサスペンス。主人公の乗る’71 年式のプリムス・バリアントは、平凡な大衆車という位置づけで起用されたといわれている。
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(出典/「Lightning 2016年8月号 Vol.268」)
Text/D.Katsumura 勝村大輔
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