ミックスコーデの達人「ビームスF」ディレクター・西口さん流英国式アイビーは、学生っぽさがカギ

ブリティッシュとアイビー……。異なるスタイルをミックスする上で大切なのはアイテム選びとそのバランスに尽きる。日本を代表するファッションカンパニー・ビームスを代表するウェルドレッサーである「ビームスF」ディレクター・西口修平さんの考えるブリティッシュアイビースタイルと愛用品からヒントを探ろう。

普段から好む英国アイテムをミックスしたアメリカンスタイルにアイビーの要素をプラス

「ビームスF」ディレクター・西口修平さん|1977年生まれ。日本を代表するファッションカンパニー・ビームスを代表するウェルドレッサーで、ドレスやヴィンテージなどをミックスした唯一無二の着こなしは世界中に多くのファンを持つ。英国には半年に1回のペースで出張

「ブリティッシュアメリカンやアングロアメリカンといった英国アイテムをミックスしたアメリカンスタイルは普段からしている好きなスタイル。そこにアイビーの要素を加えました」という西口さん。

ジャケットは英国的なガンクラブチェックながら段返り3つボタン、パッチポケット、センターベントのアイビー仕様で、シャツとジーンズもアメリカものだ。そこにバブアーやレースアップのスウェード靴といった英国的エッセンスをミックス。さらに金張りのメガネやカラーピンといったドレスの要素が加わり、全体として洗練された雰囲気を放っている。

ウエスタンシャツにカラーピンを刺してネクタイのノットを持ち上げることでドレスアップ

「クラシックスタイルの源流には英国の上流階級のスタイルがあり、アイビーというアメリカ的なスタイルとの親和性は高いです。今日のスタイルも英国的ではありますが、「TAKE IVY」のような大学の校舎がよく似合いそう。年齢的に学生は難しいですが、こんな教師ならいるのではないでしょうか(笑)」

70年代の英国の職人の技術が詰まった金張りのラウンドフレーム。目元でクラシックな雰囲気を漂わせる

ブリティッシュアイビースタイルに欠かせない愛用品

カシミヤを贅沢に使ったラグジュアリーなニット|「ベグ アンド コー」のショールカラーカーディガン

カシミヤをたっぷりと使用したラグジュアリーな雰囲気を醸し出すスコットランド製のカーディガンは、ジャケットの上からアウターとしても着用できるゆったりとしたサイジング。「こんなにも重く、たっぷりとしたカシミヤのニットは他にはないと思います」

武骨さと気品を兼ね備えたコーディネイトの引き締め役|「エドワード グリーン」のペニーローファー

シボがラフな型押しレザー「ロンドングレイン」を使用したスマートながらも重厚感のある1足。「ローファーなのにワイルドな見た目で、重い質感なのが魅力的。ツイードなどの重い生地とも良く合います」

コーディネイトの幅を広げる英国紳士の永久定番|「ラベンハム」のキルティングベスト

ブランドのアイデンティティーとも言えるダイヤモンドキルトが特徴的な定番モデル「ダブリン」。「ジャケットの上でもニットの上でも着られる。アメカジでもクラシックスタイルにも合わせられる稀有なアイテムだと思います」

さりげない輝きが気品と色気をプラス|「バニー」のアクセサリー

西口さんのスタイルを語る上で欠かせないアクセサリーの中でもお気に入りのブランド。アトマイザー(右上)には実際に香水を入れて使用。2年前にオーダーした18金のリング(中央)にはイニシャルが刻印。ブレスレットはスターリングシルバーと18金のコンビ。

抜群の機能性を誇る万能ミリタリーアウター|「グレンフェル」のケープコート

高密度に織り上げることで撥水性のあるグレンフェルコットンを使用。難易度が高そうなアイテムだが、スーツやジャケパンスタイルなど幅広いコーディネイトに合わせられる。フルライナー仕様で防寒性も抜群。

(出典/「2nd 2024年1月号 Vol.201」)

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2nd 編集部
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