生機は粋でいなせなデニムラバーだけに許される嗜み
1930年代にサンフォード・クルエットが発明したデニムの防縮加工(サンフォライズド)は、当時、問題視されていたジーンズの型崩れやサイズ選びの難しさを解消し、業界に変革をもたらした。現代ジーンズの大半は防縮加工や捻れ防止加工、さらに表面を均一化する毛焼きなどの仕上げ処理が施されている。
そんななか、今回エドウインが満を持して限定リリースする「生機(きばた)デニム」だ。
生機デニムとは、単に言うと、前述のような仕上げ処理を行わない、素のデニム。水を通すとレングスは2サイズ程の縮みがでるなど、欠点も多いが、それにより穿き込むことで自分の体型に馴染んだ唯一無二の一本を手に入れることができる。これ即ち、「シュリンク・トゥ・フィット」という、1950年代までのフィッティング理論。
さらに生機特有の凹凸や捻れは、ヒゲやハチノスなどの立体的なアタリをより強烈に生み出し、理論上はヴィンテージと同様のエイジングが期待できるという訳だ。生機から育てるということはジーンズの真髄を知ることであり、デニムラバーだけに許された、粋でいなせな嗜みなのである。
EDS KIBATA Regular Straight
EDWINコンセプトショップの定番ジーンズ[EDS]をベースに、防縮加工などを排した昔ながらの生機(きばた)デニムで仕上げた限定アイテム。自らウォッシュを施すことで生まれる、生地の凹凸や捻れは穿き込むことでヴィンテージのような雄々しい経年変化が楽しめる。※こちらは2年着用したエイジングサンプル。2万2000円
「シュリンク・トゥ・フィット」という原点の作法を愉しむ
現代のジーンズでは一般的である防縮や捻れ防止の加工、毛焼きなどの最終仕上げを施すが、本作ではジーンズが誕生した当時の雰囲気を再現するため、未整理の生機デニムを採用。洗いをかけると右画像のように縮みが出るが、本作では縮んだ後のサイズ表記で販売するためご安心を。
通常モデルの色落ちも悪くはないけれど……
こちらは通常モデルのエイジングサンプル。旧式のシャトル織機を使用したメイド・イン・ジャパンのデニムも秀逸な色落ちだが、より立体感のあるエイジングなら生機に軍配。
【問い合わせ】
エドウイン
TEL0120-008-503
https://edwin.co.jp/
(出典/「2nd 2024年6月号 Vol.205」)
Photo/Norihito Suzuki Styling/Shogo Yoshimura Text/Kazuki Ueda Hair&Make/MIHO EMORI Model/Tomoya Kageyama
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