創業以来ハンドメイドを頑なに守り続ける名門。
アメリカを代表するワークブーツメーカーとして世界的に名を馳せるWHITE’S BOOTS。現在は、アメリカ西海岸の最北部に位置するワシントン州スポケーンを拠点にするが、その歴史を辿ると18世紀半ばの南北戦争以前まで遡り、東海岸における重工業の拠点であるヴァージニア州にて、ワーカーたちの足元を守るワークブーツをオーダーメイドで作っていたのがWHITE’S BOOTSのルーツと言われている。
そのバックボーンを継承し、いまでも「The True Handmade」の歴史を守るべく熟練した職人による手作業にて丹精込めて仕立てられているのは、キングオブブーツたる所以だろう。また、ワークブーツメーカーとして、タフさだけでなく、コンフォータブルな履き心地もWHITE’S BOOTSの大きな魅力。
その大きな要因は土踏まずから踵にかけて施される「ARCH EASE」。つまり土踏まずをサポートするフットベッドにより、長時間履いても疲れにくい設計となっている。加えてワークブーツでありながらもクラシックで、かつ洗練されたスタイリッシュなフォルム。WHITE’S BOOTSが目指す「ALL LEATHER LEGEND(すべての革の伝説)」。創業150年を超え、すでに伝説の域に達していると言っても過言ではないはずだ。
知っておきたいブーツの構造。
「キングオブブーツ」との呼び声が高いWHITE’S BOOTSの基本構造。タフに履かれることを想定したワークブーツのポテンシャルの高さが理解できる。
細かな運針によるアッパーの縫製は丁寧に作られていることの象徴。特にステッチが交差する部分やアールを描くステッチングなど熟練した職人ならではの技術が問われる。
アッパーとソールを直接縫い付ける独自のハンドソーンウェルテッド製法は、創業以来続くWHITE’S BOOTS の伝統。縫製糸には、リネン混で太く強靭な糸が使われている。
ソールとミッドソール、そしてアッパーまで、まとめて縫われるため、アウトソールにはステッチ2本が剥き出し。履くごとにダメージはあるが、簡単には解れない。
トゥの内側、つまりアッパーとライニングの間に芯材を入れることで、型崩れ防止にもなり、つま先を守ることができる。ミッドソールにはコルクシートが挟み込まれている。
トゥから甲にかけて表革のライニングを貼り合わせることで、足入れしやすく、かつアッパーから甲にかけての強度が増されている。型崩れ防止としても有効なディテールだ。
ヒールカップも脱ぎ履きなどによって、大きな負荷がかかる重要な箇所。ソールはセミドレスらしいロガーソールで、熟練した職人がハンドメイドで美しい曲線を形成する。
これから履きたい、ホワイツブーツ4選。
歴史やディテールを見てきたところで、代表的なホワイツブーツを紹介する。どれも職人技が光る魅力的なブーツばかりだ。
6’ NORTH WEST LTT RED DOG ROUGHOUT ¥145,200_
軽量で歩きやすさに定評のあるトラクションソールを装着したノースウエスト。ハンドソーイングによるウェルテッド製法を採用し、フラットなソールが履きやすいと人気のモデル。
SEMI-DRESS BURGUNDY CX ¥131,450_
ワークブーツながら、ドレスシューズのような上品な雰囲気から圧倒的支持を集めるセミドレス。履き込むほどに味わい深くなるクロームエクセルレザーのバーガンディを採用。
6’ SMOKE JUMPER BLACK CX ¥141,900_
充分にオイルを染み込ませることで耐久性を高めたクロムエクセルレザーを使用。シンプルなデザインから、WHITE’S BOOTSを代表するモデルとして長年親しまれてきた銘品。
STEVENS NATURAL CX ¥137,500_
WHITE’S BOOTSのラインナップの中で特にスタイリッシュで洗練されたブーツ。新型の5050ラストは、伝統的なアーチサポートを継承しつつ、よりスマートなトゥを表現した。
【DATA】
WHITE’S BOOTS JAPAN
https://whitesbootsjapan.com
※情報は取材当時のものです。
(出典/「CLUTCH2022年12月号 Vol.88」)
Photo by Akira Kuwayama 桑山章 Masahiro Nagata 永田雅裕 Text by Tamaki Itakur 板倉環
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