東京・原宿生まれの都会派“熊ジャン”。BILTBUCKが手掛ける究極の1着。

  • 2022.10.06

数あるヴィンテージレザージャケットのジャンルの中でもとりわけ特異な存在として知られるグリズリージャケット。厳冬期の防寒着として生まれたものであるが、現代においては豪華絢爛なジャケットそのもの。素材や縫製など見るからに茨の道である熊ジャンを作り続けるBILTBUCKの原動力に迫る。

「BILTBUCK」Director・西崎智成さん

レザープロダクツを軸に展開するBILTBUCKに加え、WEARMASTER、ARTTRACTION SPORTOGSなど、複数レーベルを手掛けるATTRACTIONSの代表。

見た目以上に機能性の高さにも惚れた。

ブラック×ブラックのグリズリージャケットは、これまでに自身で手掛けたBILTBUCKの着用サンプル。身体に馴染んだ馬革の表情が美しい

初めてレザージャケットを作ったのが2010年。最初はクロムのレザーで作ったダブルのスポーツジャケットだった。仕上がった感動こそあったが、ホースのヌメ革で作りたいと思うようになり、同時に若い頃に衝撃を受けた熊ジャンの創作意欲に燃えたという。

「10代の頃、圧倒的なインパクトのヴィンテージの熊ジャンが気になり、先輩たちが着ているのを見て、一気に好きになりました。またムートンは飾りではなく、表面冷却を防ぐものだと理解り、保温性の高さにも衝撃でした。初めて熊ジャンを作ったのは2011年。ムートンを縫うこと自体が難しいなど、何もわからない状態からのスタートで、バックルやリブを先に作ってメーカーさんにこれで作ってください! みたいな。最初は仕上がった熊ジャンを見て、『これ誰が着るの(笑)』という声をたくさんいただきましたが、それでも毎年作り続けて11年。ようやく定着してきた気がします」

フロントにデコエンドのタロンジッパーを装備していることから、1930後半~’40年代前半。ムートンのコンディションも良好でダメージなど無し、ヘリンボーンのライニングが装備され、内タグには、J.C.ペニーの織りネームがつけられる。グローブは同じ配色の日本製
1930年代のLEVI’Sのジャケット。デザインは熊ジャンと酷似しているがムートンではなく毛足の長いジャコウ牛のようなヘアオンハイドが使われている。実は20代前半に古着屋で見かけて、かっこ良いなと思っていたものが数年後、回り回って西崎氏のもとにやってきたという
1937年と1939年に作られたSEAR ROEBUCKのカタログ。大人用だけでなく子供用の熊ジャンがラインナップしていたことも確認できる

BILTBUCKが手掛ける“熊ジャン”。

美しい艶を生むラッカー仕上げを施したフルベジタブルタンニング・ホースハイドと上質な部位のみを選定したハイグレード・シープムートンを使用。20万6800円

ヌメ革のホースハイドならではの経年変化が大きな魅力。密に揃った肌触りの良い毛並みは高い保温性を約束する。ハトメエンドのHOOKLESSやWALDESジッパー。¥217,800

トナカイヘアを贅沢に使用した唯一無二なジャケット。ウール化繊混の撚り杢ツイードライニングにインナーリブ、インナーポケットなどモダンヘリテージな仕上がり。¥495,000_

【DATA】
Attractions
Tel.03-3408-0036
https://attractions.co.jp

※情報は取材当時のものです。現在取り扱っていない場合があります。

(出典/「CLUTCH2022年10月号 Vol.87」)

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