アイビースタイルの総本山「J.プレス」はいまもイエールとともに。

1980年に発行された『オフィシャル・プレッピー・ハンドブック』(リサ・バーンバック著)に掲載されている”プレッピーたちが通うべき17の衣料品店”。その中で40年以上が経っても変わらず営業を続けられている、プレッピーたちに愛され続ける店の一つ「J.プレス」。テーラードとカジュアルの2フロアで構成されているアイビーの総本山ともいわれる本店を訪れた。

▼プレッピーってそもそもなんだ?

プレッピースタイルとは? 誕生から現在に至るまでその歴史を振り返ろう。

プレッピースタイルとは? 誕生から現在に至るまでその歴史を振り返ろう。

2025年07月09日

世代を超え受け継がれるIVYの神髄をここにみる。

創業以来、同地に旗艦店を構えるも何度かの移転を経て現在の場所に落ち着いたのは2015年。400平方メートルの広々とした店内はテーラードとカジュアルの2フロアで構成されている

ニューヨークとボストンの間に位置するコネチカット州ニューヘイブンで、1902年に創業したJ.プレス。同地にはアイビーリーグの一角を担うイエール大学があるため、学生たちがスーツを仕立てるのは当然Jプレスと決まっていた。

このように一世紀以上、特定のアイビーリーグ校とテーラーが二人三脚で歩んできた例は他にない。アメトラの名門と呼ばれるブランドは数あれど、ここまでアイビーに根差したのはやはりJ.プレスを置いて他にないだろう。

この旗艦店に関して書籍『オフィシャル・プレッピー・ハンドブック』にはこう記されている。「ブルックスブラザーズは流行を追いすぎると嫌悪感をもよおすという超保守派的な頭の堅い人たちに、この店は1902年以来ずっと支持されている」と。

80年当時のプレッピー派にとってはややお堅い印象だったようだが、現在の旗艦店はあの頃よりずっとプレッピーだ。

まず目につくのは色とりどりのマドラスチェックやカラーセーター。アメリカ本国のみで展開される「ヘリテージライン」のもので生産背景にこだわったアメリカや英国製で構成されている。2階には王道のテーラードクロージングが厳かに並び、傍らでは勤続50年を超えるベテランテーラーがミシンを踏む小気味いい音が流れる。

長い歴史を物語るようなショップの名物テーラー、ジョーさんは御年86歳ながらいまだに現役でミシンを踏む。Jプレスひと筋50年のベテランテーラーだ。数々の著名な政治家や文化人のスーツも彼が仕立ててきたのかも

意外にもスタッフには20代前半の若者が多く、トラッドが本当に好きそうだ。そんな若者に恐らくイエールの卒業生なのだろう老紳士が夏物を求めてオススメを聞いていたりする。これぞ世代を超えて受け継がれるアイビーの総本山。その一片を垣間見た。

大学を卒業してもこの店の顧客として足繁く通う老紳士たちは少なくない。旗艦店の一番人気商品を聞いたところ、やはりアイコンである胸ポケットにフラップのついたオックスフォードBDシャツだという

由緒正しき生産背景や素材、ディテールにこだわったアメリカ本国の「ヘリテージライン」。バリエーション豊富なマドラスチェックのシャツやトラウザーズはアメリカ製。コットンセーターはスコットランド製で揃えられており、正統なプレッピーアイテムも充実の品揃え

キャンパスはまさに 目と鼻の先!

旗艦店の目の前にはアイビーリーグを代表するイエール大学のキャンパスがある。大学の規則から学生はキャンパスの近くに宿を持つ必要があり、街はイエール大生が行き交っていた。

ようこそアイビーリーグの聖地へ。

その昔、ここはコーヒーショップでした!

同地には58年間営業していた「ヤンキー・ドゥードル」というコーヒーショップが存在した。J.プレスと同じく学生たちに愛された小さな食堂に敬意を表して本店限定でロゴ入りグッズが販売されている。

階段を上がるとひとたび重厚な雰囲気が漂う2階フロアではテーラードクロージングを扱う。オーダースーツのオーダーも可能だ。

【DATA】
J.PRESS(J.プレス)
262 Elm St, New Haven,CONNECTICUT
TEL203-772-1310
営業/9:30〜18:00
休み/日曜

学生たちの胃袋を満たして50年。プレッピー・ハンドブックにも載ってる「YORKSIDE PIZZA & RESTAURANT」。

ニューイングランド名物クラム(あさり)のピザ!

スタッフも常連のピザ店は壁一面イエール関連の写真。なかには卒業生の元アメリカ大統領ジョージ・H・W・ブッシュも。しかもオーナーに聞いたら『プレッピー・ハンドブック』にもリストアップされてるってビックリ!!

【DATA】
YORKSIDE PIZZA & RESTAURANT
288 York St, New Haven
TEL203-787-7471
営業/11:00〜22:00(金土〜23:00)
休み/無休

※情報は取材当時のものです。現在取り扱っていない場合があります。

(出典/「2nd 2023年8月号 Vol.197」)

この記事を書いた人
パピー高野
この記事を書いた人

パピー高野

断然革靴派

長崎県出身、シティーボーイに憧れ上京。編集部に入ってから服好き精神に火がつき、たまの散財が生きがいに。いろんなスタイルに挑戦したい雑食タイプで、ヨーロッパからアメリカものまで幅広く好む。家の近所にある大盛カレーショップの名を、あだ名として拝借。
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

時間を重ねて、ヴィンテージになる。「RAGGY CLOTHING」の何年先も、格好いいと思える服

  • 2026.10.02

時代が変わっても、色褪せない格好よさがある。「ラギークロージング」が大切にするのは、流行に左右されない普遍的さ。アメリカンカジュアルの王道を、いまの時代に自然に着られる1着へと仕立てる。 旧きよき服を現代の日常に アメリカンカジュアルの王道を見つめながら、現代の日常に馴染む服を作る「ラギークロージン...

憧れのアメリカンハウスに住む! 「SUNNY SPOT」の家づくりを徹底解剖

  • 2026.10.09

福岡・沖縄を拠点にアメリカンな家を作り続ける「サニースポット」。住む人のライフスタイル考慮しつつイメージする憧れの生活を実現する、そんなこだわりの家を手に入れたお宅を訪問! 広い土地を贅沢に使う、カリフォルニア風の平屋[ 石川邸 ] もともとアメリカンなものが好きだったという石川さん。家を作るに当た...

「FIRST ARROW’s」秋の銀祭り。

  • 2026.10.10

ようやく暑さも和らいでオシャレが楽しめる秋の到来とともに、ファーストアローズから届いたこの秋にオススメのアイテムがコチラ。稲妻を模した「ライトニング」シリーズから定番品まで、お気に入りのアイテムとともに更なるスタイルアップを目指せ! Pendant メインとなるモチーフのチョイスはもちろん、単品なの...

Why Banana Republic? 2nd編集部イチ押し「バナナ・リパブリック」アイテムと、ブランドの魅力を徹底解説

  • 2026.09.16

1978年にアメリカ・カリフォルニア州で創業したバナナ・リパブリック。クラシックとモダンが共存する唯一無二のスタイルや歴史を紐解くことで、我々が彼らのプロダクトを手に取るべき“理由”が見えてくる。(記事をご覧いただいた方への特典を最後に紹介しています) [caption id="attachment...

今季ワードローブに加えたいアイテムを厳選紹介! 「EIGHT-G」で秋支度。

  • 2026.10.04

秋の装いが楽しくなる季節。ミリタリーやワークといったアメリカ由来の実用服をベースに、素材やディテールへこだわりを詰め込んだエイトジーの新作から今季のワードローブに加えたいアイテムをピックアップ。 (右)ジャケット110,000円(TMJ2615)、シャツ23,100円(8LS-81)、ジーンズ24,...

Pick Up おすすめ記事

労働者やアウトドアマンに愛された実用服。「ウエアハウス」のフランネルシャツ

  • 2026.10.02

ミクロレベルまで研究し、古着と見間違うほどのプロダクツを現代に蘇らせるウエアハウス。当時の生産技術や時代背景までも丁寧に掘り下げられて完成した服は、限りなくヴィンテージに近い存在だ。そんな彼らが生み出す服こそ、オーセンティックと呼ぶにふさわしい。 糸そのものから再現し旧式の織り機を用いて製作 フラン...

時間を重ねて、ヴィンテージになる。「RAGGY CLOTHING」の何年先も、格好いいと思える服

  • 2026.10.02

時代が変わっても、色褪せない格好よさがある。「ラギークロージング」が大切にするのは、流行に左右されない普遍的さ。アメリカンカジュアルの王道を、いまの時代に自然に着られる1着へと仕立てる。 旧きよき服を現代の日常に アメリカンカジュアルの王道を見つめながら、現代の日常に馴染む服を作る「ラギークロージン...

歴史に残る空軍服を、いま再び。機能美が息づく「中田商店」のモーガンメンフィスベル

  • 2026.10.02

メンフィス・ベル号の機長、ロバート・K・モーガン氏との交流から始まったモーガンメンフィスベルは第二次世界大戦期の空を支えたフライトウエアを現代に蘇らせる中田商店のオリジナルブランド。極限の環境で求められた機能と、色褪せない完成されたデザインが魅力の航空服を紹介する。 R.A.F. Irvin She...

TRUE SWEATWEAR, MADE IN JAPAN. “未来のヴィンテージ”となる究極のスウェット。

  • 2026.09.29

スウェットやTシャツを中心に、高品質なプロダクトを創り続けるジャパンブランド「RIDING HIGH」。生地や糸より前の“綿”から開発するなど、徹底的なモノづくりの姿勢は国内外で高い評価を獲得している。そんな彼らが生み出すプロダクトは、すべてメイド・イン・ジャパンである。 [caption id="...

無垢の金属、輝く伝統。純金や純プラチナを使った「市松」の究極の逸品

  • 2026.09.25

純金や純プラチナなど、純度100%の軟らかい金属をアクセサリーにするためには非常に高い技術が必要だ。それを可能にするのが「市松」。約30年にわたって培った“叩く”技術が可能にする唯一無二のリングの輝きに迫る。 熟練の技なくしては完成しない究極の逸品 原材料高騰の影響もあって、希少性が高まっている純金...