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初フルマラソン完走! Shokz、Apple Watch、ChatGPT……テックは役に立ったか?

以前、ハーフマラソンを走った件の時に 書いたように、ひょんなことからフルマラソンに出ることになった。出場するのは、3月29日に、福井県福井市で開催される『ふくい桜マラソン2026』。テック系ライターらしく、ShoksのイヤホンやApple Watch、そしてChatGPTを駆使して走ることにした。10月終わりに決心して以来、5ヶ月間みっちり練習した結果、なんとか完走。4時間34分48秒というタイムだった。その顛末についてレポートしたい。

Shokz、Apple Watch、ChatGPT……テックを駆使してハーフマラソンを完走した話

Shokz、Apple Watch、ChatGPT……テックを駆使してハーフマラソンを完走した話

2026年01月31日

どうせならテクノロジーを使ってランニングしよう

ShokzのOpenRun Pro 2で音楽を聴きながらApple Watch Ultraで記録を取って、そのログをChatGPTに記録を見せて、アドバイスを求めることを5ヶ月間繰り返した。目標はマラソン初体験の割には大胆にも4時間切り。グータラなので、高めの目標を立てないと頑張らないと思ったからだ。

生成AIにアドバイスをもらいながら走るようになって気がついたのは、自己流で走っていた時は、とにかく負荷をかければいい……という感じだったのが、休んで回復すべき日もアドバイスしてくれるということ。

距離を伸ばす日、スピードを上げる日、身体を休ませる日とメリハリのついたスケジュールでトレーニングできるのが良かった。おそらく、ウェブ上から学習した多くのランニングノウハウにはそう書いてあるのだろう。

しかし、前回にも書いたように、初期に言われた通り走ってヒザを痛めてしまって、結局その回復に3〜4カ月かかってしまい、負荷をかけた練習ができなかったのは残念だった。5カ月走り込んだのに、Vo2Maxはほぼ上がらなかった。つまり、心肺は鍛えられなかったということ。

前回にも書いたが、ChatGPTに「お前のアドバイス通り走ったら足を痛めたぞ」って言ったら、しれっと「ちゃんとウォーミングアップをして足をストレッチしてからランニングしてください」って言われた。確かにその通りなんだけど、ChatGPTは現実空間を見てるわけじゃないから、言われた通りやればいいってわけじゃないところが難しいと思った。多少ヒザを痛めるくらいで済んだが、健康に関するアドバイスだと致命的なこともあるかもしれない。

毎回走って結果を読み込ませてアドバイスを求めてたんだけど、「忙しくて走れない」とか「雨だから今日は走らない」と言うと、それも肯定して代替案を出してくれる。代替案でOKかというと、やはり当初の案よりは緩くなっているから、ChatGPTには追い込みは向かない。全般に言って、当初サブ4(4時間切り)を目指して立てた予定は、徐々に甘くなってしまっていた気がする。まぁ、筆者のマラソンはそこまでシビアなものではないので、大丈夫だが(笑)

ともかく1月末の横田基地フロストバイトでは、初めてのハーフマラソンで2時間を切ることができた。これは上々だったと思う。

敗因は朝にあり

今回は、開催地が福井だったので、前日にクルマで福井入りした。筆者は横浜市在住なので約500km。参加の決断が、後手に回っていたので、少し離れたビジネスホテルに宿を取り、そこから15分ほど電車に乗って現地入りした。

今思えば、私はこの時点でいくつかの失敗を犯していた。ひとつは、仕事の忙しさにかまけて遅めに横浜を出たために、福井に着くのが深夜になったこと。その結果、睡眠時間は4〜5時間になってしまった。直前の長距離ドライブも足のむくみの原因になったと思う。朝、駅に着いてから急にトイレに行きたくなったが、トイレは激混みで、荷物を預ける時間がなくなり、慌てて走り回り、十分にストレッチできなかった。

補給のドリンクやフードの管理も難しい。足りないとエネルギー切れを起こすが、備え過ぎるとトイレに行きたくなる。気温によっても必要な水分量は違うから、このあたりの加減は、経験値なのだとなぁと思った。

ハーフマラソンからのフィードバックは活かせたのだが

普段はiPhoneの音楽をShokzで聞くのだが、今回はApple WatchからShokzに音楽を流した。42.195kmとなるとiPhoneの重さも負担だと思ったからだ。補給食としてエナジージェルを3個持ったので、それに加えてiPhoneを持つのは重いと考えたのだ。少しでも軽量化だ。Apple Watchはahamoでセルラー契約にしたので、iPhoneが手元になくても通信ができる(妻によると位置情報は取れなかった模様。人が多すぎたから?)

応援してくれたShokzブースのみなさん。

ドタバタしたまま競技が始まった。段取りが悪く、スタート位置は最後尾になってしまった。どちらにせよタイム計測はスタートラインからなので、ゆっくりストレッチをして走り出した。

驚くほど人は多いが、フロストバイトの時より道が広いので他の人を追い抜いていくのにもストレスが少ない。

また、前回のハーフマラソンの経験から今回はペース配分を考えて、ChatGPTに言われた通りのペースに抑えて走った。

サブ4を達成するには、5分41秒/kmを守ればいいわけだが、前回はとにかく前半で稼ごうとしてしまった。ChatGPTは、前半抑えて後半で伸ばせという。そんなことが可能なのかどうか分からないが、アドバイスに従うことにして、教えられたペースを腕に書いて走った。

また、10km、20km、30km時点で守るべきタイムを算出してもらい、それも書いておいた。

5km時点では、まだスタート時の失敗の焦りがあったが、10kmぐらいになるとそれもなくなり、「今日は体調がいい!」という気分になってきた。

水分はエイドステーションでちょくちょく取り、15kmでエナジージェルを補給した。42.195kmを走り切るには、着実なカロリー補給が大切だ。でないと、エネルギー切れになってしまう。

16km付近でトイレに行きたくなった。水分を取りすぎたのかもしれない。行くか行かないか迷い、悩んでいることをストレスに感じたので、人が並んでいないトイレの列を見つけて立ち止まった。しかし、空いているように見えた個室は鍵が壊れていて使えず、トイレが空くまで2分ほどだがそこに立って待つことになってしまった。これが結構ペースを乱す原因になったように思う。

25kmからが地獄

その乱れが後を引いたのか、そもそも限界だったか分からないが、20kmぐらいからペースが乱れた。そして26kmあたりで、急にツラくなってきた。同時に太陽の光が強く、暑く感じるようになった。実際この日は天気がよく、気温が上がり過ぎたのだ。給水所で水をかぶったが暑さは変わらない。足がとても辛くなり、ペースを上げようとしてもどんどん落ちていく。10km地点まではサブ4の時間スケジュールに合わせて走れていたのだが、20km地点でちょい遅れ。25kmで立て直すのが困難なほど乱れてしまった。


足の痛みを耐えながら走り続け、1kmごとに立ち止まって屈伸やストレッチをしたりした。遅いペースで走り続けるよりも屈伸やストレッチで足をほぐしてスピードを出した方が良いのではないかと思いそうしていたが、走り出すとまた辛さは続いた。言い訳をしつつ、立ち止まってストレッチをするが、一向にペースは復活しない。

そのうち4時間30分を切るのも難しいペースになってきたことに気づいた。睡眠不足だったからだとか、4時間も4時間半も切れなかったとなると、残るのは完走だけではないか……とか、いろいろ言い訳を脳内でこね繰り回しながら走り続けた。

そして、奇跡の復活

35キロ地点で4時間半のペースランナーが筆者を抜いていった。

これ以上遅くなると4時間半も切れない! 「サブ4を狙う」とか言ってたのに、さすがにそれは恥ずかしいのではないか?

逆にあのランナーについていけばまだサブ4.5の希望は途切れていない。そう考えて、ペースランナーを必死で追い始めた。すると不思議なことに、これまで動かなかった足が動くようになり、再び6分/kmぐらいのペースを取り戻せるようになった。

元より最初から抑えて走っていたので心肺への負荷は大きくない。ハーフマラソンの時は心肺が限界だったが今回は足がダメだった。足は痛いが上半身の力を使って何とか走ろうとし、腕を大きく振って前進した。

ゴールが近づくと小さいが上り坂が何度か出てきた。そこで歩いてしまっている人もいたが、私は上りの負荷にまだ余裕があったので耐えてペースを落とさず走ることができた。

桜並木の間を走り、競技場を抜けると応援する人が増えてきて、Shokzから流れる音楽が私を鼓舞した。

なんとか完走。記録は4時間34分48秒

そして、ゴール! 何はともあれ、初めてチャレンジしてフルマラソンを完走できた。タイムは4時間34分48。

完走できないとは思っていなかったが、思ったより時間がかかってしまった。足はパンパンで、ゴールを越したらすぐに記念品を受け取る列に並び手続きをしなければならなかったが、とてもではないが足が動かず座り込んでしまった。42.195kmは本当にしんどい。もう、2度と走りたくない……と、この時は思ってた。

とにかく、マラソンランナーってすごいなと、4時間半以上かかって走ってそう思った。

そう走ってみるとそのすごさを思い知った。この距離を裸足で走ったアベベなんて信じられない偉業だし、小さな身体で2時間20分を切って笑顔だったQちゃんの超人ぶりもよくわかった。これは走ってみないと感じられないことだった。みんなすごい!

ゴール直後でヘバっていると、妻が写真を撮っていてYouTuberの福井のカズさんを発見してくれた。あのチャンネル登録者184万人のカズチャンネルのカズさんだ。カズさんはこの『ふくい桜マラソン』の大会公式サポーターを務めてらっしゃるので、お会いできるのではないかと思っていたのだ。せっかくなので一緒に写真を撮らせてもらった。こういう時だけ元気に立ち回れるのが自分はメディアの人間だとつくづく思った。ご挨拶のあと、再び動けなくなって座り込んでしまった(笑)

データと反省

目標としていた4時間切りには遠く及ばないが、いろいろ学ぶことはあった。こちらがデータ。

ペースのタイムを見ると、16kmでトイレに行ったのも、20kmを越したあたりから、ペースが乱れ始めたのも、26kmを超えて崩壊したものもそして、35kmあたりで奇跡の復活を遂げたのもよく分かる。

心拍も150を越さないあたりで走れているから、ダメだったのは足で、心肺はまだ余裕がある感じだったというのがよく表われている。

反省点は、睡眠不足だったこと、現地でトイレに行こうとしたこと、前日に長距離ドライブをしたことなど。基本的に夜に原稿を書く夜行性なので、どうしてもこのあたりの調子が合わない。なにしろ、スタート時間の8:30は、まだいつも寝ている時間だ(人生を通じてそう。その代わり深夜2時、3時までは普通に起きている)。それでコンディションがいいわけがない。次回は1週間ぐらい前からは、朝方に身体を切り替えようと思う。

あとは、ロングランをもっとやって、42.195km維持できる足を作りたい。そのためには、今回のようにヒザを痛めないように、準備運動をちゃんとしてランニングして、もっと負荷をかけて行きたい。

あれ? 次回? そう、早くもフォーカルのご担当さんに、「次は、○○マラソン出ませんか?」と言われてしまったのだ。とにかく、サブ4が目標と言ったからには、諦めず、それをクリアするチャレンジは続けたい。

また、機会があったら、レポートしたいと思う。

(村上タクタ)

↓カズチャンネルのカズさんが、最後尾から走る動画。筆者はどこかで抜かれるはずなのだが、まだ発見できていない。前半の混んでる様子とか、26〜35kmあたりの、僕がダウンしていたあたりの風景とかをご覧いただけるはず。

この記事を書いた人
村上タクタ
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村上タクタ

おせっかいデジタル案内人

「ThunderVolt」編集長。IT系メディア編集歴12年。USのiPhone発表会に呼ばれる数少ない日本人プレスのひとり。趣味の雑誌ひと筋で編集し続けて30年。バイク、ラジコン飛行機、海水魚とサンゴの飼育、園芸など、作った雑誌は600冊以上。
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