そうですね。木の年輪を見ながら作っていきます。この年輪がいいから使おうとか。でも、それでもやっぱり板によって木目の出方が全然違って、面白いけど大変でした。燃やして削ってから初めて、木目が出るかどうかわかるんです。なので、まず版全部に下絵を書いて、残したい木目にガスバーナーを当てて、その部分を削るんですけど、その時にまったく木目の出ない版もあって。でもそれはそれでいいかなって。自分の意思が介入しない自然のものに、気付かされることもあります。
──今後の展望を教えてください。
6月からオランダに滞在します。ストリートアート的に、街に作品を置いていくようなこともしてみたいです。透明のシートに刷った作品は、都市の背景と混ざり合いながら存在できるので、生活の中にそっと入り込むような表現を模索していきたいです。作品を展示するだけじゃなく、日常の中に「置く」という形にも、もっと挑戦していきたいですね。






(出典/「2nd 2025年7月号 Vol.213」)
Photo/Yoshika Amino Text/Risako Hayashi
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