こだわりを追究する會田さんの哲学。
こだわりをカタチにすることは、簡単なようで難しいもの。マンツーマンのプライベートサロンの快適性を追究する會田氏ならではの考えの詰まったポイントを見ていこう。
待機時にもくつろぎを提供。
BARRIQUANDは閑静な住宅街に佇む。レンガ造りの壁と、鉄製の窓&扉の組み合わせがクラシックな外観。扉横のショーケース内にはアンティークのバリカンがディスプレイ。
お客さんが待機時にゆったりと過ごせるように設置したエントランスペース。カット時はブラインドを閉じ、外の光や音を遮断。特別感のあるパーソナル空間を演出している。
戦時中、日本及び満州地で日本の兵隊さんたちがカットしている写真やイラストのポストカード。バーバー関連のものを見つけるだけで収集してしまう會田さんであった。
10周年のタイミングでオリジナルユニフォームを限定販売した。
古着店で見つけたヴィンテージのケーシージャケットをヒントにオリジナルで製作したウエポン生地のユニフォーム。胸まわりはポケットレスで毛が溜まらないシンプルデザイン。
米軍将校に支給されたウエポン生地は着こむ程に艶が現れる。ボタンもミリタリーの部材をベースに製作したネコ目タイプ。
トップスだけでなくボトムも製作してセットアップ仕様に。裾もトップス同様の飾りボタンを取り付けジョッパースタイルに。
會田氏が着用するミリタリーカーキの他にホワイトも製作。素材とデザインにこだわり抜いたケーシージャケットは計10着限定で、上下ともに各4万円(取材時予価)で販売。
店内に流れる音楽はジャンルレスなオールディーズ。
貴婦人のアンティーク化粧台の両脇には、レコードの数々がディスプレイされる。邦盤、洋盤と区別され、旧い音楽が多いもののロック、ジャズ、ブルースとジャンルレス。
カット時にレコードはかけられないが、落ち着いた時間はレコードタイム。プレイヤーに針を落とす行為に特別な意味がある。深みのある音はアナログでしか味わえない。
音楽好きなら、ビクター犬のアイコンはお馴染み。画家フランシス・バラウドによって描かれた絵がモチーフで、フォッ クステリアのニッパーが亡き飼い主の声に耳を傾けている。
常連のお客さんが製作してくれたシルクスクリーンポスターは、會田氏がモデル。敬愛して止まないビートルズ、そしてジョージ・ハリスンを思わせる顔立ちは偶然か狙い通りか。
通好みなレコードやCDを大量に収集、目と耳で浸る。
一般に公開していない奥の待機室にもCDなどの音源がたくさんディスプレイ。大好きなビートルズ、ボブ・ディランだけでなく、ジャンルを問わないグッドミュージックが並ぶ。
そのゴージャスさに惹かれて選んだJBLセンチュリーゴールドのスピーカー。JBL50周年記念モデルとして新しい世紀のスタンダードをテーマに開発されたスピーカーシステム。
坂本龍一が1983年に保険会社大手、日本生命の販促用として作られたレコード。シェービングシーンというユニークなジャケ写だけに、当然購入。額縁に入れてディスプレイ。
おすすめのレコードは縦置きに。また、邦楽レコードがたくさんコレクションされ、どれも通好みなセレクト。吉田拓郎の『メモリアルヒット曲集’70真夏の青春』が気になる。
ジュリーこと沢田研二のロンドンでのレコーディングによる英国デ ビューアルバム『THE FUGITIVE 愛の逃亡者』。全編英語詞。カットモデルのようなジャケデザインも秀逸。
會田氏が敬愛する吉田拓郎の1972年のアルバム『元気です。』。最高傑作と名高い名盤は、ジャケも絵になる男っぷり。タイトル通り元気が沸く拓郎サウンドだ。
映画『ワンダラーズ』のサントラ盤。’50~’60年代のアメリカン・オールディーズ・ポップスが詰まったオムニバス。ジャケデザインもクール!
【DATA】
東京都世田谷区太子堂5-12-2
完全予約制
http://barriquand.jp
(出典/「ヘアスタイリストファイル」)
Photo by HiroakiYoda 依田裕章 Text by KeiichiroYoneda 米田圭一郎
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