安全性の問題を払拭して登場したタルガ。
1965年にデビューしたPorsche911シリーズ。当初よりオープンカーモデルを検討していたが、投入予定だったアメリカで、横転時の乗員の安全性が問題視され、着脱式ソフトトップに固定式ロールオーバー・バーを装備することで、安全性の問題を払拭したセーフティカブリオレ、タルガが誕生したのは1967年のこと。初期のタルガは、ソフトトップのみだったが、1969年には、美しいカーブを描く湾曲したリアウィンドーが装備される。
以降、着脱式ルーフの特徴を持つタルガトップは、少しずつ改良され、現在も続く名モデルでもある。特徴的なリアウィンドーが搭載された1970年製。かつもうひとつ大きな特徴なのがトランスミッション。当時ポルシェが開発した2ペダルMT、スポルトマチックを搭載する。AT車とは、まったくの別物で、クラッチを使わずにギアを繋ぐことに不安が募るものの、実際にシフトノブを握りシフトチェンジをするととてもスムースにギアを繋いでくれる。MT車が主流の当時、その操作感の面白みはPorsche愛好家たちにとっては、より感動が大きかったはずだ。
1970 PORSCHE 911E SPORTMATIC
着脱式ルーフトップが装備された911E。タルガの由来は、当時、イタリアで開催されていたタルガ・フローリオ耐久レースに由来し、Porscheはこの大会で5連覇という偉業を成し遂げていたことも、ネーミングに影響を与えていたはず。フロントにはフォグランプが付けられ、ミニマルなスタイルでありながらも、ややワイルドな印象を受けるフェイスとスタイリッシュなテールが特徴。
シフトノブにクラッチを自動で行うセンサーが装備されているため、おもむろにシフトノブに手を置く癖がある人は、ギアを入れるのに少々戸惑うはずだ。
美しいアールを描いたリアウィンドー。ウィンドー脇、モール部分には「Targa」のエンブレムが装着される。
ブルーメタリック伸びディに911E SPORT MATICのゴールドエンブレムが映える。
初期のタルガは2.0Lエンジンを搭載するが、1970年代に入るとトルクフルな2.2Lを搭載するようになる。
【DATA】
VINTAGE SHONAN
Tel.045-300-3750
http://www.vintage-shonan.co.jp
(出典/「CLUTCH2022年8月号 Vol.86」)
Photo by Masahiko Watanabe 渡辺昌彦 Text by Tamaki ITakura 板倉環
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