希少なアレに遭遇できるかも。上を向いて歩こう♪

民俗や地域伝統文化のあれこれに没頭しがちなエディターが、あなたの日々の暮らしに、とても小さなときめきをお届けしましょう。

言葉だけは知っている作法や行事、未来をひらく温故知新、興味はあるけどよくわからない民俗のことなどについてわかりやすく紹介します。

古代史の超人・聖徳大使も崇敬した、最も大切な3つの宝。

20247月、渋沢栄一を図柄にした1万円札などの新紙幣が発行される予定になった。

現在の1万円札(一万円券)の図柄にある福沢諭吉は、デザインが途中更新されながら一万円券2代にわたり38年間発行された。その前世代の、厩戸王(やまやどのおう)こと聖徳大使の図柄は、百円券・千円券・五千円券・一万円券に登場しながら40年間発行され、愛されてきた。

聖徳太子といえば、広く知られるのが「十七条の憲法」。第一条「和を以て貴しと為す」で始まる憲法の第二条にこう記されている。

「篤(あつ)く三宝を敬え。三宝とは仏法僧これなり」

ここに書かれた「三宝(さんぼう)」とは、仏教において仏と、その教えと、その教えを伝える僧のことで、「仏法僧(ぶっぽうそう)」ともいう。

仏教で最も重要かつ基本である仏法僧を、自らの名前にした鳥がいた。

幸せの青い鳥が、いた。

ブッポウソウ 鳴き声

その鳥は、本州以南を中心に南方から渡ってくる夏鳥、ブッポウソウ。

「森の宝石」とも呼ばれ、環境省の絶滅危惧種に指定されている。さらに、県の天然記念物に指定され、繁殖地も国や自治体の天然記念物に指定されている。

ある早朝、閑静な東京・世田谷の住宅街を歩いていたら、騒々しい鳴き声が響きわたった。一瞬、南の島にいるかのような錯覚に陥った。鳴き声のほうを見上げれば、電線の上で賑やかに戯れるブッポウソウがいた。あの過剰さはおそらく繁殖期ゆえだったのかもしれない。

この鳥は、昭和初期までは“ブッポウソウ”と鳴く霊鳥と信じられていた。そのため、仏教の至上ともいえる名前が誤って付けられたといわれている。

しかし、実際に“ブッポウソウ”と鳴くのは、コノハズクだった。

コノハズク 鳴き声

幸せを呼ぶチョウが、いた。

ある早朝、世界自然遺産に登録されている沖縄本島北部のやんばる地域を歩いていたら、複数のツマベニチョウに巡りあった。沖縄から九州南部に生息し、「出合うと幸せになれる」といわれている蝶々だ。せわしなく複数が元気に飛びまわっていた。

前翅(ぜんし:まえばね)という白い大きな羽の端(ツマ)が鮮やかなオレンジ色をしているため、“ツマベニ(端紅)”と名付けられたと地元の方に聞いた。ちなみに、蝶を数えるとき、絵本などで1匹2匹や1羽2羽……が多いなか、正式には1頭2頭……と数えていく。

ツマベニチョウ

幸運のダブルレインボーが、生まれた。

「幸運のサイン」といわれるダブルレインボー(二重の虹)。珍しい自然現象といわれるものの、水滴と太陽光による一定の気象条件が重れば見ることができる。あるとき、西日本のとある神話の地でお祈り後、出くわしたことがある。

雨量の多いこれからのシーズンなら、なおさら街中でも見られるはず。上を向いて歩けば、意外に遭遇率は高い気もするが……。

さて、これらの幸運な遭遇を経て、一体どんな幸せが待っていたのか……。

こればかりは、ご自身で体験してのお楽しみとしてください。

この記事を書いた人
中川原 勝也
この記事を書いた人

中川原 勝也

民俗と地域文化の案内人

エディター。地域伝統文化のこと、民俗のあれこれ、古民家・民藝・暮らしのこと、などを当サイトでは担当。これまで日本カルチャーを主なフィールドにしながら、国内の法人・自治体・商品のブランディングにまつわるメディア等を手掛けてきた。温故知新好きが募って、ただいま、月刊古民家誌『じゃぱとら』編集長。
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

【ORIENTAL×2nd別注】アウトドアの風味漂う万能ローファー登場!

  • 2025.11.14

これまでに、有名ブランドから新進気鋭ブランドまで幅広いコラボレーションアイテムを完全受注生産で世に送り出してきた「2nd別注」。今回もまた、渾身の別注が完成! >>購入はこちらから! 【ORIENTAL×2nd】ラフアウト アルバース 高品質な素材と日本人に合った木型を使用した高品質な革靴を提案する...

グラブレザーと、街を歩く。グラブメーカーが作るバッグブランドに注目だ

  • 2025.11.14

野球グローブのOEMメーカーでもあるバッグブランドTRION(トライオン)。グローブづくりで培った革の知見と技術を核に、バッグ業界の常識にとらわれないものづくりを貫く。定番の「PANEL」シリーズは、プロ用グラブの製造過程で生じる、耐久性と柔軟性を兼ね備えたグラブレザーの余り革をアップサイクルし、パ...

着用者にさりげなく“スタイル”をもたらす、“機能美”が凝縮された「アイヴァン 7285」のメガネ

  • 2025.11.21

技巧的かつ理にかなった意匠には、自然とデザインとしての美しさが宿る。「アイヴァン 7285」のアイウエアは、そんな“機能美”が小さな1本に凝縮されており着用者にさりげなくも揺るぎのないスタイルをもたらす。 “着るメガネ”の真骨頂はアイヴァン 7285の機能に宿る シンプリシティのなかに宿るディテール...

スペイン発のレザーブランドが日本初上陸! 機能性、コスパ、見た目のすべてを兼ね備えた品格漂うレザーバッグに注目だ

  • 2025.11.14

2018年にスペイン南部に位置する自然豊かな都市・ムルシアにて創業した気鋭のレザーブランド「ゾイ エスパーニャ」。彼らの創る上質なレザープロダクトは、スペインらしい軽快さとファクトリーブランドらしい質実剛健を兼ね備えている。 日々の生活に寄り添う確かなる存在感 服好きがバッグに求めるものとは何か。機...

【UNIVERSAL OVERALL × 2nd別注】ワークとトラッドが融合した唯一無二のカバーオール登場

  • 2025.11.25

これまでに、有名ブランドから新進気鋭ブランドまで幅広いコラボレーションアイテムを完全受注生産で世に送り出してきた「2nd別注」。今回もまた、渾身の別注が完成! >>購入はこちらから! 【UNIVERSAL OVERALL × 2nd】パッチワークマドラスカバーオール アメリカ・シカゴ発のリアルワーク...

Pick Up おすすめ記事

グラブレザーと、街を歩く。グラブメーカーが作るバッグブランドに注目だ

  • 2025.11.14

野球グローブのOEMメーカーでもあるバッグブランドTRION(トライオン)。グローブづくりで培った革の知見と技術を核に、バッグ業界の常識にとらわれないものづくりを貫く。定番の「PANEL」シリーズは、プロ用グラブの製造過程で生じる、耐久性と柔軟性を兼ね備えたグラブレザーの余り革をアップサイクルし、パ...

時計とベルト、組み合わせの美学。どんなコンビネーションがカッコいいか紹介します!

  • 2025.11.21

服を着る=装うことにおいて、“何を着るか”も大切だが、それ以上に重要なのが、“どのように着るか”だ。最高級のプロダクトを身につけてもほかとのバランスが悪ければ、それは実に滑稽に映ってしまう。逆に言えば、うまく組み合わせることができれば、単なる足し算ではなく、掛け算となって魅力は倍増する。それは腕時計...

【UNIVERSAL OVERALL × 2nd別注】ワークとトラッドが融合した唯一無二のカバーオール登場

  • 2025.11.25

これまでに、有名ブランドから新進気鋭ブランドまで幅広いコラボレーションアイテムを完全受注生産で世に送り出してきた「2nd別注」。今回もまた、渾身の別注が完成! >>購入はこちらから! 【UNIVERSAL OVERALL × 2nd】パッチワークマドラスカバーオール アメリカ・シカゴ発のリアルワーク...

雑誌2ndがプロデュース! エディー・バウアー日本旗艦店1周年を祝うアニバーサリーイベント開催決定!

  • 2025.11.21

エディー・バウアー日本旗艦店の1周年を祝うアニバーサリーイベントを本誌がプロデュース。新作「ラブラドールコレクション」や本誌とのコラボなど、ブランドの情熱が詰まった特別な9日間を見逃すな! 来場者には限定のブランドブックを配布! 今回のイベントに合わせ、「エディー・バウアー」をもっと知ってもらうため...

決して真似できない新境地。18金とプラチナが交わる「合わせ金」のリング

  • 2025.11.17

本年で創業から28年を数える「市松」。創業から現在にいたるまでスタイルは変えず、一方で常に新たな手法を用いて進化を続けてきた。そしてたどり着いた新境地、「合わせ金」とは。 硬さの異なる素材を結合させるという、決して真似できない新境地 1997年の創業以来、軸となるスタイルは変えずに、様々な技術を探求...