昨年オープンした、元作り手志望の店主のセレクトが光る浜松の「CITRON」【アメトラショップ案内】

全国津々浦々、ショップ自体は数え切れないほどあるものの、意外にも少ない直球アメトラな店舗を厳選。これぞ決定版のマストゴーなセレクトショップリストになっているぞ。紹介するのは、静岡・浜松にアメトラを軸にして2022年オープンした「シトロン」。服づくりを学んだオーナーによるお直しサービスや別注アイテムの企画など、長く愛着できるアイテムがラインナップされている。

「いつでも同じものが買える店」「変わらない店」であり続けることを大事に

文化服装学院にて服づくりを学び、上野の名店「フリーポート」にて10年間接客を経験した長沼さんが、昔から好きで馴染みがあったというアメトラを軸にして2022年オープンした「シトロン」。かつては服の作り手になるべくパターンの勉強をしていた過去が、自身で対応しているお直しサービスや別注アイテムの企画、接客などに活きているという。

「テーラードの中身まで勉強してきたので、ひととおり目を通せばその服が意図していることもある程度分かります。だからこそ、その意図を接客を通してちゃんと伝え、値段に納得したうえで買い物をしてほしい。そうすれば、たとえ買った服が傷んで着られなくなったとしても、また欲しいと思っていただけると思うんです。だからこそ『いつでも同じものが買える店』『変わらない店』であり続けることを大事にしたいと思っています」。

長沼さんおすすめのアイテムを本人がご紹介!

これからの季節に合う〈ハイランド〉の糸を使って、コットンニット素材で特別に製作。店名の「シトロン(ミカン属の果物)」をイメージした淡いイエローカラーが絶品。インバーアラン メシトロンのコットンニット5万5000円

こちらは〈ロンドンフォグ〉のステンカラーをもとに作られた、ツイードのコート。前から見ればセットインだが、実はラグラン仕様という実用性が肝。ワーカーズのフォギーコート8万8000円

「シトロン」らしい型から別注した渾身の一足。「ヨーロッパ人が作るレッドウィング」が裏テーマで、ビブラム社製モアフレックスソールを使用し、履き心地軽やか。トリッカーズ×メシトロンのレザーシューズ10万5600円

知る人ぞ知るフランスのブランド、ジョセフマランジュのチロリアンシューズ。アッパーには濃いブラウンスウェードを、ミッドソールには履き心地と通気性を担保するコルクをオーダー。8万5800円

定番として長らく取り扱っていた〈バーンストーマー〉のベーカーパンツ。同店に集まる服好きたちからの要望を受け、フルレングスでの別注を実現した。バーンストーマー×シトロンのパンツ2万3100円

今季「ブレザー×スウェット」を提案する「シトロン」イチオシの一着がこちら。アウター感覚でラフに羽織れる点がポイントだ。D.C.ホワイトのネイビーブレザー4万1800円

【DATA】
CITRON(シトロン)
静岡県浜松市中区佐鳴台4-11-1
TEL053-458-5315
営業/12:00~18:00
休み/火・水曜

※情報は取材当時のものです。現在取り扱っていない場合があります。

(出典/「2nd 2023年12月号 Vol.200」)

この記事を書いた人
パピー高野
この記事を書いた人

パピー高野

断然革靴派

長崎県出身、シティーボーイに憧れ上京。編集部に入ってから服好き精神に火がつき、たまの散財が生きがいに。いろんなスタイルに挑戦したい雑食タイプで、ヨーロッパからアメリカものまで幅広く好む。家の近所にある大盛カレーショップの名を、あだ名として拝借。
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

この冬買うべきは、主役になるピーコートとアウターの影の立役者インナースウェット、この2つ。

  • 2025.11.15

冬の主役と言えばヘビーアウター。クラシックなピーコートがあればそれだけで様になる。そしてどんなアウターをも引き立ててくれるインナースウェット、これは必需品。この2つさえあれば今年の冬は着回しがずっと楽しく、幅広くなるはずだ。この冬をともに過ごす相棒選びの参考になれば、これ幸い。 「Golden Be...

【ORIENTAL×2nd別注】アウトドアの風味漂う万能ローファー登場!

  • 2025.11.14

これまでに、有名ブランドから新進気鋭ブランドまで幅広いコラボレーションアイテムを完全受注生産で世に送り出してきた「2nd別注」。今回もまた、渾身の別注が完成! >>購入はこちらから! 【ORIENTAL×2nd】ラフアウト アルバース 高品質な素材と日本人に合った木型を使用した高品質な革靴を提案する...

今っぽいチノパンとは? レジェンドスタイリスト近藤昌さんの新旧トラッド考。

  • 2025.11.15

スタイリストとしてはもちろん、ブランド「ツゥールズ」を手がけるなど多方面でご活躍の近藤昌さんがゲストを迎えて対談する短期連載。第三回は吉岡レオさんとともに「今のトラッド」とは何かを考えます。 [caption id="" align="alignnone" width="1000"] スタイリスト・...

今こそマスターすべきは“重ねる”技! 「ライディングハイ」が提案するレイヤードスタイル

  • 2025.11.16

「神は細部に宿る」。細かい部分にこだわることで全体の完成度が高まるという意の格言である。糸や編み機だけでなく、綿から製作する「ライディングハイ」のプロダクトはまさにそれだ。そして、細部にまで気を配らなければならないのは、モノづくりだけではなく装いにおいても同じ。メガネと帽子を身につけることで顔周りの...

上野・アメ横の老舗、中田商店のオリジナル革ジャン「モーガン・メンフィスベル」の凄み。

  • 2025.12.04

ミリタリーの老舗、中田商店が手掛けるオリジナルブランド、「MORGAN MEMPHIS BELLE(モーガン・メンフィスベル)」。その新作の情報が届いたぞ。定番のアメリカ軍のフライトジャケットから、ユーロミリタリーまで、レザーラバー垂涎のモデルをラインナップしているのだ。今回は、そんな新作を見ていこ...

Pick Up おすすめ記事

着用者にさりげなく“スタイル”をもたらす、“機能美”が凝縮された「アイヴァン 7285」のメガネ

  • 2025.11.21

技巧的かつ理にかなった意匠には、自然とデザインとしての美しさが宿る。「アイヴァン 7285」のアイウエアは、そんな“機能美”が小さな1本に凝縮されており着用者にさりげなくも揺るぎのないスタイルをもたらす。 “着るメガネ”の真骨頂はアイヴァン 7285の機能に宿る シンプリシティのなかに宿るディテール...

【連載】ビートルズのことを考えない日は一日もなかった

  • 2024.02.05

80年代、私的ビートルズ物語。 ビートルズ研究と収集に勤しむビートルデイズを始めて早44年(Since1980)。 なにをするにもビートルズが基準だった『昭和40年男』編集長のビートルズ史を、 当時の出来事とともに振り返ります。

グラブレザーと、街を歩く。グラブメーカーが作るバッグブランドに注目だ

  • 2025.11.14

野球グローブのOEMメーカーでもあるバッグブランドTRION(トライオン)。グローブづくりで培った革の知見と技術を核に、バッグ業界の常識にとらわれないものづくりを貫く。定番の「PANEL」シリーズは、プロ用グラブの製造過程で生じる、耐久性と柔軟性を兼ね備えたグラブレザーの余り革をアップサイクルし、パ...

2025年秋冬、「ジェラード」から厳選されたヴィンテージモチーフが息づく至高のコレクションが到来!!

  • 2025.12.12

2025年秋冬、ジェラードらしいネイティブアメリカン、ミリタリー、クラシックなワークウエアなど、厳選されたヴィンテージモチーフが息づく至高のコレクションが到来。Lightningがその中からおすすめアイテムを厳選して紹介する。 Salem Coat [Lot No_AG12420] 6年ぶりのリリー...

上野・アメ横の老舗、中田商店のオリジナル革ジャン「モーガン・メンフィスベル」の凄み。

  • 2025.12.04

ミリタリーの老舗、中田商店が手掛けるオリジナルブランド、「MORGAN MEMPHIS BELLE(モーガン・メンフィスベル)」。その新作の情報が届いたぞ。定番のアメリカ軍のフライトジャケットから、ユーロミリタリーまで、レザーラバー垂涎のモデルをラインナップしているのだ。今回は、そんな新作を見ていこ...