【僕らが“ジャパニーズアメリカン”に乗る理由。】カワサキZ1000LTDに乗る木下傑貴さんの場合

実直なマシン作りはもとより、良き時代のAMAアメリカンレーサーを彷彿とさせるセンスのよさで、カワサキの空冷Z好きなら知らない人はいないであろう名店「ブルーサンダース」。そこでメカニックとして働く木下さんの愛車がZ1000LTDだ。雨だろうと多少の雪だろうと通勤に使っているという。

ひと目見た時、純粋に“カッコいい”と思ったんです

出会いは2年ほど前。当時、以前の仕事でブルーサンダースの社長、岩野さんと頻繁にやり取りしていた木下さんが、二人で会話していた時だった。

「『LTDが好きだから、いつかは買いたいです』っていう話をしてて。そしたら『店の裏にあるよ』って。見せてもらったら朽ち果てそうなLTDがありまして(笑)。それを譲ってもらって、自分で直すことにしたんです」

いろいろと社長にアドバイスをもらいながら、作業はすべて自身の手で行った。しかしそれこそがブルーサンダースのメカとしてやっていけるか否かの面接だったのでは…と今にして思うという。それにしてもZを

専門に扱う店でLTDとは珍しいチョイスでは…?

「少しの間でしたけど先輩がLTDに乗っていたんですよ。乗り方もカッコいい人で…。ある時、地下駐車場の薄明りに照らされている先輩のLTDを見て、なんてカッコいいバイクなんだと思いました。その時からです。自分がZを意識するようになったのは」

その時の立ち姿が忘れられず、愛車はフロント19、リヤ16の純正ホイールサイズのまま。当然外装も純正だ。実際に乗ってもリヤが低いこのLTDならではのバランスが、具合がいいのだという。

「とにかく〝動くようにすること〟を目標にレストアしたので、フロントのマスターシリンダーやリヤサスも、手近なところに転がっていたから交換した…という感じで、あまりこだわりはないんです。

でもLTDは本当に乗っているだけで楽しい。普通飽きるじゃないですか、それがないんです。乗るたびに楽しさを感じていますよ」

KAWASAKI Z1000LTD

朽ち果てそうな状態から自らの手でレストアした愛車は、「点火系とキャブだけはやった方がいい」という社長のアドバイスのもと点火系をブルーサンダースオリジナルマッピングのASウオタニ製に、吸気はCRキャブレターに変更している。

マフラーやリヤショック、ブレーキのマスターシリンダーは「そこら辺に転がっていたもの」を再利用。外装やシートもノーマルのままだが、何とも玄人好みの味わい深い佇まいだ。

自らオーバーホールしたエンジンは、ワイセコ製Φ72㎜のピストンを使用して排気量を1075㏄に。それ以外はノーマルのままだ。

オリジナルペイントのまま、純正のデザインを生かす方向性でブルーサンダース御用達の“彫風”にピンストライプを入れてもらった。

ブルーサンダースでメカニックとして働く木下さん。Z1000LTDは、毎日のように乗っても飽きるがなく、乗るたびに毎回楽しいと感じているという。しかし働く環境が環境だけに、最近はZのフルカスタムも興味津々。それでもLTDはノーマルを維持して、カスタムをするならもう1台入手したいとか。

\人気の“ジャメリカン”をもっと知るならコチラ/

「ジャパニーズ アメリカン」、略して「ジャメリカン」…、言葉を真正面から捉えれば何のこと!? と、戸惑ってしまう方も多いかもしれませんが、これは現在でいうところの「クルーザー」のこと。アメリカンスタイルを起源とし、ゆったりとクルーズを楽しむことに特化したモデルを指します。それだけに、乗れば低いシート高ゆえに足つきもベッタリ、しかもポジションも快適でラクチンと、初心者からベテランはもとより、女性にもオススメで、現在はホンダ「レブル」やカワサキ「エリミネーター」が人気を博しているのはご存じの通り。しかもジャメリカン人気は今に始まったことではありません。1990年代から2000年代にかけて空前の大ブームとなり、各メーカーからは魅力的なモデルが数多く発売されました。そのため中古市場も潤沢で価格もリーズナブル。“遊び倒す”ならまさにもってこいというワケです!! そこで、いま最注目株と本誌が睨むジャパニーズ アメリカンの魅力を、さまざまな切り口で紹介しました。購入はこちら

この記事を書いた人
ポイズン雨宮
この記事を書いた人

ポイズン雨宮

真性バイクオタ

単気筒や2気筒のいわゆる“エンスー的なバイク”が大好きな真性オタ。中でも70sアメリカを感じさせるモーターカルチャーを特に好む。XR1000と1969年型カマロを所有し、その維持に四苦八苦しつつも実は喜んでいるドMでもある。カフェレーサー好きでもあり、フェザーベッドフレームのH-Dを作りたいと絶賛夢を膨らませ中。
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

働くヒトとヴァーグウォッチ。【vol.01靴磨き職人/「Chett」店主・大平雄太さん】

  • 2026.05.21

「Time is Money」=「時は金なり」。自身の仕事に誇りを持ち、日々働く人々は有限な“時間”というものを重んじ、身につけるプロダクトにも徹底的にこだわる。アンティークウォッチの旧きよきディテールを備えながら、手軽かつデイリーに使うことのできるヴァーグウォッチはそんな彼らの心強い相棒となる。 ...

上品に纏うちょうどいい季節。大人の夏にちょうどいい「ORGUEIL」のシャツ

  • 2026.06.30

気温の上昇とともに、装いは軽く簡素になる。だからこそ求めたいのは、肩肘張らない大人の品格だ。クラシックをモダンに再構築したORGUEILのシャツが、大人の夏にちょうどいい存在感を放ってくれるはずだ。 Shawl Collar Denim Work Shirt 1930 年代に現存したアメリカンワーク...

革ジャン好きなら一度は通るべき! 「No,No,Yes!」の最上級オーダー“アルチザン”とは?

  • 2026.06.01

「世界にひとつだけの革ジャンを作る」。それは、レザーラバーの憧れだ。革好き注目のブランド「No,No,Yes!」が誇るオーダーメニューの中でも最上級に位置する「アルチザン」とはいったいなんなのか? その正体に迫る。 革ジャンの伝道師・モヒカン小川が実際に“アルチザン”を体験 これは単なる革ジャンの話...

日本人に最適化された新作の“JAPAN LIMITED”に注目!「MOSCOT」現代に引き継がれるアメリカンクラシックのDNA

  • 2026.05.20

1915年にNYで創業し、アイウエアデザインの王道を形づくった「モスコット」。多様なデザインで溢れるいまこそ、伝統に裏打ちされたクラシックな佇まいに惹かれる。 新作の“JAPAN LIMITED”のラインナップを紹介! 2016年よりスタートした“JAPAN LIMITED”は、インラインにはないノ...

「ファーストアローズ」創業30周年記念! 「JELADO」「RE-BUILT」とのコラボによる銀で彩った、贅沢なデニム。

  • 2026.06.29

日本屈指のシルバーアクセサリーブランド「ファーストアローズ」が創業30周年を記念して、これまでの集大成かつファンへの感謝の気持ちを込めて、「JELADO」と「RE-BUILT」とコラボしたスペシャルなデニムを制作。限定100本。節目の年に相応しいこだわりに満ちたデニムの詳細を大解剖! First A...

Pick Up おすすめ記事

日本人に最適化された新作の“JAPAN LIMITED”に注目!「MOSCOT」現代に引き継がれるアメリカンクラシックのDNA

  • 2026.05.20

1915年にNYで創業し、アイウエアデザインの王道を形づくった「モスコット」。多様なデザインで溢れるいまこそ、伝統に裏打ちされたクラシックな佇まいに惹かれる。 新作の“JAPAN LIMITED”のラインナップを紹介! 2016年よりスタートした“JAPAN LIMITED”は、インラインにはないノ...

もはや芸術品! 「Horizon Blue Jewelry」の装飾品の域を超えた美学

  • 2026.06.26

あまりに精緻で、目を見張るほどに美しいHorizon Blue Jewelry。その作品群を目の当たりにすれば、単なるアクセサリーの域を超え“芸術品”とも称される所以を容易に理解できるだろう。ここでは、アートピース級の美しさを湛えるジュエリーのなかから今後発売予定の新作も含めて紹介する。 アクセサリ...

働くヒトとヴァーグウォッチ。【vol.01靴磨き職人/「Chett」店主・大平雄太さん】

  • 2026.05.21

「Time is Money」=「時は金なり」。自身の仕事に誇りを持ち、日々働く人々は有限な“時間”というものを重んじ、身につけるプロダクトにも徹底的にこだわる。アンティークウォッチの旧きよきディテールを備えながら、手軽かつデイリーに使うことのできるヴァーグウォッチはそんな彼らの心強い相棒となる。 ...

上品に纏うちょうどいい季節。大人の夏にちょうどいい「ORGUEIL」のシャツ

  • 2026.06.30

気温の上昇とともに、装いは軽く簡素になる。だからこそ求めたいのは、肩肘張らない大人の品格だ。クラシックをモダンに再構築したORGUEILのシャツが、大人の夏にちょうどいい存在感を放ってくれるはずだ。 Shawl Collar Denim Work Shirt 1930 年代に現存したアメリカンワーク...

アメリカンクラシックの原点「ディグナ クラシック」の[ジミー]なら、カラバリ・仕様も豊富で自分好みの1本が見つかる!

  • 2026.05.21

50sアメリカンスタイルを踏襲した「ディグナ クラシック」の[ジミー]は、シンプルなデザインやクラシックな世界観から多くの人に愛される名作。その人気ゆえ、仕様やカラーのバリエーションが非常に豊富な[ジミー]の全容をいま一度おさらいする。 955E“Jimmy”とはどんなメガネ? 1950年代にアメリ...