時とともに探求を重ねる美容と理容の両刀主「クロケ」|千葉・流山

都下のベッドタウンとして再開発で急上昇している千葉・流山の「クロケ」は、理容と美容の両方で研鑽を磨いたオーナーの風見和彦氏がプロデュースするバーバーショップ。古材をリノベーションした調度品やアンティークプロダクトをバランスよく取り入れた温かみのある空間となっている。

女性顧客も徐々に増えている理美容両立のバーバーショップ。

店舗の顔とも言える正面扉は、かつてアメリカの映画館で使われていた木製ドアをガラス仕様にリノベーションしたもの。サインポールもアンティークをチョイス

当初から秋葉原と茨城県はつくば市を結ぶ、つくばエクスプレス沿線に決めていたという風見氏が営むその店は、都下のベッドタウン千葉県流山市に位置していた。

もともとは美容からこの世界に入ったものの、実践を通して理容の奥深さを知り資格を取得。ともに修行を重ねた後輩を誘い理髪店Cloquetと美容室nicolの両店をスタートさせ、前者には時を刻みながら探求を重ねていくというコンセプトから、ClockQuestいうふたつの意味が込められた。

内装はつくばに拠点を置くLABOUR AND WAIT furniture serviceへとオーダー。古材をリノベーションしたラックや1900年頃のアンティークバーバーチェアなど店内を彩る旧きよきプロダクトたちもショップコンセプトを見事に体現している。

また、美容と理容という2つの側面を活かした繊細な仕事からバーバーながら女性顧客も徐々に増えつつあるという。

「Cloquet」代表・風見和彦さん|都内の大手店舗でともに修行を重ねた右腕とともに2つの店舗を運営。「それぞれに異なる魅力があるものの理容の奥深さとある意味流行に淘汰されない将来性に惹かれた」と語る
今現在は2店舗を掛け持っているとか。理容のアドバンテージのひとつでもあるシェイビングは、近年女性からの依頼が増加し、男女の割合は意外にも「7:3くらい」という

Cloquet」の内部を紹介!

シャンプー台は別途フロアが用意され、かなり余裕あるスペースにバーバーチェアを3脚常設していた。ウォールハンギングのハンガーラックや鏡下のドウロワーラックにも古材を再利用。

3脚全てLABOUR AND WAIT furni ture serviceが発掘してきたという1900年代のアンティーク。シカゴのTheo-A-Kochs社製だ。

メインミラーに加え、各所にあるミラー全てに描かれたピンストライプやゴールドリーフもLABOUR AND WAIT furniture serviceが手掛けている。

別室を設けたシャンプーフロアに左右2台併設されたラックは、デンマーク製のアノニマス。ビクトリア調のラグジュアリーな装飾から、おそらく大戦以前のものと推測できる。

ウエイティングスペースのベンチも正面扉同様、アメリカの映画館で使用されていたベンチシートを流用。ラック上の扇風機はGeneral Electric’20sヴィンテージ。

学校の体育館にあった肋木をハンガーラックやグルーミングキットなどを陳列するユーティリティラックへとリノベーション。National(NCR)社製の真鍮レジスターは現役で使用中の完動品なのだという。

オーストリアの精神科医にして盟友Carl Gustav Jungらとともに精神分析の礎を築いたSigmund Freudのだまし絵ポスターは’80sオリジナルだ。

風見和彦さんのイチ押しスタイル。

定番のフェードをツーブロック調にアレンジし、トップを上品に流すことでオンオフの制限を持たないモダンな印象に。ヒアリングを重ねながら落ち着きある大人なスタイリング提案を心がけているそう。

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CLUTCH Magazine 編集部
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