おしゃれな老眼鏡を手に入れる方法。メガネのプロに聞いてみた。

自分がオッサンになったからなのだろうか。最近「老眼鏡」という言葉をよく耳にするようになった。眼をしかめてケータイを睨んでる上司の姿は、昔からよく見かけていたが、40歳をすぎた同僚たちもなんだか気になっている様子。

とはいえ、メガネはやはり大切なファッションアイコンであるため、その辺で売っている適当な老眼鏡で済ますなんてことは絶対にしたくない。イケてるブランドのイケてる老眼鏡が欲しいのだ!

果たしておしゃれな老眼鏡なんてものは存在するのだろうか。メガネをファッションのキーアイテムとして捉えるメガネショップ「G.B.ガファス」のプレスである漆畑さんに、老眼鏡のことを教えてもらった。

おしゃれな老眼鏡って売ってますか?

眼鏡ショップ「G.Bガファス」と「decora(デコラ)」を運営するグラッシーズのプレスである漆畑さん。アイコニックなラウンドフレームがお似合い

メガネを作るのは、近視や乱視だけの場合だけでなく、老眼も同様です。最近、既製品として売っている老眼鏡も多いので、メガネの中でも特に老眼鏡に関しては、既製品で買うものだと思っている方も多いようですね。

でも、当店をはじめ、レンズを交換できるメガネであれば、ほぼ例外なく老眼鏡にできるんですよ。

例外といっても、極端に顔の小さい人が、極端にデカいメガネを選んでしまった場合など、レンズの生地が足りず老眼鏡に出来ない。なんて場合ぐらいで、ホントに稀です。

なので、オリバーピープルズなどの有名インポートブランドはもちろん、イエローズプラスなど日本を代表する人気ブランドまで、どのメガネでも老眼鏡にすることはできると思って問題ありません。

愛用しているメガネを老眼鏡にすることもできる?

当店で購入したメガネでなくても、手持ちのフレームを持ち込んでいただければ、レンズを交換するだけなので、問題なく老眼鏡にすることができますよ。

ただし、油分が抜けてしまっているプラスチックフレーム、ヴィンテージや中古のメガネなど、修理がしずらいものやコンディションの悪いものはお断りすることもありますので、状態はチェックします。

まれに、レンズ交換を前提としない海外の安価なフレームを持ち込まれる方がいるのですが、そのようなレンズ交換が出来ないフレームは老眼鏡にはできないですね。

ところで、そもそも老眼ってなんですか?

老眼とは、歳をとるにつれて身体のあちこちの筋力が低下するのと同じように、目の筋力や調節力が低下し、ピントが合わせずらくなる症状です。

目は、水晶体というレンズの役割をする部分を薄くしたり膨らましたりすることで、遠くのものを見たり、近くのをものを見たりとピント調節をします。その調節力が弱まってしまうのが老眼。それをレンズで補うための道具が、老眼鏡なんです。

最近、既成の老眼鏡が売られているのをよく見かけますが、手軽に購入できるのと同時に、掛けてもうまく見えない。という話しも聞きます。

裸眼で目のいい人は、既製品でも使える可能性がありますが、近視で普段からメガネを掛けている人は、既成品では役に立たない場合も多いでしょう。見たいモノが見たい距離で見えない可能性が高いんです。ベースの眼の状態と用途によって最適な度数は様々なので、メガネショップで適切な老眼鏡を作るのが望ましいですね。

値段はどれくらいになりますか?

メガネフレームの値段に、老眼鏡用のレンズ(2枚で1万円(税抜き)が基本になります。愛用されているフレームを持ち込まれる場合は、レンズ代金のみいただくかたちになりますね。

具体的な作り方を教えてください!

では、実際に自分にあった老眼鏡を作るまでの流れを、簡単に説明しますね。

1.まずは視力検査・問診

まずは視力検査をして、問診をさせていただきます。遠くのものが適切に見えればよい近視と違って、老眼の場合は、見えにくさには様々なタイプがあるので、適切な老眼鏡を作るためには、ここが大切ですね。

例えば、スーパーのレジで働く人は、レジ打ちという手元の作業と並んでいるお客さんの顔や店内を見渡すなど、距離の異なる場所に見たい対象物があります。その場合は遠く離れた場所から、手元までピントを合わせられる遠近両用タイプの老眼鏡が便利でしょう。

またデスクワークの人で、手元での書類書きとPCのモニターという、近い距離のなかでもピントが合う領域に奥行きを求める人には、近近両用タイプの老眼鏡はより使い勝手がいいでしょう。

そのようにピントを合わせたい対象によって、老眼鏡と一口に言っても、適切な度数のメガネをでないと、うまく見えないことが多いんです。

2.次にフレーム選び

計った度数に応じて、レンズの分厚さや重さが変わってくるので、”掛けたいイメージ”と”機能性”のすり合わせをしましょう。

老眼鏡は、掛け外しをすることが多いので、耐久性が求められます。例えば、フチなし(リムレス)のフレームなどで老眼鏡を作ると、取扱いに注意が必要になったりもするので、考えどころだったりもしますね。

3.所要時間は?

すぐ欲しいということであれば1時間でレンズ交換もできますよ。ただし老眼鏡のレンズは、特注品を使うことで、薄くしたり、軽く仕上げるなど、よりいいメガネに仕上げることもできます。その場合は1週間から10日ぐらいかかります。

4.フィッティングが大切

メガネは掛けたときの、瞳孔の位置(アイポイント)を確認してフィッティングをします。既製品は、多くの人の平均値を基に瞳孔の距離を設定し、またレンズも左右同じ度数で作成するので、個人個人の眼にはもちろんマッチしずらいですね。人によってはすごく疲れやすい道具になってしまいます。

5.完成品で本フィッティング

完成品で掛け心地をチェックし、最終的な掛け心地の微調整を行います。

ブルーライトカットレンズとの併用も可能ですか?

ブルーライトは、レンズの上にコーディングをする加工なので、オプションとして追加することができます。自分にあった老眼鏡を選んだ上で必要に応じて追加してください。(ブルーライトカットオプションは4000円(税抜き)

あの人気モデルで老眼鏡を作ってみた。

人気ブランドのフレームを使った老眼鏡のパターンを見てみましょう。

1.ボストンフレーム×老眼鏡

タートのボストンフレーム3万9000円(税抜き)+老眼鏡レンズ1万円~(税抜き)→4万9000円~(税抜き)

クラシカルフレームブームの火つけ役といっても過言ではない、丸みのあるデザインが人気のボストン型は、もちろん問題なく老眼鏡になります。かつて人気を博したアメリカの名門タートのフレームが近年復活したので、クラシカルなフレームでトレンド感を演出したいですね。

2.メタルラウンド×老眼鏡(乱視)

フィッシュ&チップスのラウンドフレーム2万7000円(税抜き)、老眼鏡レンズ1万円~(税抜き)→3万7000円~(税抜き)

細いメタルフレームは、プラスチックフレームと異なり、老眼鏡にできないかも? って思われる人も多いのですが、こちらも問題なく老眼鏡にできますよ。乱視がひどい方にはオススメのレンズがあるので、ショップで直接相談してみてくださいね。

3.サーモントフレーム×老眼鏡×ブルーライトカット

イエローズプラスのサーモントフレーム2万8000円(税抜き)、老眼鏡レンズ1万円~(税抜き)、ブルーライトカット加工4000円~(税抜き)→4万2000円~(税抜き)

フレームの上部がプラスチックで、下部がメタルでできているサーモントフレームも、老眼鏡にするのは全く問題なし。インテリな雰囲気を与えるデザインなので、デスクワークとも相性がいいですね。

ちなみに漆畑さんは老眼鏡を持ってますか?

ボクは43歳頃に、老眼の自覚が出ました。満員電車だったので、顔のすぐ近くでスマホを見ようとしたら、どうも見えずらい。そこで愛用していたメガネの一本、リンドバーグの[コロナ]を老眼鏡にすることに決めました。

老眼鏡は常に掛けているものではなく、持ち運びの多いものなので、ケースにこだわるのも、メガネ好きならではの老眼鏡の楽しみ方かな。と考えてケースも付属品ではなく、ちゃんと気に入ったものを選びました。おしゃれな老眼鏡は、ケースもセットで選ぶのが人と差のつくポイントかもしれませんね

おしゃれな老眼鏡ならG.B.ガファスに相談しよう!

今回お話をうかがった漆畑さんは、渋谷と原宿をつなぐキャットストリートに店をかまえるメガネのセレクトショップ「G.B.ガファス 渋谷」にいる。メガネをファッションの重要アイコンとしてとらえ、トレンドやり先進的なモデルを提案するまさにファッション好きのためのメガネショップだ。

ファッションとしての老眼鏡を求めるなら、ぜひG.B.ガファスで相談してみたい。

【DATA】
G.B.ガファス 渋谷
東京都渋谷区神宮前6-18-2
TEL03-6427-6989
営業/11:00~20:00
休み/なし
https://gbgafas-co.jp/

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2nd 編集部
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