オレ専用キーボードの快楽。自分でデザインしたHHKBキートップが出来上がってきた!

先日、遊舎工房にオーダーした、オリジナルHHKBのキートップが仕上がってきた!

世界でひとつのキーボードが欲しくて、自分でHHKBのキートップをデザインする

2023年03月03日

これは、自分でIllustratorでデーターを作って遊舎工房にオーダーすると、HHKBのキートップにそのデーターをプリントアウトしてもらえるというもの。

遊舎工房 HHKBキーキャップ刻印サービス
https://shop.yushakobo.jp/products/hhkb_keycaps_marking?variant=43404536512743

ちなみに、キートップの持ち込みは不可で、遊舎工房の在庫から購入してプリントを依頼することになる。また、当然のことながら、これはキートップのみでキーボード本体は別途所有していることが前提。プリント代金は日本語キーボードが1万6500円、英語配列が1万5400円となってる。キーの数が違うので、おそらくかかる工数が違うのだろう。

自分に必要な刻印だけど、シンプルに入れたい

キーボードは、多くの人にとって、1日で一番よく使うデバイスである。ここにコストをかけるのはある意味当然だし、お気に入りのキーボードだと仕事の効率も上がるというものだ。

しかし、キートップを見ると、余計な文字があったり、必要ないのにFキーの刻印があったり、Page Down、Scrollなどの印字があったりする。HHKBの『雪』はかなり理想に近いが、それでも要らないと感じる文字がある。もちろん、無刻印という手もあるが、筆者もほぼタッチタイピングできるとはいえ、記号が分からなかったり、パスコードなどを入れる時に困ったりする。文章を書いている時はタッチタイピングだけれども、無刻印キーボードで突然『hGr8X26&w』と入力しろ……言われると無理なのだ(エキスパートの方はできるのかもしれないが)。

というわけで、かくなる上は……ということで、オリジナルデザインのキートップをオーダーすることにした。オーダーしてから2週間もしないうちにキートップが到着。めっちゃ嬉しい。

さっそく、同梱されてる専用工具を使って、元のキートップをせっせと抜く。

そして、新たに印字されたオリジナルキートップをせっせと差し込んでいく。筆者は、左のOptionと⌘の位置を逆に設定してるから、それも間違わないように差し込む。頻繁にキートップの付け外しをしているので、だいぶ素早くできるようになった。

キートップはレーザーで刻印される。いわゆるレーザーカッターの出力を落として、表面を焦がす感じだ。したがって文字の色は選べない。『墨』は少しベージュの入った、タンのような色になる。『雪』や『白』の場合はわずかにコゲ茶色の入ったグレーになる。どちらも割と見やすい。どちらも染料が入ってるわけでなく、レーザーで焼けただけなのに、ちゃんと見やすい色になるのが面白い。

ちなみに、これは以前に取材にうかがった時の写真だが、この機械で印字されてるはずだ。

自分好みのデザインにできる楽しさ

筆者は、シンプルな『雪』も持っているので、それと同じようなシンプルなものを作るより、シンプルながらクセの強いキーボードを作ろうと思った。

最初は、テッキーなフォントや、バウハウス93(昔、ビモータのdb1などに使われていたフォント……といえば、バイク乗りには分かるかと)のような未来的なもの、手書きフォント……などをいろいろ試してみたのだが、可読性が低いと印字する意味がない。

そこで、ちょっとファンタジーゲームっぽい、おどろおどろしいフォントを使うことにした。EllaのBrutalist Regularというフォントだ。Adobe Fontsで探した。

うーむ。カッコいい!

友人にいわれて気がついたのだが、キートップには普通サンセリフ(棒の終わりが広がってないフォント)を使う。だから、こういうセリフの付いた個性的なフォントを使うケースは少ないとのことだ。

可読性を高めるために、セリフのついたフォントの中でも太くて、斜体が掛かっていないフォントを選んだ。それでも、一部がちょっと途切れてたりして、個性的なところが気に入っている。

『雪』は中央に印字されているが、指を置く可能性があることを考えると、左下にズラした方が読みやすいのではないかと思い、左下に文字を配置した。

細かい部分も手を抜かずに、好きなようにできる

左側の、esc、tab、control……などのキーは、可能な限り級数を落として、左下に配置。これらのキーの印字は、何か特殊な入力をする時に、はたと我に返って見る時に見られればいいかと思っている。

そして、左下の通常HHKBマークが入ってるキーは『ThunderVolt』ロゴを入れた。ロゴ全体の紺に対してオレンジで表現してる『V』の字は、アウトラインにしたから非常に細かい表現になったのだが、無事印字できた。遊舎工房のレーザーカットの精度すごい。

シフトを押して表示する文字は、右上に少し小さく表示したのだが、『'』『+』『*』『,』『.』などが小さ過ぎて区別が付きにくくなった。これはちょっと失敗。まぁ、筆者が老眼だからというのもあるのだが。その他、変換、無変換などは、PFUのサンプルデザインを元に、少し小ぶりにした。

『HHKB墨』→『HHKB墨タクタSpecial』に!

というわけで、このHHKB『墨』が、ご覧のようにHHKB『墨 タクタ Special』になった。

少々手間はかかるが、意外と簡単だし、もし、AdobeのCCのアカウントを持っていなくても、このキーボードのデザインをするぐらいなら、1カ月の無料試用期間に完成させることができると思う。

というわけで、私の机にはシンプルなHHKB『雪』と、個性的な『墨 タクタSpecial』が並ぶことになった。

日々、気分によって使い分けるのが実に楽しい。

(村上タクタ)