俺とモノ。「Stevenson Overall Co.」代表・多賀谷さんの“アガる”モノたちを紹介する散財日記。

日々の生活での「買い物」は重要なキーワードであり、モノを買うことでテンションが上がることが、買い物の本質だと語るStevenson Overall Co.の代表であり、デザイナーである多賀谷氏。ヴィンテージのワークウエアにインスパイアされたプロダクツを独自のセンスで再構築する。素材、縫製のみならず、ディテールワークまで緻密に計算されたプロダクツが真骨頂。テンションを上げるための買い物とお酒は必須で、好きな銘柄は菊正宗純米。そんな氏が日々の中で手に入れた「アガル」モノたちを紹介する散財連載。

多賀谷強守|Stevenson Overall Co.の代表であり、デザイナー。ヴィンテージのワークウエアにインスパイアされたプロダクツを独自のセンスで再構築する。素材、縫製のみならず、ディテールワークまで緻密に計算されたプロダクツが真骨頂。テンションを上げるための買い物とお酒は必須で、好きな銘柄は菊正宗純米

YAMAHA AT-125

気軽に街乗りできる“足”を探していたとき、目に留まったのがこの一台。1972年に登場し、アメリカで人気を博したトレイルバイクだ。日本のトレイルバイクの礎を築いた名機DT-1の流れを汲み、少年時代に思い描いた“オートバイらしいオートバイ”という佇まいが魅力。コンディションの良い個体を見つけ、購入した。

1950s WILSON Wool Sweatshirt

縮絨ウールで仕立てられたスウェットシャツは、カレッジものの一着。ワイオミング大学のスクールカラーであるブラウン&ゴールドをそのまま採用した配色が特徴だ。杉並区・方南町に新しくオープンしたCLUTCH TOKYOを訪れた際、迷わず手を伸ばした一着。

ENGINEERED GARMENTS × EASY MOC Slide Bit Moc

すべてハンドソーンで仕上げるモカシンで知られる、メイン州発の新鋭ブランド、EASY MOCとENGINEERED GARMENTSのコラボレーションモデル。最近注目されているハンズフリー仕様のシューズで、実際に履いてみると「これこそ自分が求めていた一足だ」と実感した。

Japan Vintage Traveling Rain Cape (Dōchū Kappa)

新井薬師の骨董市の情報を聞きつけ、さっそく足を運んでみた。そこで出会ったのが、この道中合羽。大正期のものと聞くが、当時の日本人が本当にこうしたものを身に纏って旅をしていたのかと想像が膨らむ。美しい藍染の生地で仕立てられており、令和の今のスタイルに取り入れてみても面白い一着だ。

Supreme x AKIRA L/S Tee

Supremeが日本の漫画『AKIRA』とコラボレーションしたのは2017年。大友克洋の原作漫画から印象的なコマを引用したコレクションで、パーカやTシャツ、ジャケットなど様々なアイテムが展開された。登場人物ではなく、ストーリーのクライマックスとも言える大爆発の一コマがプリントされているところも印象的だ。

Brazil Santos No.2 Coffee Beans

南青山にあった蔦珈琲店のコーヒーは、私にとって人生でNo.1の味だった。しかし店主の小川泰司さんが逝去され、もう二度とその一杯を味わうことはできない。そんな中、蔦珈琲店で働いていたという話を聞きつけ、神田小川町にある眞踏珈琲店に時折足を運ぶようになった。店内で焙煎される豆は「ブラジル・サントスNo.2/スクリーンNo.19」の一種類のみ。その潔いこだわりにも惹かれている。

Vintage Copper Bud Vases

花瓶というものは、本来、花を生けてこそ完成するのかもしれない。しかし、この銅製の一輪挿しは花を生けずとも、三つ並べたときに完成するように思えた。大小のバランスが美しく、そのままでも十分に存在感のあるオブジェになる。知り合いが営む「anima」で見つけ、迷わず手に入れた。

(出典/「CLUTCH Magazine 2026年5月号 Vol.103」)

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