ツウ好みな「トレック」も歩み続けて半世紀。
1825年に創業した英国ブランド、クラークスは、1950年に製作した[デザートブーツ]、そして1966年には[ワラビー]と、立て続けにブランドのアイコンとなるシューズを製作することに成功した。
「これらに次ぐ第三のモデルを作れないか」と考えていた、創設者の直系子孫であるランス・クラークが出会ったのが、オランダで見つけた「六本指の靴」であり、それをインスピレーション源として1972年、[デザートトレック]を発売。2枚のアッパーをセンターで繋ぎ合わせ、つま先にゆとりを持たせることで、快適性を重視したこの靴は、まさに当初「Six Toe (6本指が入るほどにゆったりした靴)」と呼ばれていた。
当時のクラークス広告担当が考案した、かかと当てに描かれたトレッキングをする男性、通称「トレックマン」もキャッチーで、[デザートトレック]は瞬く間に世界で愛される定番モデルとなったのだ。
一度は廃盤となってしまったものの、クラークスジャパンと日本の某セレクトショップバイヤーによる熱烈なラブコールにより、1994年に復活。デザートトレックのムーブメントは、日本から世界各国を経て故郷・英国へと凱旋するに至ったのである。
誕生から50年、一度もその姿を変えたことのなかったトレックマンは、いまやピンと張った背筋でコーヒー片手に街を闊歩する。彼の歩む道のりは、まだまだ先が長そうだ。
【問い合わせ】
クラークスジャパン
TEL03-5411-3055
※情報は取材当時のものです。
(出典/「2nd 2022年11月号 Vol.188」)
Photo/Kenichiro Higa(Model), Norihito Suzuki Styling/Shogo Yoshimura Hair&Make/Kazuki Fujiwara Text/Shuhei Takano Model/Jeremy
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