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Shokz、Apple Watch、ChatGPT……テックを駆使してハーフマラソンを完走した話

テックメディアの編集者といえば、運動不足の権化のようなものだが、ひょんなことからランニングイベントに出ることになった。Shokz、Apple Watch、ChatGPTを駆使して、まずはなんとかハーフマラソンを2時間切って完走した。

ひょんなことから、マラソンにエントリー

10月の終わり頃の話。骨伝導イヤフォンShokzのご担当者さんから「3月末の『ふくい桜マラソン』に出ませんか?」という話をいただいた。Shokzではブースを出店されるのだそうだ。

スポーツとは無縁の人生で、マラソンイベントにも出たことのない私だが、勧められたら極力「Noと言わない」ことにしているので、「出走します!」と言ってしまった。だが、冷静に考えてみたら運動不足のオッサンが42.195kmも走るのは容易なことではなさそうだ。

知人から「村上さん、それは事前にハーフマラソンぐらい走っておいた方がいいですよ。ちょうど1月18日に横田基地でフロストバイトっていうランニングイベントがあるので一緒に出ましょう。ハーフマラソンのクラスもありますよ」と言われて、「それはもっともだ」と思い、エントリーした。

エントリーすると、ゼッケンと計測チップが送られてくる。このチップを靴ひもに結わえておくと、自動的にタイムが計測されるのだ。すごい。

というけで、10月の終わりから2カ月半でハーフマラソン、5カ月でフルマラソンに参加するという、恐ろしいスケジュールが決定してしまった。

ChatGPTに相談しながら、練習

ShokzのOpenRun Pro 2と、Apple Watch Ultraをつけて日々近所の緑道をボチボチランニングはしているが、出るからには完走、あわよくば「けっこう速いっすね」と言われるスピードで走りたい。

そこで、ChatGPTに相談してランニングスケジュールを作ってもらった。

Apple Watch Ultraで計測したタイムや心拍を入れると、けっこうちゃんと分析してくれるのだ。

ちょっと練習すると分かるのだが、ランニングは根性でもなんでもない。

脚という筋肉があって、心肺でもってそれを動かす。あるペースで走れば、心拍はある数値に上がる。これは心肺の能力として必然的に決まる。

ペースを上げれば心拍は上がるが、心拍には限界がある。たとえば僕でいえば、いくら必死で走っても心拍180で走り続けることはできない。頑張っても160。走り続けるなら150ぐらいが精いっぱいだ。となると、必然ペースは決まる。

たとえば、上のデータで言えば5分10〜20秒/kmぐらいで走ると、心拍は150になる。

心拍をめいっぱい上げるようなトレーニングをすると、VO2Maxは向上するから、おそらく同じ心拍で走れるスピードは向上する。より多くの酸素を供給できるようになると、よりスピードが上がるということだ。

そして、心拍が上がっても脚の筋力がついてこないとそのスピードでは走れない。つまり、心肺と脚をきたえる必要があるということだ。あとは、なるべくそれを効率的に動かすためにフォームを改善したりする。基本的にはランニングのタイムというのはそういうもので決まるようだ。

もちろん、Shokzから流れる音楽も、ランニングをエンパワーしてくれる。Apple Watch Ultraをセルラー契約にしたので、iPhoneを持っていなくても位置情報を取得したり、音楽をストリーミング再生したりもできる。

ChatGPTの言う通りにしたら、ヒザを痛めたのだが

というわけで、ChatGPTの言う通りにトレーニングをした。ちゃんと、ロング走をして長距離を走る能力を向上させたり、短距離を速く走ってスピードを身につけたり、距離を走った翌日は休んで身体を回復させたりするということまでアドバイスしてくれる。

が、最初の1週間から40kmも走らされて、あまりにハードでヒザを痛めてしまった。ヒザが痛くて走れない。

「お前の言う通り走ったら、ヒザを痛めたぞ! どうしてくれる」とChatGPTに怒ったら、「ちゃんと準備運動をして、最初の1kmは歩くぐらいのペースで身体を暖めてから走りましょう」と言われた。そりゃそうだ。しかし、なぜそれを先に言ってくれない。

基本的には求められる答えを返すようにできているから、様々な周辺環境や安全性まで考慮してくれるわけではない。少しヒザを痛くしたぐらいで済んでいるからいいが、病気の対応などでAIに頼るのは危険かもしれない。

ハーフマラソンでは2時間切り、フルマラソンでは4時間切りを目標として掲げたからハード過ぎるスケジュールが提示されたのだろう。しかし、目標がないとなかなか頑張らないから難しいところ。

ヒザを気にしながらトレーニング続行

ChatGPTにヒザを痛めていることを前提として、スケジュールを組み直してもらった。

十分に身体を暖めて、準備運動して、ゆっくり歩くところからトレーニングが始まる。しかし、ここに来て、ChatGPTもヒザを痛めない前提でスケジュールを組ませているので、ペースは遅め。VO2Maxも下ったままだ。

ともあれ、へこたれず、可能な限りChatGPTをせかして、徐々にペースを上げてなんとか、横田フロストバイトにこぎ着けた。

直前には、15kmぐらいのランもして、そこから身体を休ませる。直前はあまり走らずに身体を休ませるのが大事なのだそうだ。ChatGPTにそう言われないと、心配で走ってしまうところだった。

しかし、CES帰りの息子から風邪をもらったらしく、ちょっと熱っぽいような気がする。いや花粉症か? 体調はあまりよくない感じで当日。

前日は、炭水化物多めの食事。朝も炭水化物を中心にしっかりと食べる。1時間前にはカロリーメイトをチャージ。さらにスタート15分前にジェル1個。エネルギー切れにならないように、十分に食べておくのだそうだ。

そして、ジェルをひとつ10kmぐらいで食べて、後半のエネルギー切れを防ぐのだそうだ。おそらくランナーの方にとっては常識なのだろうが、こういう情報をすぐに得られるのは生成AIの便利なところ。

思ったよりもハイペースで、絶好調!

会場に行くと驚くほどの人だ。余裕を持って会場についていたが、横田基地には荷物検査と、身分証明書(パスポートなど)のチェックがある。そこを通過するのに1時間ぐらいかかったのだ。

着替えて、ストレッチして、予定通りエネルギーをチャージ。

スタートはだいたい、ペースごとに並ぶ。つまり、とっても速い人は最前列に。2時間切りが目標の筆者はそれなりのところに並んだ。

スタート。

でも、芋洗い状態で、スタートラインに到達するまでに2分ぐらいかかる。

ここでノロノロ走っては、2時間切りはおぼつかない。

しかし、混んでて人を避けなければならないから余計な体力を使う。

現時点の筆者は5kmまでぐらいなら5分10秒/kmぐらいで走れる。3年ぐらい前、むきになって走ってた時は10kmを44分(4分30秒/kmぐらい)で走ったことはあるが、その時よりVO2Maxはだいぶ落ちている。さらにヒザにもトラブルを抱えている。

ハーフマラソン2時間切りをするためには、5分40秒/kmで走り続ける必要があるが、後半にタレることを考えると、5分20秒/kmぐらいで走っておきたい。

しかし、めちゃ混みで、それどころではない。Apple Watch Ultraを見ると、最初の1kmは6分13秒だった。ダメだ、遅過ぎる。巻き返さないと。

3kmぐらいまではけっこう混んでいたが、人をかき分けるようにペースを上げた。5kmぐらい走ったところで、「けっこう調子いいんじゃないか?」と気がついた。2kmから8kmまでは、なんと4分57秒〜5分7秒のハイペースで走っている。しかも身体が軽い。絶好調だ。

不慣れな給水と折り返しが難しかった

しかし、給水所と折り返し地点でちょっとしくじった。

まず、水を取るのが難しい。テレビで見るように走りながら受け取るなんて、無理。立ち止まって人ごみをかき分けて、紙コップの水を受け取る。

ジェルも食べようとしたが走りながらはとても無理。立ち止まってジェルを取り出し開封。走りながら食べる……が難しい。ジェルは自分の体温で温まっていて気持ち悪い。しかも、なんか手がネバネバになった。最悪だ。

残念ながら、基地内ランニング中は写真NGなので、途中の写真はまったくない。居住エリアのあたりでは、米兵とご家族の方々、小さいお子さんたちが手を振り、鳴り物を鳴らして応援してくれる。ありがたい。死力を振り絞って「Thank You !!」と言って回る。

2kmほどネバネバの手にジェルのパッケージを握ったまま走って、給水をするフリをして手を洗った。ゴミも捨てられた。考えてみたら、普段のトレーニングでは給水したり、ジェルを食べたりしたことはなかった。ここでずいぶんととっちらかった。

姑息な思惑

とっちらかりはしたが、12km時点で63分26秒。つまり、楽勝で2時間を切れる。それどころか、このままのペースだと、1時間50分も楽勝で切れてしまう……などと走りながら暗算する。小学生レベルの暗算は得意なのだ……などと思っていたが、実はこの計算は間違っていた。ハーフマラソンは20kmではなく、21.0975kmなのだ。

その間違った計算をもとに、「速過ぎるかもしれん」とか思い出し、「あまりに速いと、次にハーフマラソンに出た時に、この記録を破るのが難しくなるかもしれない」と余計なことを考えてしまう。たしかに、基地はフラットだし、この日は晴れてコンディションはいいから、記録を出しやすい条件ではあった。

脚もまったく痛くないし、それなりに大変だが、ペースも実に一定を保てている。悪くない。

ともあれ、そんなヨコシマな思いから5分40秒ぐらいまでペースを落とした。

しかし、不思議なもので、ハイペースで走っている時は大丈夫だったのに、なまじペースを落とすと余計にしんどい。しかも、腹筋や胴体まわりの筋肉がつったように痛い。ChatGPTにあとで聞いたら、慣れない給水とジェルの摂取で一度筋肉が緩んだのが良くなかったらしい。心肺や、脚の筋肉に、体幹の筋肉がついていっていないとのことで、プランクなどで鍛える必要があるらしい。

最後の数キロはやっぱり大変!

それはともかく、17〜19kmは非常に腹筋が痛かった。

そして、19km。「ラスト1kmは、奇跡の復活を遂げてハイペースで追い込むのだ!」と思って必死で走った。しかし、実際には5分25秒/kmだったから、たいしてペースは上がっていない。

そして、20km! ……そこがゴールだと思ったら、先にも書いた通りハーフマラソンは21.0975kmなのだ。

もう、予備のエネルギーはない。腹筋も痛い。脚もつらい……のだが、死力を振り絞ってあと1km走る。ただ、同じペースの人達よりはラストスパートできていたから、周りの人よりはエネルギーを残せていたのかもしれない。

ゴール! この写真を撮ってもらうまでは元気だったのだが、なんとそのあと30分も心拍が100以下に下がらなかった。普段はランニングしても3分ぐらいで下がるのに、さすがに血液中の酸素を使い尽くしたということなのだろうか?

ハーフマラソンの2時間切りでこんなに大変なのだから、あと2カ月半でフルマラソン4時間切りはとても無理な気がする。4時間切りを目標にしようかと思っていたのだが、これはちょっとあきらめるかも。目標は再検討。

ともあれ、初マラソンイベント参加で、ハーフマラソン2時間切りを達成。大変でした。健康のために走ってるのに、身体を壊しそう(笑)

横田基地のお兄さんが、バナナをくれた。

さて、次のフルマラソンの目標はどうしたものか……。意地で4時間切りを目指すか、まずは4時間半あたりを目標にしてトレーニングするか? あと2カ月!

(村上タクタ)

この記事を書いた人
村上タクタ
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村上タクタ

おせっかいデジタル案内人

「ThunderVolt」編集長。IT系メディア編集歴12年。USのiPhone発表会に呼ばれる数少ない日本人プレスのひとり。趣味の雑誌ひと筋で編集し続けて30年。バイク、ラジコン飛行機、海水魚とサンゴの飼育、園芸など、作った雑誌は600冊以上。
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