1.「Willis Geiger × BEAMS PLUS(ウィリス & ガイガー × ビームス プラス)」のシャツ&ショーツ。
北極探検家が1902年に立ち上げた本格アウトドアブランド「ウィリス&ガイガー」。そのファンは多く、本丸が消滅して20年以上経った今も再生プロジェクトが絶えない。今季で4度目となるビームス プラスとの協業では、高密度のブッシュポプリン製シャツ&ショーツが登場した。ドライタッチと優れた撥水性は、アフリカのブッシュライフを想定したサバイバル仕様。自然へ抱くロマンは、当時のままだ。シャツ8万5800万円、ショーツ4万6200万円(ビームス プラス 原宿TEL03-3746-5851)
2.「ENGINEERED GARMENTS × K-SWISS(エンジニアド ガーメンツ × ケースイス)」のスニーカー。
サイドの5本ラインがアイコニック。世界初のレザー製テニスシューズを手掛けたというブランドの傑作らしく、革の使い方も堂々たるものだ。でも、何かが違う。心地いい違和感の正体は、スエードとスムースレザーの切り替えアッパーだ。しかも、ハトメの形状まで両サイドでチェンジ。その間に居座るワンタッチ式のシューレースストッパーはモダンかつアウトドアな雰囲気で、アクティブな気分にさせる。1万9800円(エンジニアド ガーメンツTEL03-6419-1798)
3.「BATONER(バトナー)」のニットTシャツ。
このニットTシャツの生地、なんと1日で4着分しか作れないんだとか。日本に数台しか現存しない横編み機で、超細番手のコットン強撚糸を超ハイゲージに編み上げ。超ばかりで超恐縮だけど、それだけ超貴重なのである。スムース編みゆえ生地のキックバックも抜群で、きれいなシルエットと素材感がヘタりにくいのもありがたい。豊富なカラバリの色ち買いは当然、秋冬のインナー着用を見込んだ“サイズち買い”だって推奨。1万9800円(バトナーTEL03-6434-7007)
4.「Yonetomi(ヨネトミ)」のコットンベスト。
1952年創業のニットメーカー「米富繊維」のオリジナルブランド。彼らのデザインは決して多くを語らない。着ればきっと、素晴らしさが伝わると信じているから。清潔感があるパリッとした表情ながら、触れるとしっとり柔らかいという嬉しい矛盾。上質なシーアイランドコットンの強撚糸を度詰めで編み上げて、上品な光沢も備えた。ネック、袖、裾のリブは絶妙なボリューム。自宅で手洗いできるのも、すごくいいよね。3万5200円(米富繊維TEL023-664-8166)
5.「SH × J.PRESS ORIGINALS(エスエイチ × J.プレス オリジナルス)」のシャツ。
控えめで誠実で、爽やか。白より汚れが気にならず、洗いざらしも格好いい。ブルーシャツってまるで、懐が深い大人のようだ。シャツの頭文字から名前をとったブランドを展開するパリ在住の“ファッションインプルーバー” 関隼平さんも、その魅力を熟知。ボタンまで青で統一し、気の利いたドレスシャツを仕立てた。ポケットのフラップを開くと「S.H」のイニシャル的刺繍が覗く、小粋な遊びにも心惹かれる。2万9700円(J.プレス & サンズ 青山TEL03-6805-0315)
6.「Paraboot(パラブーツ)」のサンダル。
革靴とスニーカーのいいとこ取り。上品な見た目と快適な履き心地を両立するパラブーツは、そんな表現で褒め称えられることが多い。そこに、サンダルの持つ気軽さまで加えてしまったのがこちら。前から見ればシンプルなスエードシングルモンク、でもヒールはワンストラップの楽ちん仕様という心弾むキメラデザインだ。フットベッドはふかふかで、お得意のスポーツソールは歩行性抜群。はい、無敵。4万4000円(パラブーツ青山店TEL03-5766-6688)
7.「CORDINGS(コーディングス)」のシャツ。
ジメ&ムシな気候は、待ちわびた夏の開放的ムードに文字通り水をさしてしまいがち。となれば、爽快なリネンシャツという解決策を用意しておこう。ドライな質感、優れた通気性は言わずもがな、絶妙な透け感ある色味、自然なシワがこなれたサマーユニフォームとして機能する。しかもこのシャツは差し込み式の襟芯を採用し、TPOに合わせて襟元の印象チェンジが可能に。そんな、いとしのエリーにも首ったけ、ってことで。2万3100円(真下商事TEL03-6412-7081)
8.「S.E.H KELLY(S.E.H ケリー)」のコットンニット。
先に言っておくが、お値段は10万円を超える。ただ、この柔らかな手編みコットンニットにはそれだけの価値がある。パーツごとに細かく計算されたフルファッションニットを、熟練のニッターが手動編み機で構築。ボディをタックステッチで、袖をプレーンステッチで編み分けて、上着を羽織った際にもスムーズな腕周りを叶える。前立てのボタンはすべて天然の一点モノ。まさしく一生モノの大業物だ。10万7800円(マッハ55リミテッドTEL03-5846-9535)
9.「WALSH(ウォルシュ)」のレザースニーカー。
レザースニーカーは数あれど、英国スタイルにここまでハマる1足は珍しいと思う。現在も英国内で製造する老舗のこだわりが、上品で深みあるデザインに凝縮。’80年代にリリースされたラストの細いロードレース用シューズをベースに、同色のスエードとスムースレザーを巧みに使い分けてシンプルモダンに昇華させた。高品質へのあふれ出る自信を代弁するような、ヒールカウンターの金ロゴにも注目されたし。3万9600円(カメイ・プロアクトTEL03-6450-1515)
10.「FilMelange × LOFTMAN(フィルメランジェ × ロフトマン)」のTシャツ。
どんなTシャツを着るかで、その人のセンスそのものが問われる。ファッション的夏の魔物とでも言うべき状況に、きっと今年も出くわすだろう。でも大丈夫。これさえあれば。ムラ感のある古着ライクな普遍的ビジュアルと、広い身幅&短い丈の現代的パターンが同居。柔らかな肌触りはヤミツキ必至で、リサイクルコットン「オーガニック ラフィー」を使うアップサイクルな背景にも説得力が宿る。1万3200円(ロフトマンコープ 梅田 TEL06-6371-5881)
※情報は取材当時のものです。現在取り扱っていない場合があります。
(出典/「2nd 2023年7月号 Vol.196」)
Photo/Norihito Suzuki Styling/Shogo Yoshimura Text/Naoki Masuyama
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