断然革靴派の革靴コレクション拝見!<第5回>「ロフトマン」代表・木村真さん

業界きっての断然革靴派たちが数えきれないほど手にしてきた革靴のなかには、長年ともに歩んできたものもあれば、手放すことになったものもあるそんな出会いと別れのなかで研ぎ澄まされていった愛靴コレクションを紹介。今回は、数々の斬新な別注を仕掛け注目を集めてきた「ロフトマン」代表・木村真さんを取材!

大人が履くカジュアル革靴はさりげない端正さがキモ。

「ロフトマン」代表・木村真さん|高校時代の後輩が働いていた縁もあり京都の名店、ロフトマンに入社。以降ストアマネージャー、バイヤーなどを歴任。数々の斬新な別注を仕掛け注目を集める。45歳の時に社長に就任し、昨年都内に東京店もオープン

「思い返せば、これまで足元は革靴が多かったですけど、どちらかというと僕はアメカジ側の人間。手に取るものも、レッドウィング、ダナー、ラッセルなどが大半を占めます」

カジュアルな革靴を嗜好する木村さんだが、それはある考えに基づいてのこと。

「バイクで通勤している時はハイカットのブーツが主流でしたし、店頭に立っている時は履きやすいデッキシューズやチャッカブーツになる。靴はライフスタイルの合わせ鏡のようなもの。我慢して履くものではないと思っています」

今はというと、社長業に従事していることもあり歩きやすく端正にも見えるこのトリッカーズが活躍中とか。

「7年前に別注したモデル。それまで茶靴しか履いてこなかったので、その反動ですかね。表革だとパンクになっちゃうんで品よくスウェードでメダリオンも抜いてもらいました。しかも形はチャッカ型なので楽なんです」

年齢を重ね、モノトーンに興味を持ち始めた最中の英国靴。木村さんの代名詞でもあるフレンチとアメカジにもどうやらしっくりくるようだ。

大人のワガママを受け止める一足。木村さんこだわりのコレクション。

【革靴コレクション①】パラブーツ

「45歳で社長に就任し、あらゆる人とお会いする機会も増えました。アパレルのデザイナーさんやブランドのディレクターさんはもちろん、銀行マンにディベロッパーさんなどなど。カジュアルなものばかり身につけていては失礼にあたりますよね。そこで活躍するのがパラブーツのランスです。雨にも強いし、シュッとも見える。例えば、昨年の秋に別注で作らせていただいたこちら。波型のウェルトに白ステッチではどうもワーク感が抜けません。そこで、ストレートウェルトにし同色ステッチを採用しました」

【革靴コレクション②】ティンバーランド

「5年前、取引先で目にし大学時の熱狂ぶりを思い出しました。ただ、一足購入したが最後。今はもう頼りっきりです。EGの鈴木大器さんやスタイリストの長谷川昭雄さんともその話で盛り上がりました」

【革靴コレクション③】ラッセルモカシン

「クオディのモカシンのようにペタッとしたデッキスニーカーを履きたいと思って作りました。2015年の別注で、“ラッセル” はポテッとした姿がお馴染みですがこちらではヌバックで上品に仕上げました」

【革靴コレクション④】クラークス

「今では珍しいUK製のチャッカブーツ。8年ほど前に沖縄へ行った際、軍人さん向けに洋服を販売しているところがあって、そこで紐なしのこちらを見つけました。しかも、価格は驚異の6000円」

【革靴コレクション⑤】エル・エル・ビーン

「日本は高温多湿で雨も多い。となると当然革底ではしんどいですよね。しかも僕は、腰が悪いので硬めのソールが苦手なんです。その点、ビーンブーツは実に頼り甲斐のある靴。もうかれこれ20年以上の付き合いで、必ず常備。今も6足ほど所有していて、雨の日などに獅子奮迅の活躍をしてくれます」

(出典/「断然革靴派 2nd 2022年4月号増刊」)

この記事を書いた人
2nd 編集部
この記事を書いた人

2nd 編集部

休日服を楽しむためのマガジン

もっと休日服を楽しみたい! そんなコンセプトをもとに身近でリアルなオトナのファッションを提案しています。トラッド、アイビー、アメカジ、ミリタリー、古着にアウトドア、カジュアルスタイルの楽しみ方をウンチクたっぷりにお届けします。
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

【Willis & Geiger×2nd別注】ミリタリーとサファリが香るアーバンアウトドアウエア

  • 2025.09.17

これまでに、有名ブランドから新進気鋭ブランドまで幅広いコラボレーションアイテムを完全受注生産で世に送り出してきた「2nd別注」。今回もまた、渾身の別注が完成! >>購入はこちらから! 90年代のアーカイブをデザインソースに、上品さを加えてアップデート。ウールメルトンジャケット[メトロ ウォーカー] ...

Wranglerの走破性は本物か? オフロード体験会で徹底検証

  • 2025.10.03

筑波山の麓で開催されたジープのオフロード体験イベントは、ジープオーナーはもちろん、新規顧客にとってもジープの魅力を存分に感じられる特別な一日となった。専用のオフロードでラングラーならではの走破性を体感でき、オーナー同士の交流も見られた。今回は現地取材を通して、その模様と参加者のリアルな声をお届け。 ...

【BIG SMITH×2nd別注】米軍の名作バッグをデニムで再構築! 経年変化が楽しめるデニムのエプロンバッグ。

  • 2025.09.22

これまでに、有名ブランドから新進気鋭ブランドまで幅広いコラボレーションアイテムを完全受注生産で世に送り出してきた「2nd別注」。今回もまた、渾身の別注が完成! >>購入はこちらから! BIG SMITH × 2nd ワーカーズエプロンバッグ 1940年代のアメリカン・レッドクロス(米国赤十字社)が製...

シルバーをアートに変える、現代の錬金術師。

  • 2025.09.24

ネイティブアメリカンの伝統技法をベースに現代的なエッセンス、そして日本独自の繊細な美意識を加えることで唯一無二の世界観を紡ぎ出すFIRST ARROW’s。一片のシルバーの塊に命を吹き込むその様は まさに現代のアルケミスト(錬金術師)という表現が相応しい。これらの作品は貴方が身に付けることで完成する...

東洋エンタープライズがこれまでに培ったノウハウや知見の集大成「モダクト」と「タフナッツ」

  • 2025.09.19

「シュガーケーン」や「バズリクソンズ」など、ヴィンテージをベースとした生地やディテールの圧倒的な作り込みで知られる東洋エンタープライズ。そんな同社が手がけるブランド、「モダクト」と「タフナッツ」は、これまでに培ったノウハウや知見の集大成でありながらどんな日常のシーンでも使いやすい実用性を備える。映画...

Pick Up おすすめ記事

東洋エンタープライズがこれまでに培ったノウハウや知見の集大成「モダクト」と「タフナッツ」

  • 2025.09.19

「シュガーケーン」や「バズリクソンズ」など、ヴィンテージをベースとした生地やディテールの圧倒的な作り込みで知られる東洋エンタープライズ。そんな同社が手がけるブランド、「モダクト」と「タフナッツ」は、これまでに培ったノウハウや知見の集大成でありながらどんな日常のシーンでも使いやすい実用性を備える。映画...

シルバーをアートに変える、現代の錬金術師。

  • 2025.09.24

ネイティブアメリカンの伝統技法をベースに現代的なエッセンス、そして日本独自の繊細な美意識を加えることで唯一無二の世界観を紡ぎ出すFIRST ARROW’s。一片のシルバーの塊に命を吹き込むその様は まさに現代のアルケミスト(錬金術師)という表現が相応しい。これらの作品は貴方が身に付けることで完成する...

Wranglerの走破性は本物か? オフロード体験会で徹底検証

  • 2025.10.03

筑波山の麓で開催されたジープのオフロード体験イベントは、ジープオーナーはもちろん、新規顧客にとってもジープの魅力を存分に感じられる特別な一日となった。専用のオフロードでラングラーならではの走破性を体感でき、オーナー同士の交流も見られた。今回は現地取材を通して、その模様と参加者のリアルな声をお届け。 ...

【Willis & Geiger×2nd別注】ミリタリーとサファリが香るアーバンアウトドアウエア

  • 2025.09.17

これまでに、有名ブランドから新進気鋭ブランドまで幅広いコラボレーションアイテムを完全受注生産で世に送り出してきた「2nd別注」。今回もまた、渾身の別注が完成! >>購入はこちらから! 90年代のアーカイブをデザインソースに、上品さを加えてアップデート。ウールメルトンジャケット[メトロ ウォーカー] ...

デニムにする? コーデュロイにする? エドウインのトラウザーズを軸に作る「シン・トラッドスタイル」

  • 2025.09.19

ジャパニーズアイビーのボトムスは、太ももから裾まで太さが一定のパイプドステムが主流であった。対してタック入りのトラウザーズは、1920年代に登場したといわれる、よりクラシックなボトムス。そんな旧きよきトラウザーズを軸に、いつものトラッドスタイルを刷新してみてはいかがだろうか。 【右】トラウザーズ2万...