ゆるぎない歴史の上でこそ活かされる様々な一手。
技術、デザインどちらにおいても圧倒的なレベルで世界をリードする日本のファッションアイウエアシーン。その発端といわれているのが、1972年設立のアイヴァンである。
それまでメガネは単なる視力矯正器具としか捉えられていなかったが、「これからメガネはTPOに合わせて着替えるものになる」と、当時アイビーブームで一世を風靡していたヴァンヂャケットと手を組むことで同ブランドが誕生した。
その先見は見事に的中。完全にファッションへと舵を切った先鋭的なビジュアル宣伝も功を奏して、メガネを装飾品として楽しむ潮流を見事作り出したのだった。
いまでは、5つのブランドへと派生し、さらに幅広いTPOに向けたプロダクトを提案するアイヴァンブランド。そのなかでも服好きから信頼を集める「アイヴァン 7285」と「アイヴァン」は、どちらも往年のアーカイブやクラシックな名作アイウエアをデザインソースとしながら、全く異なるコンセプトを持たせることで、“似て非なる”存在価値を浮き彫りにしている。
本家の名を継承する「アイヴァン」はよりヘリテージな意匠を重んじるモデルが際立ったコレクションとなった。特に今季注目となるのが、新作のサーモントブロウタイプ。同ブランドの80年代に存在したアーカイブを継承したデザインはあえて現代的にアレンジを加えず、そのまま表現していることに、アメリカントラッドファンは大いに共感する。
掛け心地をよくするためのテンプルの形状の修正や、メタル部分をチタン素材に変更するなどの最低限のアップデートがアイヴァンならではのこだわりなのだ。今回は「アイヴァン」をピックアップして紹介する。
EYEVAN
1972年設立の日本初となるファッションアイウエアブランドの名を冠し、2018年にリブランディングを経て再始動。自社アーカイブを見直し、現代的なアレンジは極力抑え、あえてクラシックを重んじる姿勢にアメトラ派はより強いシンパシーを感じる。
【問い合わせ】
EYEVAN Tokyo Gallery
東京都港区南青山5-13-2
TEL03-3409-1972
営業/11:00 〜20:00
休み/火曜
https://eyevaneyewear.com/
(出典/「2nd 2023年9月号 Vol.198」)
Photo/Ryota Yukitake Styling /Shogo YoshimuraText /Kazuki Ueda Hair&Make/Miho Emori
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