聖地・ネバダの3大ターコイズを例にグレードを見てみよう。
世界中にあるターコイズの産の地の中で、アメリカにおける聖地といえばネバダ州であるが、中でも3大ターコイズと呼ぶにふさわしいのが、「Number 8(ナンバーエイト)」「Lone Mountain(ローンマウンテン)」「Lander Blue(ランダーブルー)」。
先に述べたように、ターコイズは鉱山によって色の濃さが変わるため、他の鉱山と比べることのできない。そこで3大ターコイズのそれぞれの鉱山で産出されたターコイズのグレードを見比べてみよう。左上から右下へとグレード順に並んでいるので、鉱山ごとに持つ色や柄の傾向も一目瞭然。同じものはひとつとない個性豊かな表情を堪能していただきたい。
Number 8(ナンバーエイト)
1925年に発見されたが、当時の地権者2人の意向により、1929年より採掘が始められた。1930年にテッド・ジョンソンが地権者の1人であるアール・バフィントンから採掘権を買ったことを機に、その権利が何人もの手に渡った鉱山でもある。最終的には、1976年にドウェル・ウォードが採掘したのを最後に閉山されてしまった。グレードが上がるほどに深いブルーになり、黒のマトリックスが入るが、市場にあるもののほとんどは淡い青で茶系のマトリックスだ。
Lone Mountain(ローンマウンテン)
3大ターコイズに数えられるローンマウンテンは、1920年にリー・ハンドが採掘権を取得し、ブルージェイ鉱脈と名付けた鉱山がルーツになっている。そしてドク・ウィルソンに売却し、数世代にわたりターコイズの採掘が行われ、1970年代に最盛期を迎えた。危険な採掘作業を繰り返した結果、鉱床が破壊されたと言われ、現在は採掘エンジニアと密接な連携を取り、採掘が行われている。最上級グレードのものは、真っ青な石にブラックや茶、黄茶のマトリックスが入る。
Lander Blue(ランダーブルー)
3大ターコイズとして名を馳せ、多くのコレクターが存在するランダーブルーは、1973年に発見されたので、そこまで歴史はない。それだけ石に個性があり、マーケティング的にも成功したと言える。リタ・ハップグッドが姉妹と息子を連れて、ターコイズを探しにピクニックしていたところ、小さな青い鉱石が付いた石を見つけた。そのほとんどに黒いマトリックスがあることが特徴で、その採掘量は極めて少ない。ジェムグレードに近くなるほど、美しいスパイダーウェブに。現在は閉山している。
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模様の少ないターコイズなら「スリーピングビューティー」を選べ。
この露天掘り鉱山地区のある山脈が、遠くから見ると寝ている女性に見えることから、スリーピングビューティとネーミングされた。ここから産出されるターコイズは、白亜色から透明感のあるスカイブルーまで幅広く、他の鉱山のように黒いマトリックスやスパイダーウェブが掛かるようなものは見掛けない。世界的に人気の高い鉱山のひとつであり、アメリカの先住民であるズニ族のアーティストからも昔から支持されている。ヨーロッパでも有名な石である。単色の美しい石を探すなら、スリーピングビューティがおすすめだ。
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