ターコイズ製造現場に潜入! ただの石ころが宝石に変わる瞬間を徹底レポ!

男性が身につけるという意味でポピュラーな宝石といえば、ターコイズ。アメリカンジュエリーには欠かせないものだ。しかし、ターコイズに限らず宝石はジュエリーになった状態で見ることがほとんど。実際に、どうやって原石からジュエリーへと変化していくのか、アメカジ好き、アメリカンカルチャー好きなら気になるところ。そんな気になる過程を、覗いてみよう!

STEP-1 母岩をチェック。

まずは母岩の中にターコイズがどのような形状で生成されているかを観察し、どのようにカットすると効率よくターコイズが切り出せるかを検討する。

STEP-2 石をカット。

鋭い円盤が回転する鉱石用カッターマシンで母岩からターコイズを切り出していく。この時に、最終的な形状を想像しつつ、やや母岩を残しながらざっくりとカットするのがポイント。

STEP-3 バッキングを施す。

バングルやリングなど貴金属と組み合わせる場合は、石の裏面がフラットになっている方が作業効率は良く、ターコイズ本体よりも強度が高まるためバッキングと呼ばれる処理を行う。樹脂や砂などを混ぜた専用剤をテーブルの上に流し、その上にターコイズを置き、固まるまで乾燥させる。

STEP-4 ターコイズを切り分ける。

バッキングが固まったらターコイズの形状に沿ってニッパーなどで切り分ける。バッキングの厚みは1㎜前後。石のカサ上げにもなるため、ジュエリーに付けた時に映えやすいというメリットもある。また小さい石の場合は、後の工程である研磨作業がしやすいように、バッキングにドップと呼ばれる竹棒を接着し持ち手を付ける。

STEP-5 研磨し、形を整える。

次はグラインダーを使って研磨する。母岩を取り除くため表面を削りターコイズ質を露わにしていく。次にティアドロップの形状にするためアウトラインも削ってシルエットを整える。削りすぎてしまう場合があるため、状態を見ながら少しずつ研磨するのがコツ。

STEP-6 荒磨きを行う。

形を整えたら、細かな番手のヤスリでターコイズの表面を滑らかに仕上げる。前の工程よりも不純物も小さくなっているのがわかる。またシルエットの細かな調整も行い仕上げていく。この工程では表面がまだマットな質感。よく見ると細かなヘアラインが残っている。

STEP-7 仕上げのポリッシュ。

最後の工程は柔らかな革製の円盤を使ったポリッシャーで表面を磨き上げ、ピカピカに輝いたら完成。ターコイズはタイロン鉱山で採掘されたもので、美しいジュエリーへと昇華した。

ここからさらに、シルバーと合わせるなどしてジュエリーとして完成する。ターコイズの輝きは、このように職人の手によって生まれ、あの鮮やかな色合いが表現されているわけだ。産地でもまた風合いが異なるなど、極めたくなるターコイズの世界へ足を踏み込んでみてはいかがでしょうか?

▼ターコイズについてもっと知りたい人はこちらをチェック!

ターコイズの色・産地・模様から価値を評価! 正しいターコイズの選び方。

ターコイズの色・産地・模様から価値を評価! 正しいターコイズの選び方。

2023年02月17日

(出典/「別冊Lightning Vol.199 アメリカン・ターコイズ」)

この記事を書いた人
サカサモト
この記事を書いた人

サカサモト

アメカジ系動画ディレクター

Lightning、2nd、CLUTCH Magazineの公式YouTubeチャンネル「CLUTCHMAN TV」のディレクター。元Lightning副編集長ということもあり、クルマ、バイク、ミリタリーなど幅広い分野に精通。現在はもっぱら動画作成機材に夢中。ニックネームは、スキンヘッドにヒゲ面をいう「逆さ絵」のような顔に由来する。
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

着用者にさりげなく“スタイル”をもたらす、“機能美”が凝縮された「アイヴァン 7285」のメガネ

  • 2025.11.21

技巧的かつ理にかなった意匠には、自然とデザインとしての美しさが宿る。「アイヴァン 7285」のアイウエアは、そんな“機能美”が小さな1本に凝縮されており着用者にさりげなくも揺るぎのないスタイルをもたらす。 “着るメガネ”の真骨頂はアイヴァン 7285の機能に宿る シンプリシティのなかに宿るディテール...

今っぽいチノパンとは? レジェンドスタイリスト近藤昌さんの新旧トラッド考。

  • 2025.11.15

スタイリストとしてはもちろん、ブランド「ツゥールズ」を手がけるなど多方面でご活躍の近藤昌さんがゲストを迎えて対談する短期連載。第三回は吉岡レオさんとともに「今のトラッド」とは何かを考えます。 [caption id="" align="alignnone" width="1000"] スタイリスト・...

雑誌2ndがプロデュース! エディー・バウアー日本旗艦店1周年を祝うアニバーサリーイベント開催決定!

  • 2025.11.21

エディー・バウアー日本旗艦店の1周年を祝うアニバーサリーイベントを本誌がプロデュース。新作「ラブラドールコレクション」や本誌とのコラボなど、ブランドの情熱が詰まった特別な9日間を見逃すな! 来場者には限定のブランドブックを配布! 今回のイベントに合わせ、「エディー・バウアー」をもっと知ってもらうため...

時計とベルト、組み合わせの美学。どんなコンビネーションがカッコいいか紹介します!

  • 2025.11.21

服を着る=装うことにおいて、“何を着るか”も大切だが、それ以上に重要なのが、“どのように着るか”だ。最高級のプロダクトを身につけてもほかとのバランスが悪ければ、それは実に滑稽に映ってしまう。逆に言えば、うまく組み合わせることができれば、単なる足し算ではなく、掛け算となって魅力は倍増する。それは腕時計...

グラブレザーと、街を歩く。グラブメーカーが作るバッグブランドに注目だ

  • 2025.11.14

野球グローブのOEMメーカーでもあるバッグブランドTRION(トライオン)。グローブづくりで培った革の知見と技術を核に、バッグ業界の常識にとらわれないものづくりを貫く。定番の「PANEL」シリーズは、プロ用グラブの製造過程で生じる、耐久性と柔軟性を兼ね備えたグラブレザーの余り革をアップサイクルし、パ...

Pick Up おすすめ記事

「アイヴァン」からニューヨークに実在する通りの名前を冠した新作アイウエアコレクション登場

  • 2025.11.21

ニューヨークに実在する通りの名前を冠した「アイヴァン」の新作コレクション。クラシックな要素をサンプリングしながらも現代の空気感を絶妙に捉え服と同等か、それ以上にスタイルを左右する究極のファッショナブルアイウエア。 Allen 2023年、NYに誕生した「ビースティ・ボーイズ・スクエア」。その付近で出...

今こそマスターすべきは“重ねる”技! 「ライディングハイ」が提案するレイヤードスタイル

  • 2025.11.16

「神は細部に宿る」。細かい部分にこだわることで全体の完成度が高まるという意の格言である。糸や編み機だけでなく、綿から製作する「ライディングハイ」のプロダクトはまさにそれだ。そして、細部にまで気を配らなければならないのは、モノづくりだけではなく装いにおいても同じ。メガネと帽子を身につけることで顔周りの...

【ORIENTAL×2nd別注】アウトドアの風味漂う万能ローファー登場!

  • 2025.11.14

これまでに、有名ブランドから新進気鋭ブランドまで幅広いコラボレーションアイテムを完全受注生産で世に送り出してきた「2nd別注」。今回もまた、渾身の別注が完成! >>購入はこちらから! 【ORIENTAL×2nd】ラフアウト アルバース 高品質な素材と日本人に合った木型を使用した高品質な革靴を提案する...

時計とベルト、組み合わせの美学。どんなコンビネーションがカッコいいか紹介します!

  • 2025.11.21

服を着る=装うことにおいて、“何を着るか”も大切だが、それ以上に重要なのが、“どのように着るか”だ。最高級のプロダクトを身につけてもほかとのバランスが悪ければ、それは実に滑稽に映ってしまう。逆に言えば、うまく組み合わせることができれば、単なる足し算ではなく、掛け算となって魅力は倍増する。それは腕時計...

雑誌2ndがプロデュース! エディー・バウアー日本旗艦店1周年を祝うアニバーサリーイベント開催決定!

  • 2025.11.21

エディー・バウアー日本旗艦店の1周年を祝うアニバーサリーイベントを本誌がプロデュース。新作「ラブラドールコレクション」や本誌とのコラボなど、ブランドの情熱が詰まった特別な9日間を見逃すな! 来場者には限定のブランドブックを配布! 今回のイベントに合わせ、「エディー・バウアー」をもっと知ってもらうため...