「テーラー東洋」直伝! スカジャンは洗濯できる? 基本の手入れと保管のポイント。

アセテート生地や別珍を使ったスカジャン。生地は保管や着方によってはシワになりやすく、そして刺繍はほつれてしまうこともあるだろう。そんなスカジャンの日々のメンテナンスとは? 日本におけるスカジャンのキングオブキング「テーラー東洋」の松山さんにレクチャーしていただいた。

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2023年04月20日

教えていただいたのはこの方!

「テーラー東洋」企画・松山達朗さん。古着業界で青春時代を過ごし、ヴィンテージスカジャンの魅力に没頭。後に世界初のスカジャン専門書を出版した第一人者である。

ACETATE SOUVENIR JACKETをメンテナンス!

「テーラー東洋」のスーベニアジャケットは、主にアセテート生地と別珍の生地の展開。今回はアセテート生地のメインテナンスを教えてもらう。水洗いは厳禁だ。

用意するもの

業務用のスチーマー。家庭では所有するのが難しいが、市販品のスチーマーでも問題なくメインテナンスできるのでご安心を。

1.まずはスチーマーを起動。

今回は収納した際にどうしても付いてしまうシワを取っていく。高温なので除菌効果も。

2.念のため当て布を!

松山さんの場合は慣れているので、そのままでも問題ないが、念のため当て布のご用意を。

3.リブには当てない!

シワ部分だけでなく、全体的にスチーマーを当てていく。ただウールを使ったリブはNGだ。

仕上がりがこちら!

繊細なアセテートもスチームと当て布で、ここまでシワがなくなった。強く押し当てればテカリの原因になるので、様子を見ながら無理にシワを伸ばさないように気を付けたい。

【保管】ハンガーは厳禁! 畳んで保管。

スカジャンは、アセテートや別珍など、デリケートな生地を使っているので、肩に負荷の掛かるハンガーでの長期保管は避けたい。そのため、たたんでストックしておくことが基本。

背中に向かって袖を折る。

ひっくり返して刺繍同士がくつかないようにこの状態に。なるべく刺繍が擦れないようにこの手順でたたむのがベストだ。

刺繍の糸の飛び出しはどうすればいい?

スーベニアジャケットの刺繍は非常にデリケート。糸が飛び出してしまった場合、切るのは絶対にNG。レース針で押し込むのが正しい対処法だ。

用紙するもの

レーズ針を使ってケアしていく。

1.飛び出た糸は切らない。

スカジャンの刺繍は1本の糸で繋がっているため、切るとそこから解けてしまう可能性が大。

2.レース針で押し込む。

レース針と呼ばれる裁縫道具。先端がフック状になっていて引っ掛けるように押し込む。

3.これだけで印象が違う。

テクニックは必要だが、糸を押し込むとほつれを防止できるので、是非とも挑戦したい。

(出典/「Lightning 2017年3月号 Vol.275」)