粋なトラッド好きは、下北沢で創業36年の老舗「バッドナイス」に通う

  • 2023.10.16

トラッドを志向する者ならば、装いだけでなく普段の生活からトラッドにいきたいもの。そのためにまずは、ちょっぴり背筋が伸びる「粋」を感じる場所へと足を運んでみよう。真のトラッド愛好家は、服や靴と等しく髪型にも神経を配るもの。自らの理想を具現化する時、彼らが一様に頼るのがバーバーだ。「ファイブワン 銀座本店」店長の泉敬人さんと「メーカーズシャツ鎌倉 丸の内店」店長の庄子晃功さん、この異世界へ足繁く通うふたりのトラッド好きと「バッドナイス」スタッフの馬場さんの対話から、その理由を探る。

バーバーじゃないといけない理由

 庄子さんがバッドナイスさんに通い始めたのっていつ頃からですか?

庄子 2〜3年前ですね。

 じゃあ僕と同じくらいなんですね。僕の場合は今の家に引っ越した時、新しいバーバーを探した結果、周りのトラッド好きが結構切ってもらってたこともあって行き着いた感じです。庄子さんはなぜここに?

庄子 実はここの他にも色々なバーバーを試してみたことがあったんです。まずクルーカットにしたかったから、刈り上げが必須。そうなると美容室よりは断然バーバーの方が信頼感があるなと。

 分かります。勝手な印象なんですけど、美容室のバリカンって、なんだか元気がない(苦笑)。

馬場 うちもそうなんですけど、バーバーのほうがよりパワーのあるバリカンを使ってるお店が多いと思います。

庄子 泉さんの印象は正しかったんですね(笑)。でもバリカンのパワーはさておき、バーバーもバーバーでお店によってスタイルが違うから、行きつけを決めるためにほうぼう試してみたんです。

 そうしたらバッドナイスが一番しっくりきたと。

庄子 こんなこと言うと生意気なんですけど、初回で100点叩き出すなんて不可能じゃないですか。でも初めてここに来た時は、点数を度外視して感動しちゃったんです。カット、マッサージ、シェービングでこの価格とクオリティは最高だなって。ここなら10回通って担当してくれる人との関係性を深めれば、絶対に自分の理想像を導き出せるし、そうしたいなと。

 絶賛ですね。

馬場 担当は僕じゃないんですけど(笑)、凄く光栄です。たしか庄子さんは初めて来られた時も、きっちりとスーツを着ていましたよね。

庄子 仕事場でどうみられるかが大事だったら、その格好で行かなきゃって。

馬場 やっぱりひと口にクルーカットと言っても微妙にテイストが異なりますし、服装でイメージを掴ませるのは大事かもしれません。最近だと“こんな感じで”と、スマホで写真を見せてくださるお客様が多いんですけど、考えてみれば僕も無意識に服装なんかの相性も考慮して仕上げを変えてるような気がします。

 そうすると自分の着用頻度の高い服のイメージを伝えた方がいいのかもしれないんですけど、僕は好きなジャンルが散らかっちゃってるから、毎回バラバラな服装で来ちゃう。スーツもシャカシャカのナイキのズボンも隔てなく好きなので(笑)。だからセット次第でオンでもオフでも、どんな服装にも合うようにって、わがままなオーダーをさせてもらってます(苦笑)。

馬場 今ではもう大体“いつもの”みたいな感じで任せていただいちゃってますよね。

 僕らも接客業だから分かるんですけど、1ラリーでお客様の要望に100%応えることは難しいじゃないですか。でもいいバーバーさんって、信頼関係を築くまでの速度が速い気がします。仕事ぶりを見てたら惚れ惚れする。

庄子 それ分かるなぁ。皆さん職人ですよね。だからこそ僕はこの独特の空間に来ると、心まで整う。職業柄なかなか連休がとれないから、一日のオフでリフレッシュする必要があるんですけど、手早く、かつ質の高い作業をしてくれるバーバーはかなりありがたい存在なんです。映画にしろなんにしろ、リフレッシュしようと思ったら大抵もっと時間かかるじゃないですか。自分にとっては一番早くスイッチをオフにして、リフレッシュできるのがバーバー。なくてはならない空間ですね。

BAD-NICEにはトラッド好きが集まる

左:代表/新井錠ニさん、右:スタッフ/馬場吉崇さん

まだ今ほどヴィンテージテイストのバーバーが多くなかった1987年、古着の聖地・下北沢で創業。服との相性を考慮したスタイリングに定評あり。カット+シェービング+シャンプー5800円。

【人気のヘアスタイル①】汎用性の高いサイドパート

「ファイブワン 銀座本店」店長・泉敬人さん|1964年に創業した老舗オーダースーツ店に勤めながら、カジュアルも隔てなく愛す、真性の服好き

トップをどう撫で付けるかによって印象がガラリと変わるサイドパートは、幅広いジャンルの服装を好む泉さんにとって理想のスタイル。「かなり短く刈り上げているので、必ず3週間〜月1ペースで訪れてます」

【人気のヘアスタイル②】スーツに合うクルーカット

「メーカーズシャツ鎌倉 丸の内店」店長・庄子晃功さん|高校3年時からトラッドひと筋。大学にもブレザーで通い、同社の先輩の目に留まったことが入社の契機に

精悍なスーツスタイルを好むからこそ、極端に短く刈り上げすぎないユルめのクルーカットで、柔和な雰囲気に。「頭のテッペンからつま先まで決めずに、抜くところは抜く。バッドナイスはその塩梅が絶妙です」

【人気のヘアスタイル③】カジュアルトラッドもお任せあれ!

カジュアル派からも信頼が厚いことこそ、同店の実力の証。アメカジ、ストリート、アウトドアと、どんな服のテイストとも調和させられるスタイリング術を有しているバーバーこそが、服好きの行きつけとしては最適なのかも。

「ユーソニアングッズストア」スタッフ・手塚章吾さん|各国のトラッドな名品が集うセレクトショップに勤めながら、オフの日は登山などのアウトドアアクティビティに熱中する趣味人

ここ最近登山にハマっているという手塚さん。

「山に登る時は大抵髪を結えるので、ある程度長さは残しておきたい。かつ固く見えすぎるとカジュアルとは馴染まないので、分け目もキッチリしたくない。そんな無茶な要求も、馬場さんは完璧に答えてくれるんです」

【DATA】
バッドナイス
東京都世田谷区北沢2-37-16 林ビル1F
TEL03-3465-5004
営業/10:00~20:00
休み/月曜、第1、3火曜
https://bad-nice.net

※情報は取材当時のものです。現在取り扱っていない場合があります。

(出典/「2nd 2023年11月号 Vol.199」

LiLiCo

昭和45年女

人生を自分から楽しくするプロフェッショナル

LiLiCo

松島親方

CLUTCH Magazine, Lightning, 2nd(セカンド)

買い物番長

松島親方

モヒカン小川

Lightning, CLUTCH Magazine

革ジャンの伝道師

モヒカン小川

ランボルギーニ三浦

Lightning, CLUTCH Magazine

ヴィンテージ古着の目利き

ランボルギーニ三浦

ラーメン小池

Lightning

アメリカンカルチャー仕事人

ラーメン小池

上田カズキ

2nd(セカンド)

アメリカントラッド命

上田カズキ

パピー高野

2nd(セカンド)

断然革靴派

パピー高野

村上タクタ

ThunderVolt

おせっかいデジタル案内人

村上タクタ

竹部吉晃

昭和40年男, 昭和45年女

ビートルデイズな編集長

竹部吉晃

清水茂樹

趣味の文具箱

編集長兼文具バカ

清水茂樹

中川原 勝也

Dig-it

民俗と地域文化の案内人

中川原 勝也

金丸公貴

昭和50年男

スタンダードな昭和49年男

金丸公貴

岡部隆志

英国在住ファッション特派員

岡部隆志

おすぎ村

2nd(セカンド), Lightning, CLUTCH Magazine

ブランドディレクター

おすぎ村

2nd 編集部

2nd(セカンド)

休日服を楽しむためのマガジン

2nd 編集部

CLUTCH Magazine 編集部

CLUTCH Magazine

世界基準のカルチャーマガジン

CLUTCH Magazine 編集部

趣味の文具箱 編集部

趣味の文具箱

文房具の魅力を伝える季刊誌

趣味の文具箱 編集部

タンデムスタイル編集部

Dig-it

初心者にも優しいバイクの指南書

タンデムスタイル編集部

CLUB HARLEY 編集部

Dig-it, CLUB HARLEY

ハーレー好きのためのマガジン

CLUB HARLEY 編集部

昭和40年男 編集部

昭和40年男

1965年生まれの男たちのバイブル

昭和40年男 編集部

昭和45年女 編集部

昭和45年女

“昭和カルチャー”偏愛雑誌女子版

昭和45年女 編集部

昭和50年男 編集部

昭和50年男

昭和50年生まれの男性向け年齢限定マガジン

昭和50年男 編集部