1.「chausser(ショセ)」のボタンサンダル。
以前に発表されて話題を呼んだボタンブーツ、そのサンダルバージョンが登場した。着脱時に専用の金具が必要だった件のブーツとは打って変わり、解放的なデザインに変貌。一枚革のアッパーとビブラム8327ソールを用いて、軽快な履き心地も追求した。かたや、バケッタレザーを使うことで経年変化の期待値はブーツに負けず劣らず。いいとこ取りの逸品を、新年度の靴棚にぜひ。4万4000円(ショセ ル コアンTEL03-5734-1633)
2.「Munsingwear × BEAMS PLUS(マンシングウェア × ビームスプラス)」のポロ。
クラシカルなポロは抗いがたく妖しい魅力を放ち、その魅力はひと言で示しにくい。ドライ&ヘビーなUSAコットンボディ、スイングを邪魔しない右ポケット仕様、襟のバタつきを抑えるバックボタンはどれも実用的。1950年代のペンギンロゴと、当時のセールスマンが使用したスワッチから選ばれたカラー展開は趣深い。そして、それらをブレンドした往年の空気を今の気分のリラックスフィットで味わう愉悦。ありがたや。各1万7380円(ビームス プラス 原宿TEL 03-3746-5851)
3.「OLD JOE(オールドジョー)」のジャケット。
着ればきっと納得。使い勝手のいい服とは、まさしくこんな1着を指すんだろう。ミッドセンチュリー期のフィールドウェアを意識したハーフレングスで、絶妙に裾が広がったAラインシルエット。ユニークな形状のラペルを折り返せば、立ち襟のブルゾンタイプにも変形する。ウエストの大きなフラップポケットは、別口のハンドウォーマーも装備。袖の内側にはウインドストッパーまで備え、季節外れの寒風を防いでくれる。8万6900円(オールドジョー フラッグシップストアTEL03-5738-7292)
4.「AUBERGE × ARKnets(オーベルジュ × アークネッツ)」のサンダル。
かつて仏軍が履いたフレンチグルカを元ネタに、重厚なソールデザインをプラス。フットベッドには凹凸のあしらいを加え、よりシューズらしいビジュアルを実現した。そんなオーベルジュの新作[ボナパルト]を、きめ細やかなスムースレザーで衣替え。艶やかなブラックは潔くクリーンで、モードな色気も放出する。ソックスを合わせれば、秋冬まで活躍しそう。8万4700円(アークネッツTEL028-634-1212)
5.「CONFECT(コンフェクト)」のシャツ。
一見、シンプルなグレーシャツ。ただ、細部を注視すればその評価は一変する。まずはカフスレスの七部袖。そこには繊細な幾何学模様のインド刺繍が施され、ミニマルなボディと絶妙なコントラストを描く。さらにシャツ全体を顔料染めでオーバーダイすることで、ナチュラルな麻の風合いにムラ感をプラス。天然素材にこだわるブランドらしい、優しくユニークな技に心奪われる。2万4200円(コンフェクト表参道TEL03-6438-0717)
6.「AQUAROCK(アクアロック)」のジャケット。
このニューブランドは、ただの新顔ではない。1927年に創業した英国ブランドを祖先とする、血統書付きだ。かつては英国軍の制服を手掛けただけあり、新作にも武骨さと品格が同居。60年代のアイテムに範を取りつつ、モダンな意匠&シルエットメイクが施される。そのうえ、すべて「マスターパターン」なるワンサイズ展開。面白い! 右1万8700円、中4万2900円、左1万9800円(すべてホームステッド リミテッドTEL03-6455-4460)
7.「INDIVIDUALIZED SHIRTS × MAIDENS SHOP(インディビジュアライズド シャツ×メイデンズ ショップ)」のシャツ。
Tシャツのように気負いなく、軽やかなシャツを纏う。この春、そんな大人を目指してみてはいかがか。頼るべきは、配色と手触りが抜群に気持ちいいリネン100%のこんなデザイン。洗いざらしでも調子良く羽織れるから、ズボラな人にも優しい。上半分だけボタンが付くプルオーバーもポイント。どうやらグランパシャツと呼ばれる類らしいが、確かにおじいちゃん的愛嬌、親しみを感じる。各3万5200円(メイデンズ ショップTEL03-5410-6686)
8.「ALDEN × LOFTMAN(オールデン×ロフトマン)」のスリッポン。
ゴアタイプのスリッポン。着脱が極めて楽な今作は、日常的に履きたくなるオールデンの決定版と言えるだろう。そこにさらなる説得力をもたらすのが、オイルをたっぷり含んだユティカレザーの存在だ。むっちり&もっちりとしたグラマラスな質感は、水濡れへの強さを暗示。ウォーターロックソール、ストームウェルトといった耐水性の高い要素と組み合わさることで、最強のデイリーシューズと相成った。11万6600円(ロフトマンコープ 梅田TEL06-6371-5881)
9.「:colon(コロン)」のシャツ。
2022年のデビューから絶好調をキープする新鋭、コロン。その代名詞ともなったプリーツ入りのシャツが、大胆なアップデートを遂げた。なんと、従来の倍となる左右計4本のプリーツをフロントに配置。キャッチーなデザインが品のいい小振りなスタンドカラーとマッチして、独特な雰囲気を醸し出す。ポリエステルマイクロファイバーとスーピマコットンの混合素材も、さすがの清潔感をアピール。1枚でさらっと、ゆったり着るのがよさそう。各2万6400円(エンメTEL03-6427-2261)
10.「Nigel Cabourn(ナイジェル・ケーボン)」のベースボールシャツ。
ヴィンテージを現代に蘇らせる。その手腕と情熱において、当ブランドの右に出るものはいまい。コットンツイルを使ったベースボールシャツも、まさに至極だ。いい意味でくたびれた柔らかなボディで、オリジナルモチーフが生まれた50年代の雰囲気を再現。パイピングと脇下の通気孔はネイビーで揃え、クラシカルかつ爽やかな空気を作り出した。汗止めのためのネック内部のスタンドカラーといったディテールも、確かな違いを生む。2万9700円(アウターリミッツTEL03-5413-6957)
※情報は取材当時のものです。現在取り扱っていない場合があります。
(出典/「2nd 2023年6月号 Vol.195」)
Photo/Norihito Suzuki Styling/Shogo Yoshimura Text/Naoki Masuyama
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