非常に希少性の高いセールスマンサンプルを収集。

ヴィンテージという概念が存在する世界には、必ず存在するコレクター。今回はセールスマンサンプルをコレクションしている青木史さんにフィーチャー。掘り下げるとジャンルが非常に多岐に渡るため、コレクションするアイテムを絞っているという。そんな貴重なコレクションの一部を見せてもらった。

デニムとウォバッシュに絞ったセールスマンサンプルコレクション。

青木史さん|1976年生まれ。千葉県出身。高校時代にファッションにハマり、アパレル業界も経験。現在はアンティークウォッチショップに務めながら、デニムを中心にヴィンテージクロージングの蒐集を行う。

ヴィンテージに魅了されたきっかけは、高校生の時に雑誌Boonを見たこと。そこから様々なスタイルのファッションにハマることに。子供のころからいろいろなものに熱中しては冷めての繰り返しだったが、唯一ヴィンテージや服飾への興味だけは尽きなかった。

セールスマンサンプルは結婚のお祝いに親友からプレゼントされたひとつのLEVI’Sがきっかけにコレクションをスタート。狭い東京の住宅事情にこのコレクションはぴったりで、実際に集めてみるとそのジャンルは多岐に渡るため、デニムかウォバッシュに限定、さらにハードルを上げノンウォッシュのみを集めている。

一時期はウォッシュの掛かったものや異素材も所有していたが、すべて手放したというから驚き。非常に青木さんの美学を感じられるコレクションとなっている。

1.Early 1900s CAN’T BUST’EM

MADE BY WHITE LABORの表記がある比較的初期のタグの付いた希少なアイテム。このブランドは片ポケが存在しないと思われるため1890~1900年代初頭と推測。

2.1910s CROWN OVERALL

セールスマンサンプルのサイズながらも、ボタンにクラウンの刻印がある繊細な作りが特徴的。コレクターズアイテムとして人気のある希少な杢デニムを使ったセットアップだ。

3.1937-1941 LEVI’S

代表的なコレクターズアイテム。赤タブやバックルバックから1937年モデルだとわかる。サンプルを集めだすきっかけとなった1本で、着ないヴィンテージにハマった好機に。

4.1910s THE PEN

チェンジボタンが付くセールスマンサンプルは、この個体が初めて。知る人ぞ知る人気のブランドで、個性的な通称パックマンポケットを装備。古い紙タグも付いた完璧な状態。

5.1910s ERIE RAILROAD

WABASH生地でお馴染みのSTIFEL社のスタンプが入ったオーバーオール。この鉄道会社のオリジナルと思われるパターンの抜染生地は、頭文字のERと星柄を組み合わせた柄だ。

6.1910s THE MOORE

ポルカドット生地裏面のSTIFEL社のスタンプに加えて、タグにもネームが入る珍しい仕様。チェンジカラーではなく、チンストラップ付き。カフスも非常にユニークな意匠だ。

7.1920s CARIBOU BRAND

カナダのマイナーなワークウエアメーカー。当時人気のLEVI’Sの子供服KOVERALLSを真似たと思われるディテールがおもしろい。

8.1930s SIGNAL OVERALL

茨城の人気店PARADISE VALLEYで購入。ウィスコンシン州ラシーンにあった知る人ぞ知るメーカー製。ポケットのデザインが秀逸。

9.1930s-1950s GWG

カナダの有名なワーク系メーカーで、中央が赤くなったボタンが特徴。ディテールが異なるが、大戦のラッカーボタンがお気に入り。

10.1920s-1950s Lee

91のオーバーオールのサンプルは、左から1920年代、’30年代後期、’40年代、’50年代。ユニオンチケット付きにこだわった。

(出典/「CLUTCH2023年4月号 Vol.90」)

この記事を書いた人
CLUTCH Magazine 編集部
この記事を書いた人

CLUTCH Magazine 編集部

世界基準のカルチャーマガジン

日本と世界の架け橋として、国外での販路ももつスタイルカルチャーマガジン。本当に価値のあるモノ、海外記事を世界中から集めた、世界基準の魅力的コンテンツをお届けする。
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

ヒートツイードとは? 軽くて薄くて暖かい、英国派に捧ぐ革命ツイード

  • 2026.10.26

〈トラディショナル ウェザーウェア〉が誇る人気シリーズ、ヒートツイード。英国ツイードのオーセンティックな雰囲気はそのままに、驚くほど軽く、保温性の高いオリジナル生地。一度味わうとやみつき間違いなし! 英国らしくも、軽くて暖かなツイード生地は現代的ヘビーデューティ素材の最適解である。 【コート】ブラン...

気鋭のアイウエアブランド「CUBITTS」が描く、クラシックとモダンの共鳴

  • 2026.10.19

18世紀から20世紀にかけて眼鏡産業の世界的な中心地であったものの戦後、衰退の一途を辿ったロンドン。この地で2013年に創業した「キュービッツ」は当時を彷彿とさせるクラシックスタイルをモダンに昇華させた独自の世界観を築く気鋭のブランドだ。 伝統と現代とを繋ぐアイウエアの研究所 「キュービッツ」は伝統...

遊び心とヘビーデューティ! 「ジムマスター」のアウトドア&ミリタリー

  • 2026.10.18

ほどよく力の抜けたカジュアルウエアを展開するカナダ生まれの「ジムマスター」。その真骨頂は、実は骨太なアウトドア&ミリタリーにある。ヘビーデューティな機能美を日常着へと昇華させる秘訣は、「ジムマスター」らしいほんのすこしの遊び心! カラフルな配色の裏に確かな実用性あり! 【右】主役は厚手のボアジャケッ...

原毛から生地まで。一貫生産を守る英国生地の名門「ムーン」とは?

  • 2026.10.19

服を突き詰めていくと辿り着くのが生地。トラッド好きなら一度は耳にしたことがあるであろう英国の名門が「ムーン」だ。羊毛から紡績、染色、織布を一貫して行う英国最後の生地メーカーが誇る伝統のモノづくりに迫る。(写真は、生地の製造において重要な“織り”の工程。タテ糸とヨコ糸をゆっくりと交差させ、チェック柄が...

金子ノブアキが着る【REDKAP × FREAK’S STORE】

  • 2026.10.21

長い歴史を持つワークウエアブランド〈レッドキャップ〉と〈フリークス ストア〉のコラボアイテムを金子ノブアキが今の感覚で着こなす。年齢を重ねたからこそ楽しめる服のこと、ブランドが持つ哲学のこと、そしてこれから大切にしていきたいこと。45歳を迎えた金子さんに、ファッションと生き方について話を聞いた。 タ...

Pick Up おすすめ記事

【連載】ビートルズのことを考えない日は一日もなかった

  • 2024.02.05

80年代、私的ビートルズ物語。 ビートルズ研究と収集に勤しむビートルデイズを始めて早44年(Since1980)。 なにをするにもビートルズが基準だった『昭和40年男』編集長のビートルズ史を、 当時の出来事とともに振り返ります。

東京・入谷にできた靴づくりの新聖地「THE ZINE FOOTWEAR CLUB.」にメディア初潜入!

  • 2026.10.18

「ブラザーブリッジ」や「シュアブーツ」を手がける「ザ ジン フットウェア」。店舗と企画・縫製工場がひとつになったいわば“本拠地”を入谷に新設した。メディア初公開となる、その全貌に迫る。 メーカーでもあり店舗でもある新拠点 弊誌の読者であれば、おそらく「ブラザーブリッジ」という革靴ブランドはご存知であ...

世界最高峰のニットメーカー「JOHN SMEDLEY」が編むもの。

  • 2026.10.20

イングランド中部、リーミルズの自社工場で240年以上前からニットウエアを作り続ける〈ジョン スメドレー〉。1784年に創業した同ブランドが編んできた歴史と伝統が息づく場所で彼らが編むものとは。 240年の伝統と魂が息づくファクトリー 英国のトラッドブランドとして群を抜く歴史を持つのが〈ジョン スメド...

原毛から生地まで。一貫生産を守る英国生地の名門「ムーン」とは?

  • 2026.10.19

服を突き詰めていくと辿り着くのが生地。トラッド好きなら一度は耳にしたことがあるであろう英国の名門が「ムーン」だ。羊毛から紡績、染色、織布を一貫して行う英国最後の生地メーカーが誇る伝統のモノづくりに迫る。(写真は、生地の製造において重要な“織り”の工程。タテ糸とヨコ糸をゆっくりと交差させ、チェック柄が...

「BEORMA」140年の伝統を受け継ぐ、英国屈指のレザークラフト

  • 2026.10.21

英国トラッドを語るうえで欠かすことのできない存在がレザークラフトだ。140年の歴史とクラフトマンシップを受け継ぎ、現代のスタイルにも馴染む唯一無二のプロダクトを生み出す〈べオーマ〉は、その筆頭となりうる存在だ。 熟練職人の魂宿る伝統のレザークラフト 英国中部の小さな町・ウォルソール。革加工・馬具産業...