2ページ目 - ジョンの伝説ライブ「ワン・トゥ・ワン」が正規発売|ビートルズのことを考えない日は一日もなかったVol.39

82年放送の『ジョン・レノンよ永遠に』

『ぴあ』86年5月2日号

そのなかでとくに印象的だったのは、ジョンと会ったのは必然であったというくだり。「ジョンと私は出会う運命にあったの。人間は自分でいろいろなことを決めてきていると思っているでしょうけど、そうじゃないのよ。物事は最初から決まっているのよ」と言い切った場面にドキッとした。当時はスピリチュアルなことにも関心は薄く、必然的偶然などという考えはいっさいなかったが、この言葉を聞いてからというもの運命論者の考えも少しわかるようになった。あとひとつ覚えているのは、最初にジョンと出会った日のことを説明する際、如月に「ハンマーって日本語でなんていうんだっけ?」と問うシーンが妙におかしかった。「金づちですか?」と言われ、「そうそう金づち」。この些細なやりとりをカットしなかったディレクターに今さらながらに感謝したい。

この番組のことを書いていて、同じTBSで放送されたジョン・レノン特番のことを思い出した。放送時期は1982年の秋。本来であればもっと早く本連載で触れるべきだったのだが、忘れてしまっていたので、ここで記しておきたい。その番組は『ジョン・レノンよ永遠に』といい、ゴールデンの夜9時から「日立テレビシティ」という枠での放送であった。ジョンの生涯、その影響などについて、各取材を交えて(イギリスロケもあった)検証する、こちらも硬派な内容の作りで、見応えがあった。冒頭になぜか王貞治が登場しジョンへの思いを語り、本編ではジョンが通っていた学校の校長、後半にはピータ・フォンダにまで話を聞いていたことを覚えている。

『シェイヴド・フィッシュ〜ジョン・レノンの軌跡』
この記事を書いた人
竹部吉晃
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竹部吉晃

ビートルデイズな編集長

昭和40年男編集長。1967年、東京・下町生まれ。ビートルズの研究とコレクションを40年以上続けるビートルマニア兼、マンチェスターユナイテッドサポーター歴30年のフットボールウィークエンダーのほか、諸々のサブカル全般に興味ありの原田真二原理主義者。
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