東京・世田谷にある、オールドアメリカンな屋内野球練習場。

バッグを中心に革小物を展開するvascoのディレクターを務める並木健氏。野球好きな彼が手掛ける屋内野球練習場があると訊き訪れたのは東京・世田谷区。ヴィンテージの世界観が好きな彼がどのような空間を理想とし、作り上げていったのか直接話を訊いた。

オールド感がありながらも最新機材を揃えた本格派。

趣味であるのはもちろん自身も幼少期に野球で救われた部分もあるため、いつか野球練習場を作りたいと思い3年ほどの構想の末、実現した

東京都内に室内野球練習場? それも世田谷区にあるという。手掛けたのは、レザーバッグを軸にプロダクツを展開するvascoの並木氏だ。彼自身、中学から野球を始め、スポーツの楽しさや清々しさを経験して以来、長く続けている趣味のひとつで、現在は少年野球チームに指導するほど。

場所は京王井の頭線「明大前」駅から徒歩1分。木材店の資材置き場だった天井の高い物件を改装し、屋内野球練習場へと生まれ変わらせたのは2022年。「古き良きアメリカのボールパーク」をコンセプトにTHE ANCHOR BASEの屋号でオープンさせた。

基本は練習場であるため、シンプルな空間ながらも、ヴィンテージ愛を感じさせる空間へと仕上がっている。、設備はプロも充分に利用できるほど、最新のスポーツテックの測定データを活用しながら練習できるのが強みだ。

ヴィンテージのユニフォームやグローブなど、並木氏にとってつい買ってしまうアイテム。趣のある空間に仕上げるパーツとなる

「アンカーは船を海底に沈ませ繋いでおくことで航海者を守る希望の象徴とされてきました。この場所は多くの野球選手たちにとって希望の基盤(BASE) となるような想いを込めて名付けました。昔、僕が野球に出会って、楽しさを知ったように、そんな場所になってくれれば良いなと思います」

練習場を運営するにあたり、野球指導ももちろん人体工学に基づいた勉強もし始めており、人体模型はそのために置かれている

旧きよきアメリカのボールパークをイメージ。

旧いアメリカのフラッグが壁面に付けられた温かみのある光のライトに透過されオールド感を演出している。

練習で使用される複数種類のトレーニングバット。平日はおもにBCS野球スクールが開催されている。

「THE ANCHOR BASE」とステンシルで描かれた壁面は、すべて本物の煉瓦で壁を作っており、空間にクラシックな印象を与える要素。

ヴィンテージの野球グッズはなかなかお目にかかれないアイテムであるため、海外オークションサイトなどでもマメにチェックしているという。

【DATA】
THE ANCHOR BASE
東京都世田谷区松原2-46-9力蔵ビル
https://anchormills.jp

(出典/「CLUTCH2023年8月号 Vol.92」)

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