デニムとウォバッシュに絞ったセールスマンサンプルコレクション。
ヴィンテージに魅了されたきっかけは、高校生の時に雑誌Boonを見たこと。そこから様々なスタイルのファッションにハマることに。子供のころからいろいろなものに熱中しては冷めての繰り返しだったが、唯一ヴィンテージや服飾への興味だけは尽きなかった。
セールスマンサンプルは結婚のお祝いに親友からプレゼントされたひとつのLEVI’Sがきっかけにコレクションをスタート。狭い東京の住宅事情にこのコレクションはぴったりで、実際に集めてみるとそのジャンルは多岐に渡るため、デニムかウォバッシュに限定、さらにハードルを上げノンウォッシュのみを集めている。
一時期はウォッシュの掛かったものや異素材も所有していたが、すべて手放したというから驚き。非常に青木さんの美学を感じられるコレクションとなっている。
1.Early 1900s CAN’T BUST’EM
MADE BY WHITE LABORの表記がある比較的初期のタグの付いた希少なアイテム。このブランドは片ポケが存在しないと思われるため1890~1900年代初頭と推測。
2.1910s CROWN OVERALL
セールスマンサンプルのサイズながらも、ボタンにクラウンの刻印がある繊細な作りが特徴的。コレクターズアイテムとして人気のある希少な杢デニムを使ったセットアップだ。
3.1937-1941 LEVI’S
代表的なコレクターズアイテム。赤タブやバックルバックから1937年モデルだとわかる。サンプルを集めだすきっかけとなった1本で、着ないヴィンテージにハマった好機に。
4.1910s THE PEN
チェンジボタンが付くセールスマンサンプルは、この個体が初めて。知る人ぞ知る人気のブランドで、個性的な通称パックマンポケットを装備。古い紙タグも付いた完璧な状態。
5.1910s ERIE RAILROAD
WABASH生地でお馴染みのSTIFEL社のスタンプが入ったオーバーオール。この鉄道会社のオリジナルと思われるパターンの抜染生地は、頭文字のERと星柄を組み合わせた柄だ。
6.1910s THE MOORE
ポルカドット生地裏面のSTIFEL社のスタンプに加えて、タグにもネームが入る珍しい仕様。チェンジカラーではなく、チンストラップ付き。カフスも非常にユニークな意匠だ。
7.1920s CARIBOU BRAND
カナダのマイナーなワークウエアメーカー。当時人気のLEVI’Sの子供服KOVERALLSを真似たと思われるディテールがおもしろい。
8.1930s SIGNAL OVERALL
茨城の人気店PARADISE VALLEYで購入。ウィスコンシン州ラシーンにあった知る人ぞ知るメーカー製。ポケットのデザインが秀逸。
9.1930s-1950s GWG
カナダの有名なワーク系メーカーで、中央が赤くなったボタンが特徴。ディテールが異なるが、大戦のラッカーボタンがお気に入り。
10.1920s-1950s Lee
91のオーバーオールのサンプルは、左から1920年代、’30年代後期、’40年代、’50年代。ユニオンチケット付きにこだわった。
(出典/「CLUTCH2023年4月号 Vol.90」)
Photo by Norihito Suzuki 鈴木規仁 Text by Shuhei Sato 佐藤周平
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