戦前の米国文化を深く理解した唯一無二のサロン「スピークイージー サルーン ビューティースミス」|東京・代々木上原

一見落ち着いたクラシカルな雰囲気のヘアサロンのようでいて「Speakeasy Saloon Beautysmith」という名の通り、1920年代のアメリカ禁酒法時代の雰囲気をモダンに表現した美容室だ。旧きよき時代を彷彿とさせるサインペイントにおける先駆者であるNUTS ART WORKSが手がけるアートワークと、オーナーの長尾 圭氏のアンティークへの深い見識によって創られた空間は、男女を問わず魅了してやまない。

“隠れ酒場”を意味したスピークイージーの店名の通り、その時代の雰囲気をモダンに昇華したヘアサロン。

店舗は現代的なビルの1階に位置する。窓の大きさを活かしたサインペイントは、この手の作風だと右に出るものがいないNUTS ART WORKS。絶妙なトーンのイエローを使っているのもポイント

代々木上原のどこか下町感のある商店街に位置するSpeakeasy Saloon Beautysmith。1920年代のアメリカ禁酒法時代に、隠れ酒場を意味したスピークイージーを店名に使っていることもわかるように、その時代の雰囲気をうまくモダンに表現している。

一際、目を引くクラシックなサインペイントを手掛けたのは、オーナーの長尾氏と10代の頃からの友人であり、旧きよき時代を彷彿とさせるサインペイントにおける先駆者であるNUTS ART WORKS。看板に描かれたワードからもわかるように、ここは美容室であり、女性はもちろんのこと、男らしいフェードカットまでできる幅の広さが魅力。

店内に入ると、その世界観はより濃くなっていく。店内にある什器は、そのほとんどがアンティーク。しかもO.C.ホワイトやトレド、ジャパンカラーなど、市場ではなかなか見つからないレアなインダストリアルファニチャーをセンスよく使っている。

ここまでアンティークのインダストリアルファニチャーにこだわりを持っている美容室やバーバーは、そうないだろう。またフレンチブルドッグのナティーが看板犬ということもあって、ブルドッグモチーフのアンティークが多く揃っているのも好印象。内側にもNUTS ART W ORKSのアートワークがあり、一部の隙もない。

戦前のアメリカではメジャーだったゴールドリーフのサインペイントは、もちろんNUTS ART WORKSによるもの。インダストリアルな空間にドライフラワーなどで温かみを加えたバランス感覚も◎
看板犬であるフレンチブルドッグのナティー。非常に人懐っこく、お客さんからも癒やしの存在になっている

アンティークとアートワークのコントラストが際立つ空間。

クラシカルな雰囲気のカットチェアが置かれた店内。オールドキリムをカウンターに配するなど、センスのよさが随所に感じられる。アールデコの鏡も時代背景にマッチしている。

カットチェアの足元には、オールドキリムを使った装飾が施されている。グッドコンディションのキリムをデザイン重視で泣く泣く切ったそう。これは参考になる。

ペイントがヤレて、いい雰囲気になった小型のキャビネット。中には海外のポマードやカミソリなどの旧きよき時代のバーバーで使われていたアンティーク小物が並んでいる。

これでもかなり減ったそうだが、随所にドライフラワーとインダストリアルファニチャーが組み合わされている。奥にある鏡は、1930年代以前に流行したレアなジャパンカラー。

店内にはインダストリアルランプだけでなく、ゴージャスなシャンデリアも使っているのがおもしろい。オーナーの長尾氏がひとつひとつをアンティークショップで見つけたそう。デコラティブな装飾が世界観にも合っており、金属の風合いがどれも似ているので、どれも空間に調和されていた。

シャンデリアがある一方で、ここにはインダストリアル系ランプの王様的な存在であるO.C.ホワイトのライトが3つ並んでいる。シェードもオリジナルというから驚き。

こんなユニークなフォルムのランプも。しかもヴィンテージ市場で人気の高いジャパンカラーというスペシャルな仕様。ジャパンカラーのものは、滅多に市場で見ない。

このシャンデリアもアンティークのものをうまく活用している。店の天井には、NUTS ART WORKSのアートワークが施されており、この作品が店のアイコンのひとつになっている。

こちらはシャンプースペース。奥にはモルタルの壁とタイルによるアートワークのコントラストが際立っている。重厚感ある扉は、奥に隠れ酒場がありそうな雰囲気である。

実はこのタイルによるアートワークは、オーナーの長尾氏が自ら施工したもの。タイルのアーティストとしても活動しており、店舗や個人宅の施工も行っているというから驚き。

オープンの時に友人たちがプレゼントしてくれたアンティークのウォールクロック。ロゴを見る限り、ヨーロッパのものだろう。そのロゴに合わせNUTS ART WORKSが文字盤にペイントした。

ここにもレアなジャパンカラーのアンティーク小物がディスプレイされている。下のCOOLGREASE SUPERIORは、長尾氏が開発からパッケージデザインまで携わったもの。

看板はすべてNUTS ART WORKSによるハンドペイントだ。1920年代のスピークイージーをイメージしているため、当時に使われていた書体をうまく当て込んでいる。

奥にあるカウンターには、長尾氏の世界観が詰まっている。手前の椅子は、インダストリアルファニチャーの中でも名作として名高いToledo。奥の絵はNUTS ART WORKSが製作。

ここはレジカウンター。なんともデコラティブな装飾が施されたレジは、もちろんアンティーク。横の飾り棚には、ブルドッグモチーフのアンティーク小物などが置かれている。

インダストリアルランプの奥には生花を飾るというワビサビのある空間。手前のブルドッグモチーフの人形は、大きさやカラーリングに様々なバリエーションが存在する。

お客さんのアウターを掛けるハンガーもアンティークのものを使うこだわりよう。あえて形を揃えていないことで、逆に雰囲気が出ている。ラックもヴィンテージである。

扉のすぐ横には、ニューヨークで使われていた水道メーターのカバーが置かれている。使い道のない小物でもアイデアひとつで絵になるのが、インダストリアル系の醍醐味だろう。

【DATA】
東京都渋谷区元代々木町8-78-7-1F
TEL03-6804-8049
営業/10:00~21:00(月曜~土曜)、10:00~19:00(日曜)
休み/火曜、第1・3水曜
http://speakeasysaloon.jp

※写真は取材当時のものです。現在とは異なる場合があります。

(出典/「バーバーインテリア」)

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CLUTCH Magazine 編集部
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