Episode 119 MICHELIN COMMANDER Ⅲ
昨年、あまり走らなかった反動か春になってやたらと走り回っている。「ロードグライド」の走行距離は3万キロを越え、いくつかの消耗部品が交換時期を迎えた。特に新車から履いている純正タイヤは限界。そこで選んだのが、これまで4台のハーレーを乗り継いできて一番感触がよかったミシュラン製の「コマンダー」シリーズ。中でも重量のあるツーリングモデルに特化した“COMMANDER 3 TOURING”だ。“COMMANDER 2”をさらにアグレッシブにしたトレッドパターンがカッコいい。純正タイヤほどではないにしてもライフは長く、何よりウエットグリップに定評がある。そんな理由ですぐに注文してしまった。交換は、困ったときの駆け込み寺、「ミッドナイトバイクショップRAZA」の笹島さんにお願いした。
タイヤを交換して、そのまま北へ。高速がほとんどだが1000キロほど走行。摩耗した純正タイヤと比べても参考にならないが、高速での安定感とレーンチェンジなどでのコントロール性は段違い。乗り心地もタイヤを換えただけでかなり違う。ワインディングは大して走っていないが重量のあるロードグライドでも安心して倒し込める。いまのところ、ウエット路面の走行はしていないが、使っている人の話を聞くとかなりよさそう。今年は、ガンガン走るつもりなので交換したことでかなり心強い。ロードグライドは、ロングツーリングのためのバイク。安心感の高いタイヤを履いたことでさらに楽しく快適に長距離を走ることができる。
2025年モデルのメディア向け試乗会に、カメラマンとして撮影するだけでなく本誌のテストライダーとしても参加した。昨年大幅に変わったツアラーに大きな変更はなかったものの、昨年までの「ウルトラ リミテッド」から「ストリートグライド ウルトラ」にバトンタッチ。フロントホイールが18インチから19インチに変わってコーナーでの軽快感が増した。そのほかツアーパックにスピーカーが装着されていない分、重心が高くなりすぎないのも好印象。同じコンポーネンツでロードグライドにもウルトラが復活したら僕的には選択肢のひとつになりそうだ。
今年大きく変わったのは「クルーザー」だ。異なるチューニングを施した3種類の117エンジンを新たに搭載。カムとチューニングの違いでキャラクターがまるで違う。ハイアウトプットを搭載した「ローライダーS」はとにかく速く、そのスピードに対応する足まわりを装備しているのでポイントが高い。意外だったのがクラシックを搭載した「ストリートボブ」。鼓動感があり一番ハーレーらしかった。また3種のライドモードを切り替えられ、特にスポーツモードは別のエンジンなのではないかと思うほど豹変。どちらも試乗しないとわからない部分なので、ぜひ一度体験してほしい。
フォトグラファー/増井貴光
二輪メディアを中心にマルチに活躍するフォトグラファー。アメリカ・ユタ州のボンネビルで開催されるランドスピードレースに通い出して14年。2017年に写真集「bonneville」をbueno!booksより出版
Commander 3 touring
ハーレーのタイヤで一番使っているのがミシュランのコマンダーシリーズ。前のロードグライドに履かせていたコマンダー2は安心感が高かった。今回選んだのはツーリングモデルに特化したコマンダー3ツーリング。センターグルーブのないアグレッシブなトレッドパターンが性能を期待させる。
Specialized in touring
大胆なトレッドパターンだが100%シリカコンパウンドを採用したSRTによりウエットグリップと高いスポーツ性能、耐摩耗性を発揮。実際にワインディングを走ってみると軽快感がかなり増している上に寝かせたときの安心感も高い。まだウエット路面は走っていないが、かなり期待できそうだ。
CVO ROADGLIDE ST
昨年も試乗したCVOロードグライドSTは、グラッフィックが変更された。ハーレー最強のハイアウトプット121エンジンは、とにかく速い。足まわりがとにかくよく、フロントサスとブレーキは最高。サスのよさとカーボンパーツのおかげかスタンダードなロードグライドよりも数段軽く感じる。
Even more powerful
117ハイアウトプットを搭載したローライダーS。3種類のエンジンの中でもカムとチューニングの違いでかなりパワフル。倒立フォークを採用することでラインアップの中で最もスポーツ性能の高いモデル。本文にも書いたがスポーツモードを選択すると豹変、ワイドオープンしたときの加速は異次元。
(出典/「CLUB HARLEY 2025年6月号」)
photo/Y.Higuchi 樋口勇一郎(走り) 取材協力/日本ミシュランタイヤ michelin.co.jp
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