洋服を知るなら賢人に聞くのが近道。
原宿にレジェンドと呼ばれるショップスタッフがいる。八木沢博幸さんだ。80年代からアメトラ、古着、ストリート、ファストファッションとあらゆる動向を最前列で見届けてきたアパレル界の生き証人。多くのベテランスタイリストやデザイナーたちから慕われ、開店から43年経った今なお店頭に立ち続けている。
彼がいるお店こそ、原宿キャシディ。セロやバリーブリッケンなどの米国ものに、セントジェームス、ジョンスメドレーといったヨーロッパの名門を取り扱い、今の空気を纏ったオリジナルも好評。エンジニアド ガーメンツをはじめとする人気ブランドも押さえてある。
その魅力や着こなし、さらには縮み、捻れといったクセまで、八木沢さんが丁寧に教えてくれるのだ。ネット上では決して知ることのできないトークは、きっと驚きと楽しさに満ちている。
「原宿キャシディ」おすすめアイテムを厳選紹介!
1.アイクベーハー
「もともとラルフローレンのシャツのOEMも手掛けていたほどですからシャツは得意。キューバで仕立屋を営んでいた父親の影響もあったようですね。今ならカーゴパンツと合わせたいところです」(八木沢さん)
2.キャシディ ホームグロウン
「夏素材のシアサッカー生地は、英国の植民地だったインドにて英国軍が愛用していたことでも知られますが、コードレーンもその類。気負わずに着られるのでサラッとサンダルと合わせてみては?」(八木沢さん)
3.エンジニアドガーメンツ
「ハードさと可愛らしさをうまいバランスで表現されています。背面にゲームポケットもあってハンティング的要素も感じさせる。コードレーンのジャケットや白Tの上からサラッと羽織ると格好いいと思います」(八木沢さん)
4.キャシディ ホームグロウン
「ミリタリーウォッチのような文字盤とフォントは、ダートマス大をイメージしました。視認性の観点から野球のフェンスや学校の黒板などで採用されている深みのあるグリーンを取り入れています」(八木沢さん)
5.フラカップ
「登山靴も作っているイタリアの老舗。良質な革を安く調達できるようでそれも強みです。そこまでツヤっぽくないですからアメカジの足元にもぴったり。ただ、意外にサンダルは出回ってないんですよ」(八木沢さん)
【DATA】
原宿キャシディ
東京都渋谷区神宮前6-6-4
TEL03-3406-3070
営業/11:00~20:00
休み/不定休
アクセス/明治神宮前<原宿>駅4番出口より徒歩5分
※情報は取材当時のものです。現在取り扱っていない場合があります。
(出典/「2nd 2023年6月号 Vol.195」)
Photo/Norihito Suzuki(P116-117) Text/Ryo Kikuchi