2ページ目 - 映画から学びたいスタイルがある。あの名作の名優の着こなしを参考にコーデを組んでみた!

【STYLE 05】『セルピコ』のアル・パチーノ

1973年公開。ニューヨーク市警に蔓延する汚職と腐敗に立ち向かうアル・パチーノ演じる刑事、フランク・セルピコの姿を描いた社会派ドラマ。組織から孤立した正義感溢れる新人警官が経験する孤独と葛藤を描く。セルピコが覆面警官であることから、様々な職業に扮するため、様々なテイストの着こなしを見ることができる。「リー」のカバーオールやメキシカンベストなどが代表的なアイテムであり、アメカジ好き必見の作品だ。

70sのヒッピーを軸に現代的なエッセンスを注入

「70sのヒッピースタイルを愛する主人公が覆面捜査官という職業柄、様々な装いを見せてくれる、服好きには堪らない作品です。劇中でのアルパチーノの休日服と、変装のための装いをミックスしました。フレアシルエットのパンツやバンドカラーシャツがポイントです。トラッドというよりは、“ヴィンテージカジュアル”といったイメージですね。正統派のヒッピーなら足元は『サボ』が定番ですが、『ビルケンシュトック』も良いのではないかと。現代においてもかなり新鮮なスタイルなのではないでしょうか」

カバーオール27万5000円、パンツ5500円/ともにリー、ベスト4万9500円/トルフィリオス、プルオーバーシャツ8800円、ハット5500円/ともにヴィンテージ、サンダル2万5300円/ビルケンシュトック

【STYLE 06】 『タクシードライバー』のロバート・デ・ニーロ

1976年公開。ロバート・デ・ニーロ演じる孤独なタクシードライバー、トラヴィスがニューヨークを舞台に都会の闇と人間関係に苛まれ、次第に過激な行動へと向かっていく模様を描いたサスペンスドラマ。監督はマーティン・スコセッシ。物語の冒頭で着用しているタンカースジャケットや後半から登場する[M-65]ジャケット、ウエスタンブーツなどが代表的なアイテム。主人公の心情が彼自身の見た目にも反映されるのもポイント。

ストレートデニム×ウエスタンブーツが装いの肝

「有名な[M-65]ではなく、タンカースジャケットのシーンを選びました。ポイントはストレートシルエットのデニムにウエスタンブーツという合わせ。ウエスタンブーツには、一般的にはブーツカットを合わせるのが定石だと思われがちですが、膝下ストレートのパンツにもバッチリとハマります。ちなみにロバート・デニーロはバックルの大きなベルトを付けていますが、私はジャストサイズのデニムにはノーベルトを推します。また、トップスをややオーバーサイズにすることで現代的にアップデートしました」

タンカースジャケット17万6000円、ウエスタンブーツ1万9800円/ともにヴィンテージ、シャツ6600円/リーバイス、ジーンズ2万9700円/リー

【STYLE 07】『北北西に進路を取れ』のケーリー・グラント

1959年公開。スパイに間違われたケーリー・グラント演じる広告マン、ロジャーが、国際的な陰謀に巻き込まれながらアメリカ各地を逃亡するサスペンス。逃亡しながらも真実を追う主人公の心の葛藤や恋模様が巧みに描かれる。とにかく逃げ続けるという内容であるため、主人公の装いは基本的にグレースーツのみだが、スーツと同色のグレーのサテンタイを合わせたVゾーンなど、ドレススタイルならではのエレガントさが感じられる。

スポーティとの距離感を楽しむのがドレススタイルの醍醐味

「ケーリー・グラントが劇中のほとんどのシーンで着用していたライトグレースーツの装いを軸に、少しテイストの“足し引き”を加えました。無地と比べるとややカジュアルなグレンプレイドのスーツを選びつつ、劇中にはないチーフや、よりドレッシーな『ジョンロブ』のローファーを合わせることで、ドレッシーとスポーティの間における着地点を微妙にずらしています。エレガントだけど、どこか抜け感がある。そんなスーツスタイルを目指しました。シャツが実はボタンダウンだという点もポイントです」

スーツ11万0000円/オラツィオ ルチアーノ、ボタンダウンシャツ4400円/ローレン ラルフローレン、タイ8800円/ラルフローレン パープルレーベル、チーフ1100円/ノーブランド、シューズ7万7000円/ジョンロブ

【問い合わせ】
サファリ3号店
TEL03-6808-9787

(出典/2nd 2025年11月号 Vol.214」)

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みなみ188
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みなみ188

ヤングTRADマン

1998年生まれ、兵庫県育ちの関西人。前職はスポーツ紙記者で身長は188cm(25歳になってようやく成長が止まった)。小中高とサッカーに熱中し、私服もほぼジャージだったが、大学時代に某アメトラブランドの販売員のアルバイトを始めたことでファッションに興味を持つように。雑誌やSNS、街中でイケてるコーディネイトを見た時に喜びを感じる。元々はドレスファッションが好みだったが、編集部に入ってからは様々なスタイルに触れるなかで自分らしいスタイルを模索中。
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