アメリカ現地工場取材! 「WESCO(ウエスコ)」の歴史に裏打ちされた“CUSTOM WORK BOOTS”としての存在感。

米国オレゴン州が生んだワークブーツの最高峰、それがWESCO。スキャプースという豊かな自然に囲まれた小さな田舎町に拠点を構えるWESCOは、1918年に創立者John Henry Shoemakerによって誕生した。裁断、縫製、ソールの取り付けなどを全て自社工場で行い、 創業当時より頑なに守り続けるステッチダウン製法によって、タフで足馴染みの良い高品質なワークブーツを作り続けている。

“靴職人”のファミリーネームを持つ創業者が築いた拠点。

その名の通りシューメイカー(靴職人)というファミリーネームを持つJohn Henry Shoemakerによって誕生したWESCO。ハードワーカーの足元を守るワークブーツとしてだけでなく、アメリカを代表する最高峰ブランドとして不動の存在となっている。

創業当時の写真が飾られたWESCOのファクトリー内。ブーツメイキングに高い技術を持つ熟練の職人たちが、ハードワークに耐えうる質実剛健なワークブーツを作り続ける拠点だ。

縫製フロアで働く女性のブーツ職人達。WESCOの高いクオリティを維持しながら生産を続けられているのは、彼女たちの功績によるところが大きい。

ブーツの形状に合わせて作られた金型を使い、一枚革の革質を見極め、革の取り都合を考慮して裁断する作業。その繊細な作業に職人の経験と技が生きてくる。

WESCOのファクトリー内にあるラスト(木型)のストックルーム。2万を超える膨大な数が保管されており、長い歴史を伺い知ることができる。

革の裁断を行うWESCOの職人の足元は、18インチハイトでダブルトップストラップ、さらにハーネスストラップを取り付けた存在感のあるバイカー仕様のカスタムBOSSだ。

愛着が生まれるタフなワークブーツ。カスタムオーダーも醍醐味の一つ。

WESCOならではのカスタムフィットオーダー。個人の足型に合わせてラスト(木型)を調整する。一度カスタムフィットオーダーをすると調整したラストは保管されるので、いつでも自分の足のサイズでオーダーができる。

“WESTERN BOSS”の愛称で親しまれるMORRISONにプルオンストラップを縫い付ける。職人らしく手際よく次から次えと作業をこなしていく。

ブーツ作りにおいて最も重要なプロセスの一つ、ヴァンプをつり込み、インソールへ打ち込む作業をしている職人。WESCOの伝統である手仕事が生きる。

日本限定パーツである”LYNCH SILVERSMITH”のスペシャルなシルバーバックルがデザインされたカスタムオーダー品。バックルデザインは太古より存在する「蛇」のウロコがモチーフだ。

WESCOでは型崩れを防ぎながら土踏まずを保護し、足への負担を軽減するために、あえて製造に手間のかかる「スティールシャンク」を他のブーツメーカーに先駆けて採用している。

WESCOの伝統製法であるステッチダウン製法は、シンプルかつ強固な造りでソールの剥がれへの強さだけでなく、気密性の高さを生み、少々の雨にもびくともしない堅牢度を誇る。

ハイクオリティーなリペアを受け付けているWESCO。足に馴染んだ愛着ある自分だけのブーツをもっと長く履き続けたい、そんな要望にもしっかりと応える。

旧くからリビルドという修理方法にも対応するWESCO。再利用可能な必要最低限のパーツのみを選び、熟練の技術力をもって新しいブーツへと生まれ変わらせる。

WESCOのセールスマネージャーのChris Warren。WESCO JAPANが主催するツーリングイベントでもお馴染みの存在。彼の足元はカスタムオーダーで作り上げた特別なJOBMASTERだ。

【DATA】
WESCO
52828 NW Shoe Factory Lane, PO Box 607 Scappoose, OR 97056-0607 U.S.A.
Tel.800-326-2711
https://www.wescoboots.com

WESCO JAPAN
Tel. 06-6783-6888
https://wescojapan.com

(出典/「CLUTCH Magazine 2024年11月号 Vol.97」)

この記事を書いた人
CLUTCH Magazine 編集部
この記事を書いた人

CLUTCH Magazine 編集部

世界基準のカルチャーマガジン

日本と世界の架け橋として、国外での販路ももつスタイルカルチャーマガジン。本当に価値のあるモノ、海外記事を世界中から集めた、世界基準の魅力的コンテンツをお届けする。
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

今っぽいチノパンとは? レジェンドスタイリスト近藤昌さんの新旧トラッド考。

  • 2025.11.15

スタイリストとしてはもちろん、ブランド「ツゥールズ」を手がけるなど多方面でご活躍の近藤昌さんがゲストを迎えて対談する短期連載。第三回は吉岡レオさんとともに「今のトラッド」とは何かを考えます。 [caption id="" align="alignnone" width="1000"] スタイリスト・...

今こそマスターすべきは“重ねる”技! 「ライディングハイ」が提案するレイヤードスタイル

  • 2025.11.16

「神は細部に宿る」。細かい部分にこだわることで全体の完成度が高まるという意の格言である。糸や編み機だけでなく、綿から製作する「ライディングハイ」のプロダクトはまさにそれだ。そして、細部にまで気を配らなければならないのは、モノづくりだけではなく装いにおいても同じ。メガネと帽子を身につけることで顔周りの...

決して真似できない新境地。18金とプラチナが交わる「合わせ金」のリング

  • 2025.11.17

本年で創業から28年を数える「市松」。創業から現在にいたるまでスタイルは変えず、一方で常に新たな手法を用いて進化を続けてきた。そしてたどり着いた新境地、「合わせ金」とは。 硬さの異なる素材を結合させるという、決して真似できない新境地 1997年の創業以来、軸となるスタイルは変えずに、様々な技術を探求...

【UNIVERSAL OVERALL × 2nd別注】ワークとトラッドが融合した唯一無二のカバーオール登場

  • 2025.11.25

これまでに、有名ブランドから新進気鋭ブランドまで幅広いコラボレーションアイテムを完全受注生産で世に送り出してきた「2nd別注」。今回もまた、渾身の別注が完成! >>購入はこちらから! 【UNIVERSAL OVERALL × 2nd】パッチワークマドラスカバーオール アメリカ・シカゴ発のリアルワーク...

グラブレザーと、街を歩く。グラブメーカーが作るバッグブランドに注目だ

  • 2025.11.14

野球グローブのOEMメーカーでもあるバッグブランドTRION(トライオン)。グローブづくりで培った革の知見と技術を核に、バッグ業界の常識にとらわれないものづくりを貫く。定番の「PANEL」シリーズは、プロ用グラブの製造過程で生じる、耐久性と柔軟性を兼ね備えたグラブレザーの余り革をアップサイクルし、パ...

Pick Up おすすめ記事

雑誌2ndがプロデュース! エディー・バウアー日本旗艦店1周年を祝うアニバーサリーイベント開催決定!

  • 2025.11.21

エディー・バウアー日本旗艦店の1周年を祝うアニバーサリーイベントを本誌がプロデュース。新作「ラブラドールコレクション」や本誌とのコラボなど、ブランドの情熱が詰まった特別な9日間を見逃すな! 来場者には限定のブランドブックを配布! 今回のイベントに合わせ、「エディー・バウアー」をもっと知ってもらうため...

決して真似できない新境地。18金とプラチナが交わる「合わせ金」のリング

  • 2025.11.17

本年で創業から28年を数える「市松」。創業から現在にいたるまでスタイルは変えず、一方で常に新たな手法を用いて進化を続けてきた。そしてたどり着いた新境地、「合わせ金」とは。 硬さの異なる素材を結合させるという、決して真似できない新境地 1997年の創業以来、軸となるスタイルは変えずに、様々な技術を探求...

「アイヴァン」からニューヨークに実在する通りの名前を冠した新作アイウエアコレクション登場

  • 2025.11.21

ニューヨークに実在する通りの名前を冠した「アイヴァン」の新作コレクション。クラシックな要素をサンプリングしながらも現代の空気感を絶妙に捉え服と同等か、それ以上にスタイルを左右する究極のファッショナブルアイウエア。 Allen 2023年、NYに誕生した「ビースティ・ボーイズ・スクエア」。その付近で出...

【ORIENTAL×2nd別注】アウトドアの風味漂う万能ローファー登場!

  • 2025.11.14

これまでに、有名ブランドから新進気鋭ブランドまで幅広いコラボレーションアイテムを完全受注生産で世に送り出してきた「2nd別注」。今回もまた、渾身の別注が完成! >>購入はこちらから! 【ORIENTAL×2nd】ラフアウト アルバース 高品質な素材と日本人に合った木型を使用した高品質な革靴を提案する...

スペイン発のレザーブランドが日本初上陸! 機能性、コスパ、見た目のすべてを兼ね備えた品格漂うレザーバッグに注目だ

  • 2025.11.14

2018年にスペイン南部に位置する自然豊かな都市・ムルシアにて創業した気鋭のレザーブランド「ゾイ エスパーニャ」。彼らの創る上質なレザープロダクトは、スペインらしい軽快さとファクトリーブランドらしい質実剛健を兼ね備えている。 日々の生活に寄り添う確かなる存在感 服好きがバッグに求めるものとは何か。機...