若かりし頃の憧れであったポルシェ911を所有することで、ドライブが至福の時間に変わる。
時計専門店を開業する以前、出版業界で編集・ライターとして活躍していた日比さんのキャリアは、モータージャーナリストのアシスタントからはじまった。
「元々クルマに興味があって、とあるモータージャーナリストの方をご紹介いただいてお手伝いをすることになりました。主な仕事は試乗用のクルマを借りに行くことでしたが、それこそあらゆるメーカーにうかがう機会がありましたが、ポルシェやフェラーリに行くことはほとんどなくて……。さらには、この2社に関しては、“あらゆる意味で別格”という話を行く先々で聞いていたので自然と憧れが芽生えていました」
その後、出版社へ就職した日比さんは、自動車専門誌やファッション誌などの編集業務に携わる。
「出版社で働いていた頃も、なんだかんだクルマが好きで乗り続けていましたが、実務などのことを考えるとポルシェという選択肢は厳しいものがあり、現実的ではありませんでしたね」
独立してフリーランスの編集・ライターとして活躍する傍ら、ヴィンテージロレックスの収集を進めていくうちに、日比さんの中でポルシェへの熱が再燃していく。
「調べていくと、ロレックスとポルシェには、不変的なデザインや優れた資産性など多くの共通点があって、40代を迎えたことだし、一度はオーナーになってみたいということで昨年購入しました」
日比さんの御眼鏡に適った一台は、2016年製のポルシェ911カレラ(991タイプ)だった。
「アシスタント時代に先輩方が絶賛していた水冷エンジンへの憧れもありましたが、実用ありきでこのモデルを選びました。高年式だから何一つ不自由はありません」
【2016 Porsche 911 Carrera】快適さと洗練を兼ね備えた水冷搭載エンジンの最終モデル。
911シリーズの7代目となるポルシェ911カレラ(991タイプ)は、自然吸気の水冷エンジンを搭載する
最終モデルとなり、これ以降は新設されたツインターボのエンジンを採用している。
基本的には911の不変的なデザインやフォルムを踏襲しているが、その時代に適したテクノロジーを取り入れているため、細部を見比べるとディテールに変化が分かる。クルマに限らず、何十年も継続して販売し続けているロングセラーは、このように進化をすることで時代のニーズに対応している。
こちらの991タイプの場合、快適性においては、それ以前のより明らかに上回るというメリットがある。つまり、新旧のモデルから自分らしい一台が選べることも911ならではの醍醐味だと言えよう。
インテリア
あらゆるプロダクツにおいて、機能性とスタイリングとのバランスを保つことは永遠のテーマだ。ラグジュアリー感を醸す911のインテリアは快適性の面においても申し分ない。
リアフード
究極のロングセラーである911の根本的なデザインは不変。その一方で時代の先端を追求する姿勢がさらなる進化を促す。リアフードの変遷ひとつにもその足跡が刻まれている。
リアスペース
日比さんがこのモデルを選ぶ決め手となった理由のひとつが、こちらのリアスペース。ゴルフバックを十分収納できるため、ラゲッジスペースとして重宝しているそうだ。
ホイール
機能性はもとより、スタイリングに関しても今のところ大きな不満はないらしいが、唯一ホイールは黒く塗装することで自分好みのスタイルにアレンジを加えている。
日比さんのこだわりファッションもお手本にしたい!
くだけすぎないカジュアルが今の気分だという日比さん。クルマもさることながら、実にかっこよく、ポルシェ911とも似合うコーディネイト。大人カジュアルの参考にしてみてはいかがだろうか。
ロレックスのデイデイト
いざ探すと見つからないスムースベゼル仕様のRef.1802/8。ロレックスのプレステージモデルであるデイデイトの高級感は911の世界観ともマッチする。
フレンチヴィンテージのサングラス
ドライブの必需品であるサングラスはフレンチヴィンテージを愛用。フラットレンズに交換することで掛けやすさと同時にファッション性を高めている。
コンバースのワンスター
コンバースはオールスターではなく、断然ワンスター派だと語る日比さん。特にスムースレザーのブラックはお気に入りでドライブでの着用率も高い。
(出典/「Lightning 2020年2月号 Vol.310」)
Text/T.Tokano 戸叶庸之 Photo/T.Onda 恩田拓治
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