KEY PALETTO Folio(TK-KP14UMBK)
https://www.elecom.co.jp/products/TK-KP14UMBK.html
これまで、子どもが使うということを、考え抜いたキーボードはなかった
子どもたちが小学校で最初に使うデジタルデバイスとしてiPadは非常に優れている。すべてをタッチパネルで操作できるユーザーインターフェイス、丈夫さ、長いバッテリーライフ、Apple Pencilを組み合わせて使うことによる豊かな表現力。筆者は、GIGAスクール構想から同第2期に至るまで、日本中の数多くの小中学校を取材してきていたが、iPadは非常に優れたIT教育用デバイスだと思う。

ただ、問題がないわけではない。
ひとつは、世代交代の都合上、現行のiPad(A16)の仕様がちょっと微妙であること。本体の充電はUSB-Cなのに、対応Apple Pencilは(第一世代)か、(USB-C)で、マグネットでくっつけても充電できない。
もうひとつは、「これがお勧め!」といえるキーボードが少ないこと。純正品は安くないし、本体の保護という点においては角が出ているので非常に不安。多くは本体のSmart Connectorを使わずにBluetooth接続なので、タイピングを始める前に接続を確認しなければならないという面倒がある。
また、「初めてタイピングを覚える子どもたちが使う」という点に置いて、十分に工夫がなされているかというと、そんなこともない。もちろん、多くの子どもたちはすぐに慣れるだろうけれど、「ひとりでも多くの子どもが取り残されず、授業についていけるように」と考えると、なかなか良い選択肢はなかった。
使う指ごとに色分けされたキートップ
そんな中発売されたKEY PALETTO Folioは、『子どもたちのためにベストな選択だ』と自信を持って言えるキーボードだ。
まず、どのキーをどの指でタイプすればいいか分かるカラフルな色分け。

最初に、どのキーをタイプすればいいか習得すれば、後にタッチタイピングに移行しやすいことだろう。タッチタイピングを習得していれば、ある意味『生涯の生産性を向上』できる。この意義は大きい。
また、⌘、Option、シフト、英数/かな、カーソルキーなどの表示も、たいへん分かりやすくなっている。

キーピッチは子どもの手に合わせて17mm(古い話をすると、PowerBook 2400cが16.5mmなので、ほぼ同じ)となっており、微妙にキートップが凹面になっている。
また、キートップの印字は、そのまま打てば表示される小文字が右下に大きく表示され、シフトキーを押すと表示される大文字は左上に四角く囲んで(シフトキーに□が描かれている)表示される。かな入力用の印字は省略されている。

「入力は自由」が前提ではあるが、ローマ字入力を教えるのであれば、かな表記があると混乱する。また、ローマ字を習っていない年齢だと、小文字と大文字の区別がつかず混乱することがある。その点に配慮した、小学生低学年にも分かりやすい表記ということである。
『いつも繋がっている』有線接続
キーボードの接続がBluetoothやケーブルを前提としていないのも好ましい。
結局のところ、毎回Bluetoothを接続するのはわずかな手間だが積み重なると面倒だ。また有線は取り回しや、断線、コネクターのトラブルという問題もある。
iPad本体とケースはUSB-Cコネクターで接続される。ケースの装着はかなりタイトで大人でも面倒なほどだが、子どもの力では取り外しにくいというのはメリットでもある。おそらくトラブルを減らすためだろう。
スピーカー部分も、ちゃんと前方に音が通る構造になっている。

ケースにはUSB-Cコネクターのメスと、3.5mmピンプラグが設けられている。

これらは先ほどのUSB-Cコネクターを介して、iPad本体に接続されると思われる。Smart Connector側に端子はないから、キーボードの接続も先ほどのUSB-Cコネクター経由ということになる。
ケースとキーボードは設置すると自然と繋がるコネクター経由で接続されている。

いずれも、子どもが使っていてトラブルが少ないように工夫されている。
丈夫な作りが実に好ましい
「高価な電子デバイスだから、気をつけて扱うように」と言っても、小学生、特に低学年の子どもたちには難しい側面がある。むしろ、我々が子どもだった頃のことを考えると、高価なデバイスを「紛失するな。壊すな」と言われている今の子どもたちはかわいそうだ。多くの人はランドセルを投げたり、背負ったまま転げ回ったりした記憶があるはずだ。
できれば、あるていどはソリューション側でカバーしたいところ。
KEY PALETTO Folioはその点もぬかりない。
まず、ケースとして非常に丈夫に作られている。紛失しがちなApple Pencilもゴムバンドで保持できる。

Touch IDも操作しやすいようになっているし、カメラやフラッシュ、センサー、マイクなどもちゃんと穴が開いている。iPadのことをよく理解してる人が設計していることが見て取れる。

また、四方にストラップホールがあり、ストラップでつり下げるような使い方もできる。
ケース側とキーボードはベルトで固定されるようになっているが、その部分はキックスタンドで保持される。またキックスタンド部分を大きく開くと、本体が見える。この本体の見える部分に管理番号のシールなどを貼ることが意識されているようだ。

キーボードを外せば、スタンドを大きく寝かせて手書きに便利なようにわずかに手前に起こすような使い方もできる。

安価ではないかもしれないが、子どもたちへの配慮が満点のキーボード
色分けされたキートップが目立つが、それだけではなく細部まで「子どもたちが快適に、安全にiPadを使えるように」という配慮が行き届いた商品だ。
2万円前後という価格は少々高いかもしれない。予算制約が厳しい学校ではなかなか採用されないことだろう。しかし、さまざまな子どもが起こしがちなトラブルに対して配慮されている点を考えると、他の安価な商品を買って壊したりするよりも最終的にはコストパフォーマンスが高い。
ひらがな印字の有無、色分けの色のビビッド加減、ディスプレイ出力対応の有無などでバリエーションがあるので、その点は気をつけて購入したい。
また、WindowsやChromeなどと組み合わせて使える単体キーボードとしてのKEY PALETTOも存在するので、こちらもお勧めだ。
(村上タクタ)
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