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M1から全部買った編集長、MacBook Air(M4)を先行レビュー

先週、3月5日に発表され、明日12日に発売となるMacBook Air(M4)を、ひと足先に試す機会をいただいたので、そのレポートをお届けしよう。筆者がお預かりしたのは、新しいスカイブルーの13インチ、10コアCPU、10コアGPU、16GBメモリ、1TBストレージ(22万4800円)のモデルだ。

MacBook Air
https://www.apple.com/jp/macbook-air/

全機種自腹で買ってきたからこそ、MacBook Airをお勧めしたい!

実は、筆者はApple Siliconが搭載されたMacBook Airを全機種購入している。

2020年11月のM1登場時には、その高性能に驚いて購入し、自分のメインマシンとして1年ほど使って、その後、大学入学時に買ったCore i5のMacBook Airのパフォーマンス不足に悩む娘に譲った。そして、昨年、M2を大学生の息子のために購入し、この春、正月の初売りで仕事を手伝ってくれている妻(前述のCore i5を使っていた)のためにM3を買った。これだけ買えば、かなりの上顧客と言っていいのではないだろうか?(笑)

自分のため、家族のためにMacBook Airを買い続けているのは、それだけMacBook Airが高性能で、コスパに優れているからだ。実際、故障した記憶もない(忘れているだけかもしれないが)。

ちなみに、家族全員デスクでは外付けディスプレイを接続して使っていて、娘は建築家の卵なのでCADで図面を引いたり、その図面をPhotoshopでイラストに加工したりという作業をしている。息子はAIについて勉強している大学生なので、コーディングをしたり、生成AIのモデルをローカルで動かしたりにも使っているようだ。いずれも、かなり負荷のかかる作業だと思うが、不満は出ていない(もちろん、使える範囲で使っているということもあるが)。

Mシリーズチップの性能は高く、ボディは軽く持ち運びにも優れる。カメラもマイクもスピーカーも、必要なものはすべてこの中に詰まっているし、iPhoneなどとの連携にも優れている。アルミ切削加工で作られたPC用ボディは、実はMacBook Airがルーツなのだが、丈夫でトラブル知らずだ。

筆者はWindowsパソコンの事情は知らないが、次のMacに買い替える際に売却する時、価格が安定しているのもMacBook Airのうれしいポイントだ。中古車でいうところの、数年後の残存価値が高いのだ。だから、購入時に少々高くても、安心して購入出来る。壊したりしなければ、売却できる価値があるとわかっているからだ。

それというのも、モデルチェンジするたびに、着実に進化しているが、旧モデルと大きくデザインを変えず、過去のモデルを陳腐化させないからだ。アップルによると「考えられる限り最高のデザインを作っているのだから、変更する必要はない」ということらしい。商品が売れなくなると、小手先のデザイン変更をする製品が多い中で、その方針を堅持できるというのは驚くべきことだ。

なんと、MacBook Pro(M1 Pro)をほぼすべての面で越えた

今回のアップデートでは、M3→M4チップへの更新と、1080p(約200万画素)から1200万画素へとカメラの更新が行われた。昨秋、MacBook Proが発売された時に、MacBook Airも値段据え置きで最低メモリが8GB→16GBにアップデートされたが、今回も値段据え置きでこれらすべてのアップデートが行われている。

ちょっと安いぐらいで旧モデルが出ていても、新しいM4モデルを買った方がお得だろう。特に、M3の新古品、中古品を購入する際には、8MBメモリのものが混在している可能性があるので注意が必要だ。

歴代のMacBook Airと、ついでに筆者愛用のMacBook Pro(M1 Pro)と、気になる人もいるだろうMacBook Pro(M4)のGeekbench 6 Proと、Geekbench AIの計測値を表にしてみた。

歴代のMacBook Airは着実に進化していることがよくわかる。特に、Apple Intelligenceの性能に大きな影響を与えるAIの量子化(Quantized)の数値が大きく向上していることに注目したい。

筆者のMacBook Proとの比較で言えば、ついに3世代にして、CPUマルチコアはおろか、GPU性能もほぼ追いつかれたことに注目したい。そして、AIの量子化の数値では大差を開けられている。これは、Apple Intelligenceが一般化してきたら、買い替えを検討した方が良さそうだ。

MacBook Pro(M4)との計測値の違いも興味深い。基本的に同じチップのはずなのだが、MacBook Pro(M4)の方が良い数字が出ている。計測誤差かもしれないが、冷却ファンを持つMacBook Proは、よりM4チップの性能を大きく引き出すようになっているのかもしれない。逆にAIの性能に差はないと見て良さそうだ。

iMacやMacBook Proと同じ1200万画素のカメラを装備

カメラのアップデートは、iMacやMacBook Proなどで行われたのと同様、1080pのカメラから1200万画素のカメラにアップデートされる。このカメラはiPhoneの超広角カメラと同じぐらいの画角を撮影しておいて、その一部をトリミングして利用することで、カメラが人を追尾しているように見えたり、テーブルの上が見えるように見せたりする仕組みになっている。そのため、トリミングされた画像は1200万画素もあるわけではないことに留意されたい。

以下はデスクビューの設定画面だが、デスクビューとして使われるのはご覧の部分だけどいうことである。

とはいえ、ビデオ会議中にデスクの上の書類などを見せたり、SNSの撮影などで手元を見せることができるのは便利ではある。

外付けディスプレイを2台使用可能になったのはとても嬉しい

あと、筆者にとって大きいのは、ついにMacBook Airで本体ディスプレイを開いたまま6Kまでの2画面を接続できるようになったことだ(写真はとりあえず1画面だが)。筆者が、MacBook AirではなくMacBook Proを買った理由の半分は、デスクで外付けディスプレイを2画面接続することだったので、これで『次はMacBook Airでいい』となる可能性が増した。

ちなみに、スカイブルーはこんな色(上)。一番下のブルーはiPad(第10世代)、中はiPad Air(M3)のブルー。新しいMacBook Air(M4)のスカイブルーが一番シルバーに近くて、おとなしいが上品な色。光の当たり方によって発色が違って、写真では再現が難しい。ぜひ店頭で実物をご覧いただきたい。

もしかして、私は4台目のMシリーズMacBook Airを買うことになるのだろうか?

(村上タクタ)

この記事を書いた人
村上タクタ
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村上タクタ

おせっかいデジタル案内人

「ThunderVolt」編集長。IT系メディア編集歴12年。USのiPhone発表会に呼ばれる数少ない日本人プレスのひとり。趣味の雑誌ひと筋で編集し続けて30年。バイク、ラジコン飛行機、海水魚とサンゴの飼育、園芸など、作った雑誌は600冊以上。
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