3ページ目 - 『超時空要塞マクロス』のキャラクターデザイン&作画監督 美樹本晴彦トークショー「自分を作ってくれた『マクロス』」

美樹本晴彦が明かす展示作品のウラ話

「託された願い」

表紙は、8年前から「どうする?」って話になっていて。当時キャラの集合的な絵はよく書いていましたので、本の表紙って言われるとついそっちに頭が行きがちで。だから、編集部とはパッケージの中に散々載るわけだから、そういう形のものは避けたいっていう話をして。当初、僕はミンメイのもっとアップ、瞳に輝の顔を映し込むような絵にしてみようかっていう話をしたことはあるんですが、ちょっと狙いすぎかなと。

あと、何年もかけて画集が進んでいくうちに40周年に引っかかってきましたので気分がそっちの方に行きますね。それで歌の一連のイメージで組み立てていったらどうかなと思って。画集をご覧になるとわかりますが、この絵の後、その歌い終わった後に、ミンメイはその歌詞カードを上げてミサに見せて。だんだん上を向くところのラフを描いたりとか、当初は流れを作ったわけではないんですけれども、そういうラフを一連のシーンから想像して描いて。

カバーの絵を描いている頃はインフルエンザの真っ最中で。体調だけではなくて精神的にちょっとダウンしている状況がしばらく続いてしまっていて、とても自分では決められないから編集部とデザイナーも含めた皆さんに意見を聞いて。それに、自分で決めちゃうと、また自分のパターンみたいになってしまう。その中で一人、「流れを表紙から何枚か続けたらどうか」と言うんで。だからこのカバーで歌詞カードを受け取って見ている、その次にカラーで目を開いて歌っている感じにして。画集の本編があって、その後にその歌詞カードを上げる。(ミンメイが)上を見るっていうのは裏表紙にあります。じゃあそれに沿ってやってみようかと。

あとは編集部の方とデザイナーの方で、目をぱっちり開けてるラフと伏し目がちのラフでどちらがいいかっていう討論があったんです。この画集が通常の3000円くらいであれば、ばっちりカラーにしてかわいく歌う絵がいい。ただ、8000円となるとちょっと特別感がある方がいいって話になって。それだったら伏し目がちのモノクロの方が違いが出るということで、今回のカバーに決まりました。これも実際はボツったりして、いろいろ描き直したんで、結構バージョンはあるんですよね。

「託された願い」 ©1982,1984 BIGWEST

「時を超えるラブソング」

何か説明するほどのことではなく、もうドストレート。「マクロス35周年 × 羽田健太郎 10th Memorial 『超時空管弦楽』 remember ヘルシー・ウィングス・オーケストラ」(※6)のキービジュアルで描かせていただいたのです。スタッフの方もすごくよく描いていただきました。後ろのブリッジなどはこちらでラフを描いてますけれど、(細部は)スタッフによるものですね。こちらで色を塗って仕上げたんで、ほとんど合作みたいなものです。背景のブリッジなんかはメタルキャンパスアートになると重量感があっておもしろい感じになるんですよね。

※6…『超時空要塞マクロス』テレビ放送35周年と劇伴を担当した羽田健太郎の没後10年という節目の2017年に、東京国際フォーラムで開催された。

「時を超えるラブソング」 ©1982,1984 BIGWEST
©1982,1984 BIGWEST 「刻を超えるラブソング」の部分拡大。ミンメイと背景の遠近感、衣装の繊細な質感を見事に表現している

次回は神奈川県横浜にて開催予定

美樹本晴彦画集『MACROSS』展 ~重唱~

●会場:サブウェイGallery https://www.mm21railway.co.jp/gallery/
●日程:7月22日(火)~7月27日(日)
●公式サイト:https://gallery.gaaat.com/pages/mikimotoharuhiko

Metal Canvas Art(MCA)とは?

専門の職人が一つひとつていねいに手作りで仕上げるメタルキャンバスアート(MCA)は、GAAATが提案する新しいアート体験。デジタルデータを32層に分割する特殊なデータ設計技術を駆使したMCAは従来のアート作品にはない、深みのある質感と立体感が特長。メタル素材ならではの重厚感と美しさをもちながら、作品の立体感が際立つ独自の没入体験を提供する。耐久性にすぐれ、日光や湿度に強く、長期間にわたりその美しさを楽しむことができる。

©1982,1984 BIGWEST
©1982,1984 BIGWEST
この記事を書いた人
昭和50年男 編集部
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昭和50年生まれの男性向け年齢限定マガジン

昭和50(1975)年生まれの男性に向けて、「ただ懐かしむだけでなく、ノスタルジックな共感や情熱を、明日を生きる活力に変える」をテーマに、同世代ならではのアレコレを振り返ります。多彩なインタビューも掲載。
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