20年以上、いつもそばにはVespa(ベスパ)があった。

ヨーロッパを中心にスクーターが隆盛を極めた1960年代以降、あらゆるカルチャーと繋がりながら世界中に伝播。今では個性をアピールする重要なアイテムのひとつとなった。今回は20年以上常に移動の足としてヴェスパを所有しているヴェスパフリークを取材。東京で日常の足として活躍し、オーナーの個性を映し出す鉄スクーターから現代の東京スクーター事情を切り取った。

Vespa PX200 FL1

「Lewis Leathers Japan」Tsuneaki Gotoさん|ルイスレザーズと同じく英国生まれの’67年BSA SPITFIRE MARKⅢが後藤氏のアイコンと言えるが、その一方で日本の名車KAWASAKI Z1やKZ、Vespaを所有する無類のバイクフリーク。愛機Vespaのメディア露出は多くないように感じるが、その実こちらのPXは4台目のVespaであり、20年以上常に移動の足としてVespaを所有しているのだという

2ストロークエンジン/ハンドシフトの昔ながらのVespaのアイデンティティを残す最終モデルPXシリーズ。

この車両は元東京スカパラダイスオーケストラの冷牟田氏から譲り受けた1台だが、当初はやれていた車体を東京Vespaでリフレッシュ&オールペイントして、クリーンなオリジナルスタイルをキープ。

過去にはスモールボディのVespaを3台乗り継いだ後藤氏にとって、PXは旧車好きの趣味性と移動手段としての実用性を満たす下駄なのである。

「ヨーロッパの匂いがする二輪が好きで乗り続けているVespaですが、旧い雰囲気や操作感はあるけれど、スモールボディに比べてとにかく丈夫。軽快で扱いやすく都内の移動でも便利なので、手放せない1台ですね」

純正装備を基調とし、丁寧にレストアされた大人のスクータースタイルだ。

ホイールやブレーキ、ショックは全て純正パーツを使ったリフレッシュだが、前後ホイールをブラックアウトして大人の足回りを演出。PXの初期モデルはドラムブレーキだが、FL1からディスクブレーキが純正採用された。

シートもレストア時に新品に換装済み。イタリア製の社外キャリアは重い荷物を運ぶ際に重宝する。外装のネイビーは後藤氏がオーダーしたこだわりのカラーリング。

コルクの内装がクラシカルな雰囲気のヘルメットは英国の’60s DAVIDA製。59クラブなど、英国のロッカーズカルチャーを感じさせるステッカーにも注目したい。

(出典/「CLUTCH2023年11月号 Vol.93」)

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CLUTCH Magazine 編集部
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