まるで部屋に招かれたようなシンプルで落ち着いた空間。
東京・松見坂にある知る人ぞ知るヘアサロン、Suntee。店内に入ればシャンプー台とカット席二つだけの小さなショップだ。特定のカルチャーを映し出すかのような装飾はなく、白壁と白タイル、ウッドのフロアで統一されたシンプルな内装である。
「20代の頃頻繁にカリフォルニアに行っていて、仲良くなったアメリカ人がよく家に招待してくれた。ココはショップというより部屋のイメージ。向こうで見た家やモーテルの雰囲気を意識しました」と、代表の望月英明氏は語る。
老若男女が訪れるサロンだからこそ、シンプルで落ち着いた空間が誰にとっても居心地の良い場所なのだろう。旧いバイクで乗りつけるブーツ職人から10代のアイドルやSHAWN STUSSYなど、個性的な人が自然と集まってくると言う。
そういう望月氏もバイク業界ではよく知られた人物。海外のキーパーソンとの繋がりも強く、海外の雑誌制作にも携わる。口コミで様々なカルチャーを持つ人々が集まる渋谷の隠れ家のようなサロンなのだ。
「Suntee」の内部を紹介!
スタイリストは望月氏のみなので、カット席2席のコンパクトなサロン。「お店というよりは部屋のイメージ」と語る通り、シンプルな内装の居心地の良い空間だ。望月氏がアメリカで見てきた数々の家やショップのデザインをミックスして、内装はWarlockが担当した。
カウンターの前にある待合席のようなスペース。望月氏が訪れたアメリカの家でよく見た、リビングテーブルとは別にキッチンに用意される小さなテーブルをイメージしたとか。
子供をカットする際のチェアは、大人用のカットチェアではサイズが合わないため、バイカーをモチーフとしたアートで知られるDavid Mannのイラストが描かれたDrivenのスケートデッキを使って製作した。
アメリカンな空間を演出するにはスイッチは重要なディテールの一つ。日本の家でよく見るスイッチだと台無しになってしまうため、トグルスイッチを一カ 所にまとめてインダストリアルな雰囲気に。
カットの際に使用するツールラックにもSketch氏によるハンドペイントのレタリングが描かれる。ポップな色彩を用いたSketch氏らしいデザインだ。
REALのプロスケーターでありチョッパービルダーとしても活躍するMAX SCHAAFの写真。MAXは今でこそ日本でも知られた存在だが、15年以上前にバイクがきっかけで偶然出会い、今も親交が続く。
’60sのFORDファコンの写真をコラージュしたSketch氏のアートワーク。
サロンの電話はモーテルフォンのレプリカを使用している。
Sunteeを立ち上げる際に思い描いたのはアメリカの“安いモーテルの部屋”のようなサロン。写真家Stephen Shoreの『Uncommon Places』という写真集では家や街並み、ショップ、モーテルなどアメリカの日常的な風景が切り取られているため、サロン作りのヒントにしたのだとか。
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