【ラングラーの11MJZ】単なるワークウエアとは一線を画すデザイン美に心酔|「アーカイブ&スタイル」坂田真彦さん
1956年に登場した[11MJZ]はデニムジャケットに初めてジップを採用したことで知られる。坂田さんが所有するこのモデルは1950年代後半〜60年代のヴィンテージで、“デザイン的な美しさ”に魅力を感じているのだという。
「1940年代後半から『ラングラー』のデザインに携わったロデオ・ベンは元々テーラードのウエスタンウエアを作っていた人物。動きやすい設計や着丈と身幅のバランスなど、一般的なワークウエアとは異なる角度のアプローチに感銘を受けています。戦前から存在する『リーバイス』や『リー』とは違い、戦後のアメリカの黄金期ともいえる時代に生まれたという時代背景が感じられるのも面白いですよね」
「アーカイブ&スタイル」代表・坂田真彦さん|名だたるブランドのデザイナーを経てデザインスタジオ「アーカイブ&スタイル」を設立。ヴィンテージ古着からトラッドファッション、革靴まで服飾の造詣の深さは業界随一で本誌も絶大な信頼を置いている。現在も様々なブランドのディレクターを務めている。
【ブルックスブラザーズのBDシャツ】6ボタン仕様にこだわって古着で探し回りました|「アナトミカ 東京」山根領太さん
「大定番の名品だからこそ、仕様と生地で差別化を図りたかったんです」とアナトミカ東京の名物店長である山根さんが紹介したのは、ブルックスブラザーズのポロカラーシャツ。
「本来は7つボタンですが、70〜80年代頃に6つボタン仕様も展開されていて、それを狙い打ち。もちろんオックスフォード生地もよかったのですが、あえてチェック生地を選択。6ボタンだと第1〜第2ボタンの間隔が、3センチ弱広いので、襟がより美しいロールを描いてくれるんです」と服好きらしいこだわりを披露。
「アナトミカ 東京」店長・山根領太さん|「アナトミカ」のフラッグシップショップである東京店の店長。180センチ超えでスタイル抜群。この日はアナトミカのサマーウールを用いたセットアップで登場。学生時代はバスケットマンであり、NBA観戦が日頃の楽しみ。
【リンガーTシャツ】いなたいアメリカらしさを感じるリンガーTがインナーに合うんです|「DCホワイト」石原協さん
アメトラのスペシャリストである石原さんが、常に買い足しているという名品がリンガーT。「古着市場では評価されていないコットンポリのボディをあえて狙っています。アメリカ製が嬉しくはありますが、生産国やメーカー、年代は問いません」と大まかなスタンスではあるが、しっかりとこだわりがある。
「シャツやジャケットのインナーとして使うので、首のみリンガーになっていることが大前提。クルーネックでは出ない“いなたさ”が、アメトラのハズシにちょうどいい。自分にとって名品なんですよ」
「DCホワイト」クリエイティブディレクター・石原協さん|2016年に創設したアメトラをメイドインジャパンで再構築するブランド〈DCホワイト〉のディレクターを担当。元ラガーマンで生粋のアイビーファッション好き。ドレス業界に長くいたこともあり、その知識もかなり豊富。
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